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日々是暴食★トラウマめし【第42食】韓国・ソウルの孤独のグルメ焼肉と置屋街

緊急事態宣言の直前に


 スマホで過去写真を見ていてら、2020年2月29日から3月2日の日程で韓国へ2泊3日の短い旅行へ行ったことを思い出した。新型コロナの感染拡大が世界的な問題になってきた頃で、3月初頭には韓国の大邱で新興宗教団体の施設で集団感染が起きた。

人影まばらなソウル市内

 日本では3月13日に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が成立し、翌4月7日には初めて緊急事態宣言が発出。事実上、海外旅行は行けなくなってしまったので、この韓国旅行はコロナ禍ギリギリ前に行った旅行だった。実際このあと3年近く海外へ行けなかったのは辛かった…。

 この頃すでに韓国でも感染者が増えてきた時期で、航空券がめっちゃ安かった。成田⇄ソウル便が往復で1万円。ホテルも2泊で5千円だった。まだ規制はされていなかったけど、渡航者が激減して叩き売りしてたのだろう。

光化門広場にはマスク姿の警備スタッフだけが目立つ

 安いからチケット買っただけなので特に韓国へ行く理由もなかったのだが、アカデミー賞で作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』を観たばかりだったので、ロケ地を見に行ってみた。

 地下鉄2号線アヒョン駅周辺の住宅街がそれで、作中に出てくるスーパーや、半地下の格安住宅があった。

映画の舞台になった格安住宅の多いエリア
半地下の住居がそこらじゅうに。日当たり悪そう

 スーパーで麦コーラ「メッコール」を発見。久々に飲んだがうめー。昔岩手のばあちゃんが箱買いしていたので子供の頃よく飲んでいた。懐かしい。

 ばあちゃんは統一教会と無縁だったのに、何故メッコールを大量買いしていたのかは亡くなった現在では謎のままだ。けど、この味普通に好きなのでまた日本でも販売してくれないだろうか。

普通に大好きメッコール

 ソウル市内をブラブラしてみるも人が少ない。やはりコロナをみんな恐れているのだろう。みんなマスクもしている。

 せっかく来たので美味いものを食べないと。腹が減ってきたーー。

 ドラマ版『孤独のグルメ』で井之頭五郎が訪れた焼肉屋、梨泰院のハズレにある『終点炭火カルビ』を訪れてみた。許可をとっているかは知らないが、看板に孤独のグルメの写真がドーンと使われめちゃめちゃ便乗している。

 俺のように1人で訪れる変わり者の日本人も多いのだろう。看板メニューのデジカルビセットを注文(1400円くらい)。

終点炭火カルビさん。Googleマップだと閉業になってるがまだやってる?
ボリューミーなデジカルビ。1人で食うもんじゃない

 想像以上にデカい肉をジュージューと焼き、店員さんが慣れたてつきでカットしてくれた。こいつをエゴマの葉やサンチュに包んでタレにつけて頬張ると…おぉーー!身体中にパワーがみなぎるではないか!と心の中で井之頭五郎のような言葉を口ずさんでしまう。普通に美味い、カスビールやチャミスルが進む。

店内には松重さんの写真と久住さんのサインが

 しかしながら韓国って1人飯には全然向いていない国で、基本的に何人かで食事することを前提としたメニューしかない。なので、韓国1人旅をする場合、女性や小食な人だとメシが多すぎて困ることになるかもしれない。とりあえず美味しくいただいた。カムサハムニダ!

 梨泰院中心部まで歩き、フッカーヒルを流してみたが人はおらず廃墟感が漂っていた。街自体が寂れたのかコロナのせいなのかは、ハッキリとしない。ベテランのレディボーイの店員さんに「飲んでかない」とお誘いされたが丁重にお断りして、韓国の健康ランド「チムジルバン」で風呂に入って寝た。

オンドルで温まりハイトビールで〆る

 翌日、寒いのになぜか冷麺が食べたくなり、ミュシュランビブグルマンのお店「五壮洞咸興冷麺(オジャンドンハムフンネンミョン)」に行ってみた。最寄りの駅から歩いて行ったのだが、誰も歩いていない。ヤバい。俺の知らないところで外出禁止令でも出たのかと思ったが、店はやっていた。お客さんはまばらだが、普段は混み合う人気店らしい。

入り口が警察署のような見た目の五壮洞咸興冷麺さん

 せっかくなので珍しいエイの刺身入り冷麺(1100円)を食べてみた。思ったりもこのエイが辛い。思わずお茶を飲んだが、これがしょっぱい。なんだ、お茶のようだけどスープなのか? よく分からなかったが、ともかく味は美味い。麺はコシがあり、盛岡冷麺なみに噛みきれないが、それがいい。

美味な刺身入り冷麺。蒸し餃子もいただく

 光化門広場や慰安婦像も行ってみたけど本当に人がいない。ある意味コロナでしか見れない光景だったかも。
 さて、数年前に訪れ元気に営業していたチョンの間はどうなっているだろう? 588(オーパルパル)はすでに壊滅してデカいビル(デパート?)が建設途中だったので、千戸洞(チョノドン)置屋に行ってみた。

廃墟と化していたチョノドンの置屋

 なんてことでしょう、全ての店が閉鎖され廃墟になっていた。やはり置屋は韓国でも古い時代の遺物であるため、近年は摘発と閉鎖が相次いでいる。日本の黄金町や西川口があっという間に無くなったのと同じだ。わずか2、3年前はピンクのライトに照らされた女の子たちが客をとりあっていたのに。アイゴー!。

 地下鉄に乗って初めて永登浦(ヨンドンポ)の置屋へ行ってみた。ここは健在だった。
 ミアリテキサスなど、他のソウル市内の置屋に比べれば規模は小さいが、セクシーな服を着た女の子たちが行き交う男を誘う。しかし、やはり風俗もコロナの影響もあるのだろう客はまばらでお茶をひいている嬢が多かった。

ヨンドンポは元気に営業していた。今はどうなんだろ?

 しばし流した後、ヨンドンポの飲み屋街で晩飯を1人いただく。写真を見ると、なぜかまた冷麺を頼むという謎の行動をしている。ガッツリと腹を満たして就寝。翌朝日本へ帰った。

ヨンドンポの歓楽街
冷麺に牛骨スープ(ソルロンタン)。1人飯にはもてあます

 もう4年も経ってしまった。スカイスキャナーで検索したところ、ソウル往復で3万円くらい。昔よりは高いが海外旅行としては十分格安。近いうちに週末旅行へ行きたい。ヨンドンポの置屋はコロナ禍を乗り越えまだ営業しているだろうか?

歩いているだけで楽しい韓国の商店街
ケジャンも食いてーなあ
そろそろ遊び行きたい!


【写真・文】バーガー菊池
岩手県出身。花巻東高校卒。 実話ナックルズ編集部在籍の編集者。不良からエロまで何でもやります精神の何でも屋。注射を打ちながら毎晩暴飲暴食を繰り返すハゲ巨漢。

https://x.com/kikuchi_BURGER

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