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HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION

柳さんと見た!

この感想は長文の箇条書きなので、なんの前触れもなく移り変わっていく話題のスピードについて来て。
ちなみにこの感想を書いている現在、THE WORST(映画)まで見てる。

龍が如くで見たような拷問シーンでコブラに生コンを飲ませそうな場面から始まる。
人って生コン飲ませたら死なない?

コブラにガツンと蹴り倒された九龍の頭の一人がそのままゆっくり上体を起こして、すぐに飛びかかるでもなく「いい根性してんじゃねぇか」と言いながら吉住の宣材写真のポーズをするの、格があって良い。ここで慌てたり、すぐカッとなるようじゃ頭の器じゃないから。
「逃げんのか?」と煽るコブラだけど、自陣勢力はすでにDOUBT戦で疲弊し切っているのでそんな無謀なことをするな……!とヒヤヒヤしてしまった。
九龍が仕切り直してくれるという判断をしてくれてかなりラッキーだったし、ここで九龍と戦ったら勝てるかどうかは微妙なので九龍的にも顔見せをして脅威として認識してもらうという点ではかなりいい選択肢だったんじゃないかなと思う。
九龍の頭的にもコブラに一発蹴りを入れることでやられっぱなしの印象にはさせない。
やっぱりヤクザだけあってメンツを保つ方法とか心得ているなと思う。

ザム1では明らかに敵サイドだっただろう西郷が3では明らかな味方として現れるんだけど、この西郷を味方にするというのはいつから決まっていたんだろう。
1では「警察がSWORD地区の市民たちを守る必要無いからなぁ〜」って本当に警察……?と思うようなことを言っていたので……
まぁ九龍サイドの人間だと思ってもらえた方が九龍に勘付かれなくて動きやすいっていうのはあっただろうけど。

“山王連合会”の喧嘩でなんの罪もない山王商店街が九龍によって破壊されていく。
おそらく商店街の一般市民(テッツやダンの家族とか)も巻き込まれているだろうし、その人たちを守るためにダンやテッツやチハルが冒頭血まみれで登場したんだろうな。
確かに山王連合会、ひいてはコブラにとっての九龍との喧嘩は自分の「大義」のために、この街の「平和」のためなんだけど、その報復がどこにくるかといわれればそりゃ弱い人たちにいくわけで、街を守るために戦うといってもずっとパトロールするわけにもいかないし、難しいよな〜
商店街側のダンやテッツ、コブラチームとコミュニケーションが一方通行になっている。お互い相手の気持ちは一応わかっているけど、それでも自分の言い分を飲んでもらえる様子がないので分かり合えない。

コブラはダンから「俺、忠告したからな。お前が間違っててもお前を信じてついて行く仲間がいるってこと、忘れんなよ」と言われて、「そんなことてめえに言われなくてもわかってんだよ」と心の中で反論していたけど、頭では受け止めているつもりでも九龍に喧嘩を売った手前もうここまできたら進むしかなくて、周囲に頼ることもできなくていっぱいいっぱいになってるんだろうな。
前回に引き続き、そんな不器用なところまで琥珀さんを真似するな。
そういう張り詰めたコブラの緊張を解くのがヤマトだったりノボルだったりの役割だと思ってたんだけど、この頃のコブラは多方向にチクチクしすぎてて話しかけられなかったんだろうか。

そして出てくる「バルジ」。ジェシーにSWORDで大暴れして裏切り者を炙り出せと忠告した人物。
これ次回作への伏線かな〜と思いつつ、THE WORSTでは一切触れられなかったね……
今後のHiGH&LOWのストーリー展開で名前が出てくることがあるんだろうか。

西郷による製薬会社の話。
ウイルスは体内から消えるけど、その薬を投与した患者は半年〜1年以内に死亡する薬ってそんな本末転倒薬をどうして人間に飲ませちゃったんだ。もっとこう……実験とかさ……というか治す薬でどうして死亡確定薬ができちゃうんだよ……しかもどデカい公害までだしてさ……と思ったけど、この世界はHiGH&LOWなのでそんな細けえことは気にしないよな。

