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チトセ編集長の魔法 Vol.1 20年春特集

こんばんは。じっちゃんです。

昨日、チトセで自転車の特集が公開されました。3記事構成の特集です。そのうちの「街と街の間に眠る魅力。nienteと探る、自転車の可能性」を執筆させていただきました。読んでいない方のためにリンク貼っておきますね。上から読んでいくことを勧めます。

で、今回はその記事が公開される前のチトセの裏側というか、編集長のチェックのいれるところ=チトセの世界観を作り上げるための言葉の表現を自分へのフィードバックも兼ねて紹介したいと思います。

まず、記事の公開までの大まかな流れなんですが、<取材→執筆→校閲→編集長チェック→修正→公開>となっています。要するに公開前の最終チェック、ここでの直しがチトセをつくりあげているのです。

チトセ編集長の魔法と銘打っているのは、彼が修正した表現は元の文章に魔法をかけたように変化するからです。その変化には執筆した僕も感動します。今までにいくつか記事を書いてきたのですが、修正されるたびに感動します。なので、その魔法ってものを皆さんにもぜひ見てもらえたらと思って書いていきます。

それとチトセの文章は、"友人のように横から語りかける"を意識して執筆されています。それを軸に編集長はチェックを入れていますので、そこも意識しながら見てもらえると「なるほどぉ」ってなると思います。

元の表現が黒文字で赤文字が編集長チェックの箇所です。

それでは、彼の魔法を覗いていきましょう。

*このチェック後、さらに修正がありましたので、本記事と違う箇所があるかもしれません

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・「魅力がある」→「魅力が眠っている」
個人的に今回1番グッときたグッドポイントです。駅と駅の間が探りきれていないという要素を組み込んだ”眠っている”という表現。たった一言。それでも読んだときの深みが違います。

・「グラデーションを感じて」→「グラデーションのように変わっていく街の雰囲気を感じて」
自転車の補助輪のような、イメージ想起の補助語句。読み手を優しくサポートしてくれますよね。

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・「僕らが住んでいる街」→「僕ら住んでいる東京という街」
住んでいる場所など自分にとって当たり前になっていることはついつい省きがち。でも、自分にとって当たり前でも読み手にとっては当たり前じゃない。些細なことをしっかりと汲みとることで読み手に優しさが伝わっていきます。

・「鉄道網の発達によって」→「電車が網目のように張り巡らされていることで」
・「周辺」→「まわり」
硬い語句は解釈に疲れたりして読み手の読了を妨げる要素なので、硬い語句を柔らかくすることで、読み手の疲れやストレスを軽減します。

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・「体験の幅が広がる」→「グッと体験の幅が広がる」

程度・強調の語句を入れることで述語の幅(=どれくらい広がったのか)をイメージしやすくなります。

・「自転車を購入した時」→「自転車を購入した際」
ついつい使いがちな「時」。場面に合わせて使用していきます。

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・「自転車を扱う」→「自転車と日々向き合う」
この修正はチトセの文章を象徴する表現ですね。「扱う」と「向き合う」、それぞれが持つ言葉の温かみ。後者の方が温かいですよね。もちろん前者も表現として間違っていないですけど、伝わり方は大きく変わってきます。

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どうだったでしょうか?
ちょっとした表現の違い。それでも伝わり方は大きく変わりますよね。
読み手に横から語りかけるような文章を作り出すための魔法。
細かい修正が積もって、チトセの世界観が生み出されています。
記事への想いを知って、記事への読み方に変化が生まれたら嬉しいです。

じっちゃん