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【ルポ】犯罪者ビフォーアフター【第17回】

人はどこまで更生できるのか? 元懲役囚の出所後の人生をみた

獄中でこの世の天国をみた

石上虎之助(35歳当時)。強盗傷人の罪で3年6ヶ月のあいだ横須賀刑務支所に服役。現在は会社を立ち上げるなどして社会復帰をしている



ユルい規律



 戦前、神奈川県三浦郡大津村(現在の横須賀市長瀬3丁目)に海軍の監獄としてつくられ、昭和30年代から日米行政協定(現行は日米地位協定に改定)に基づいて、日本国内で犯罪を犯した米軍人及び軍属と家族を収容する拘禁施設として開所した「横須賀刑務所」は現在、横浜刑務所の支所として「日本人と米国人」を混禁する日本で唯一の施設だ。

 昨年9月、ここを仮出所した石上虎之助(35)さんを横浜市内で取材した。彼は「強盗傷人」の罪名で服役したが、裁判の結果については後述する。

「アメリカ人以外の外国人もいましたけど、無期懲役クラスの重罪犯の受刑者が多かったですね。逆に日本人は根っからのワルはいないというか、無罪主張をしてた人や交通違反の人などもいて、真っ当な社会人が多かったと思います。それと、驚いたのは所内の規律が〝ユルかった〟ことです」

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