西郷の昔話になんの話だよと苦言を呈す雨宮雅貴と、椅子にどっかり腰掛けて煙草をふかしながら「俺あれだわ、ウイルス辺りから全く話聞いてなかったわ」と言う九十九さんの対比よ。もうそれは冒頭だよ。
九九を間違ったまま覚えていたり、一斗缶をITOKANと表記していた愛すべきアホな九十九さんが戻ってきてくれて本当に嬉しい。
琥珀さんに余裕が生まれると、九十九さんの抜けが出る機会も増える。

そしてまさかのドラマでRUDE BOYSが掘り出していた謎の鉱石の伏線回収がここで。
ここ、衝撃的すぎて笑ってしまった。HiGH&LOWで伏線が回収されることってあるんだ……
しかもRUDE BOYSが掘り出した売り付けていた先は上薗会だったんかい。
今回それがとんでもない結晶だということが判明したけど、上薗会は……それを……どこに売ってたんでしょう……?
しかし掘り出していた鉱石全てが公害の物質というわけではなくて、鉱石とは別に鉱石によく似たクリアな有害物質結晶があるらしい。
そ、そんな……と思うけど、細かいところは気にしちゃいけない。なぜならHiGH&LOWだから。西郷さんがそう言ったら「そう」なんだよ。

RUDE BOYSが大変!という話を聞いたらおそらく「大変らしい」という部分しかわかってないけど公害の証拠を掴む話に乗り気になる九十九さん。
ダウナーだけど本質的には善人だよな。

機動部隊並みに重装備の人たちと、雨宮琥珀九十九に対して「少しは腕が立ちそうじゃねえか」と言ってのけるヤクザに囲まれた時に雅貴が「なんか……強そうだよ……」って言うんだけど、最強の雨宮兄弟と鬼神の琥珀と不死身の九十九なのに……!?と思っていたらその雅貴の言葉に誰一人返さなくて「………」という謎の間だけあったので笑ってしまった。
もしかしてこれ、雅貴ジョークだったのかな。
だとしたらジョークを言う相手が悪すぎる。広斗も九十九さんも琥珀さんも愛想笑いという概念が無いから……そもそも笑顔のシーンがほとんど無いし……

そしてどこからともなく出てくる源治!
源治が出てくるシーンはいつ見てもひたすらに危機感を煽る曲が流れているので笑ってしまう。確かに一番危ない男ではある。
しかしHiGH&LOWではそこらじゅうから鉄パイプと木製のすのこらしきものがでてくるね。建物の中どうなってるんだ。
今度鉄パイプと木製のすのこにどれだけ日常で遭遇するか探してみようかな。

源治が琥珀雅貴チームのところに降って来た時に二人をチラッと見た後一瞬逡巡して雅貴を選ぶシーンがいい。
雅貴の「うわぁこっち来たぁ!」という叫びのかっこ悪さに笑ってしまうけど、確かに源治に追われるなんて極力避けたいからな……
そして琥珀さんと雅貴だったら雅貴の方を選んだ方がいいと思う気持ちもわかる。だって琥珀さんって定期的に般若みたいな顔をするし。それなら甘い顔した男の方がいいよな。

無名街に来てダイナマイトを仕込んでいく九龍の頭の一人のシーンで、後ろでクラシックっぽいBGMが流れている中、頭が部下に「シッ……」と言った途端そのBGMも消える演出が本当に良かった。どこでかっこよさを出してるんだ。
そして出てくるキリンジ!失敗は許されないはずの九龍でポカやらかしたのに元気そうにやってて安心する。そして画面にゆっくりと「キリンジ」って表記が出ると面白くなってしまう。
最後まで彼の名前の由来は分からなかったな……

九十九さんに皮肉という概念は薄そうな気がするので「ったく、琥珀さんと一緒だとホント退屈しねえわ」という言葉は呆れ5割、本気5割なんじゃないかな。
車に轢かれたりターミネーターに追われるのを「退屈しない」で済ませる男、器がデカすぎるのか、色々鈍いのか。
そして雅貴は追われていた源治を巻く。あの男を足で巻いたの?と思ったけど、多分バイク使ったんだろうな。

2度目のコブラ拷問飲生コンシーン。飲生コン……?
今作で一番セクシーなシーンかもしれない。スモーキーの無麻酔縫合シーンといい勝負だ。
そしてコブラを迎えにいくため全力疾走するヤマト、ノボル、SWORDの頭たちのカメラアングルが何それ!?というようなものだったので思わず二度見してしまった。
これは……片手にカメラを持って自撮りしながら全力疾走してる……?

