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鈴木ユーリ

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(すずき・ゆーり) ライター。『実話ナックルズ』にて連載『ゲトーの国からこんにちは』など X@yuri_suzuKii
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#渋谷

【インタビュー】フッドリッチトーキョーRAKO「安藤組“餓狼の血”を継ぐ男」の半生(前編)

祖父は「安藤昇の言うことを聞かなかった唯一の男」  まだ残暑がただよう秋の日のことだった。 「来たか」  渋谷の鰻屋の門をくぐると、その人はすでに待っていた。伝説の元ヤクザであり、異色の映画スター。歳は召していたが、目をまともに見れないほどのオーラがあった。 「楽にしていいぞ。で、今は何をやってるんだ」 「パクられて出てきて、今は抗争を繰り返しています。××組と揉めてます。○○組とはもっと揉めてます。自分は、今流行ってる振り込め詐欺とか許せなくて、薬をイジってる不良も

小柳ゆき、倖田來未、あゆ。輩もギャルもみんなここに集まった……真夜中のドン・キホーテ【鈴木ユーリ「ニュートーキョー百景」】#8

全国9000万人のドンキファンにまずお伝えしないといけないのが、至るところに徴(ルビ・ドンキ)あり、都心には種々(ルビ・さまざま)なる意匠のドンキがあるということである。 都内にきたらぜひ観光をおすすめしたいのがドン・キホーテ白金台店、通称「プラチナドンキ」だ。ひとたび建ってしまえば、その土地すべてを俗へ帰すドンキが、あの黄色と赤の配色を純白一色にかえ、初の景観条例を意識した店舗は、独自の存在感で白金台交差点に鎮座している。 外観からして素晴らしい。「プラチナ」というより

ニュートーキョー百景#1 渋谷公園通り 広末涼子が歌った女子高生の聖地。激変した25年後のいま【鈴木ユーリ】

タンタンタン。ツッタンタタン。 タンタンタン。ツッタンタタン。 渋谷はちょっと苦手 初めての待ち合わせ 人波をかきわけながら すべり込んだ5分前  広末涼子のデビューシングルで歌われた、その待ち合わせ場所はどこだったんだろう。  97年の曲だ。センター街とはおもえない。日中とはいえ、そこは高校生にはまだまだこわい時代だった。バンソンやらゴローズやらエアマックスやら、のちのち彼女が友達になった人たちが何かしらを狩っていた。 『MajiでKoiする5秒前』の主人公は、背伸