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バーガー菊池

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(ばーがー・きくち) 岩手県出身。花巻東高校卒。 実話ナックルズ編集部在籍の編集者。不良からエロまで何でもやります精神の何でも屋。注射を打ちながら毎晩暴飲暴食を繰り返すハゲ巨漢
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2023年11月の記事一覧

日々是暴食★トラウマめし【第22食】脂と砂糖たっぷりジャンクフードはロマンスの味

 これまで行った国で再訪したい度ナンバーワンはぶっちぎりでキューバ。住んでみたい、と言ってもいいが外国人だから楽しいのであって移住するのはそれなりに大変なのは容易に想像できる。けど、本当に良いところ。  まず人が明るい。金は無いのに陽気、これ大事。基本的に困ったことがあっても楽天的に過ごしているようだ。ディスコに行けなくったってそこら中に音楽は溢れているからどこでだって踊ればいい。  一般的にキューバでは人種差別がないと言われている。それはキューバの元祖革命家ホセ・マルテ

日々是暴食★トラウマめし【第21食】キューバ人が大好きな「炊き込みご飯」とヘミングウェイの愛した酒

 2015年キューバへ旅行に行った。映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を観てからずっと行ってみたかった国で、ちょうど15年はオバマ政権により半世紀ぶりにアメリカとの国交が正常化してがぜん行きやすくなったタイミングだった。(その後トランプにひっくり返されて経済制裁が復活)  他方で一気に資本主義がなだれ込んでくることによってキューバらしさが失われてしまうのでは、と思っていた。これはフィデル・カストロがまだ存命なうちに(2016年90歳没)に行っとかないと。フィデルの目が

日々是暴食★トラウマめし【第20食】2021年閉店。追憶の「水道橋 サウナ&カプセル アスカ」朝定食

 水道橋西口で長年営業していたサウナ、カプセルホテルの「アスカ」が閉店したのは2021年10月。コロナ禍ど真ん中だった。  コロナの影響もあるが正直ボロボロで老朽化しているのは否めなかった。最近流行りの店とは一線を画す昭和のサウナだった。しかし、そこが好きだった。  実話ナックルズの読者ページで「トラウマめし」というコラムを細々と5、6年やっているのだが2018年12月号にアスカのことを書いていたのでそのまま再録してみる。 ーーー もー眠くて眠くて仕方ないわけですよ。会

日々是暴食★トラウマめし【第19食】世界一まずい主食と生肉をゴチになった話

雑巾のような匂い  エチオピアでどうしても食べてみたいものがあった。主食の「インジェラ」だ。  テフという穀物を醗酵させて生地の元を作り、クレープのように薄く焼き上げたら出来上がり。肉や野菜といった副菜と一緒に食べたり辛味のあるソースと一緒に食べたり。栄養価も高く、エチオピア人は3食食べるほど大好きだというインジェラだが、旅行者の間では「世界一まずい食い物」「匂いがボロ雑巾」といった悪評のほうで有名なのだ。  なかなか世界一まずい食い物をいただける機会もない。なんとなく

日々是暴食★トラウマめし【第18食】エチオピアの銭湯と野コーヒー

 以前書いたエジプト旅行へ行った際、中継地点のアディスアベバのトランジット時間が長くかかるためプチ観光をしてみた。アディスアベバとはエチオピアの首都で、アフリカ随一のハブ空港「ボレ国際空港」がある。食に関してかなり興味深い文化を持った国だったので十数時間の滞在だけでも空港の外に出て正解だった。  一般的なアフリカのイメージと違い、標高2400メートルにあるアディスアベバは涼しかった。来訪前に調べていた情報で楽しみにしていたのが風呂。同地は温泉が湧くらしく、街には日本でいう銭