生コン飲まされそうになっていたコブラを助けに来た琥珀さんと九十九さんの登場セリフが「不味そうなスムージーだな」「腹壊したらどうすんだよ」だったのが本当にいい。
九十九さんだったら生コンを飲まされても「琥珀さん、俺、生コンダメだわ」で済みそうだし。

どんどん無名街を破壊していく家村会だけど、キリンジが鉄パイプで窓ガラス叩き割って家の中を覗き込んでニッカリ笑いながら「は〜い、こんばんわ〜」と言うシーンがかなりシャイニングだった。もしかして意識してたりする?

雪が降る中二階堂率いる家村会とスモーキーが対決するシーンで、二階堂が無名街出身だと明らかになるのがグッと来た。しかも名前がカイン。
聖書で弟を殺した人間の名前なのは意図してるのかな。
こういういかにもインテリヤクザみたいな人の出自がえげつない無法地帯なの、興奮する。

スモーキーは頭をやっている割に自分が周囲に与える影響をあまり考えていなくて、自己犠牲精神が豊富ので見ていて痛々しい。
スモーキーが自己犠牲をするたびにスモーキーを信頼している周囲は不安定になるんだよ……
それをわかってもらう前に死んでしまった。
琥珀さんに殴られた時のコブラよりも死に顔が綺麗だったのは二階堂の配慮なのかなと思うけど、それは都合が良すぎるかな。

しかし明らかに公害病の犠牲者であるスモーキーの死体をそのまま放っておく家村会!スモーキーなんて公害病の一番の被害者なんだから遺体は隠蔽しなさいよ!
そしてスモーキーの遺体とお別れを済ませたRUDE BOYSのみなさんがご遺体を地面に埋めたのを見て、このご遺体は公害があったという立派な証拠だよ!?検死してもらいなよ!今冬場だし、ちょっとの間置いておいてもとうぶんは大丈夫だよ!?と暴れてしまうところだった。
見ていると自分がどっちの立場かわからなくなる。

もしかしたらこの場に公害の証拠を掴む必要があるという具体的な内容を知っているのが琥珀さんと九十九さんしかいないから、スモーキーの遺体に関して流石に口を出すのはちょっと……と思って何も言えなかったのかな……

この後もしかしてスモーキーの墓を暴く描写があったりする?と思ったけど、死者の尊厳は保たれたままだったので少し安心した。

「仲間だから」「ここで行かなきゃ後悔するから」「山王は仲間を見捨てない」という理由でコブラのもとに駆けつけるダン、テッツ、チハル、カブトの4人、本当にいい人たちだなぁ……
見ている側からしたらみんなは本当にそれでいいの?と思ってしまうところがあるけど、本人たちがそれで良い、それが正しいと思って、理念に従って行動したならそれが全てだよな……

そしてRockyのことを「六木」呼びする琥珀さん。突然過去を匂わせてくるのでギョッとした。ここ知り合いなんだ……
しかもRockyがRockyになる前からの知り合いなの?どういう関わりがあったの?とききたくなるけどその点には一切触れずに物語は淡々と進んでいく。

そして鬼邪高が来た時に「おいお前ら勉強はどうしたぁ」という九十九さん、適度に柄が悪くて良い。鬼邪高に声なんかかけるような人だったんだ。今回を通して九十九さんって意外と陽気な人なんだなと気づいた。
ドラマのムゲン編見たけど九十九さんについてまだ知らないことが全然ある。
そして「お前らわざとか?SWORDの祭りは達磨通せつってんだろ」という日向さんもそればっかで全然情報増えなくて笑ってしまう。
お祭り男、日向紀久。

そして人が大勢いる時に誰が何をするかテキパキと指示が出せる琥珀さんってやっぱりリーダーシップがある。コブラも先輩がいる方が輝いている気がする。
しかし手厚く手厚く言葉を尽くしてフォローしてくれる人がいないとチームが一つ瓦解する力があるので、頭としては絶望的。

