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『赤い霊柩車』 クリスマスにはじめて見た2時間ドラマに昔のテレビの羽振りのよさを感じる【新人ライター玉越陽子の「きゅるきゅるテレビ日記」】#22


公式サイトより

 年末で物入りだというのに、歯医者で何十万もぶっ飛んでしまった。虫歯を放置した私がバカなのはわかっちゃいるが、にしてもなあ。歯の痛みはなくなったものの、懐は痛みまくりである。みなさん、歯は大切に。ほんと、高いっすよ。

 この日は、歯医者の院内にマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が流れていた。歯をゴリゴリ削られていた私は、反射的に山口智子を思い浮かべた。一時期、アートの人みたいになっていたような記憶があるが、今は何をしているんだろうか。

 マライアと山口智子をつなぐもの、それは1994年放送のフジテレビのドラマ『29歳のクリスマス』である。クリスマスシーズンになるとお決まりのように再放送され、「クリスマスといえば山口智子の『29歳のクリスマス』」と完全にすりこまれてしまった。その後、2000年に放送された松嶋菜々子、堤真一出演のドラマ『やまとなでしこ』にバトンタッチしたものの、2008年に押尾学事件が発生、クリスマス時期の定番再放送ドラマというものはなくなっていったわけである。とはいえ、私の中では『29歳のクリスマス』が不動であり、山口智子はクリスマスの象徴だ。これはいいすぎだな。

 と、クリスマスの話をしておいてなんだが、今回取り上げるのは、クリスチャンのクリスマスとは対局の仏教徒。葬儀社の女社長が主人公の『赤い霊柩車』である。

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