コブラが「こんな俺たちでも近い将来みんな大人になっちまう」と話していて、みんな口ぶりや言動から20代後半はいっているように見えたのでまだ大人ではない……!?と驚いてしまったけど、まぁ確かに大人は全力殴り合いの喧嘩はしないか……いやだとしたら琥珀さんや九十九さんって……とぐるぐる考え込んでしまった。大人ってなんでしょうね。

「ネット使って相手の痛みを気にせず他人のこと殴る人間より体張って痛みを知ってる俺たちのほうがよっぽどいい大人んなれる気がする」と言う村山良樹のシーン、見ている人のかなりの割合が村山良樹ってそんなこと言う!?と地団駄を踏む気がする。飛影はそんなこと言わない!だ。いや映画で本人が言っているから言わないとかじゃないだけど。それにしてもなんだ……このセリフは……
村山良樹はインターネットで人を殴る層に触れることがあるのか……?意外と空き時間とかにスレッドやTwitter見てるのか……?い、いやかも……!
ここは自分の中で納得できる解釈を引き出す必要がありそう。

生きるか死ぬかのスリルが最高!どうせ死ぬんだから好き勝手やろうぜ!と言っている日向紀久が喧嘩をする方針としては一番しっくりくる。
日向紀久のこういうところがたまらなく好きなんだよな。愚直に喧嘩をしてくれる。喧嘩に真正面から向き合っている男。

あと今作から鬼邪高の古屋くんが大型トラックを運転していたので君、免許持ってたの!?とびっくりした。新しく取得したのかな。前回までは別の子が運転してたよね。
そして斜めになっているアメ車の、もはやボンネットとも言えない場所に座り込む日向紀久。ザム1のボンネット乗りから大進化していて嬉しい。みんなあのシーン大好きですからね。

無名街の前に立って邪魔者が入らないようにしている九龍バリケードを張り詰めた顔して古屋くんが大型トラックで突っ込んでいくシーン、あまりにも好きすぎる。鬼邪高って何故か大型トラックを持っている生徒がいるおかげで他のSWORDチームよりも大規模なめちゃくちゃができる。

源治の使ってる日本刀ってリーチが長いから1対2でも明らかに不利なんだけど、日本刀によって不利になるなら日本刀の斬撃を体に鎖を巻きつけることによってガードし、封じてしまえばいいじゃない!という力技戦法で源治をねじ伏せる雨宮兄弟のシーン、本当にいい。
そんなめちゃくちゃな理論ある?あるんだよここに。
そして気圧されて初めて笑う源治は今まで周りに自分レベルの強い人間がいなかったから、強い人間に出会えて嬉しいんだろうなというのが伝わってくる。
この鬼邪高トラック突入と雨宮兄弟が鎖で日本刀を克服するあたり、これでこそHiGH&LOWだよ!を全力でやってくれているので見ていてワクワクする。

いやしかし爆発セレモニーという言葉凄まじいな。
そして爆弾に対して「簡単だろ配線切りゃ良いんだろ」と言う九十九さんに対して山王メンバーの皆さんが「こいつマジか……」って顔をしていたのが本当に良かった。
チハルテッツダンカブト周りのメンバーって山王に後から入ったから、九十九さんという人は元ムゲンでとにかくすごいということは知ってるけどあんまり直接的に関わったことは無かったんだろうな。

九十九さんの「とりあえず一本(爆弾の線を)いっとくか」も、山王連合会のオレンジ!もめちゃくちゃだ。
山王のイメージカラーがオレンジってこの瞬間まで知らなかったし。そしてしっかり爆発はする。

良いなぁ爆発シーン。HiGH&LOWの潤沢な予算を感じる。もちろん絶望シーンではあるんだけど、見ていて爽快感もある。こういうシーンで爆弾解除が間に合わないことあるんだというのも一筋縄じゃいかなくて良い。

ところで九龍抑え組に達磨一家がいなかったので何してるんだ?と思ったら、会場近くにいた警護係の九龍を蹴散らすために「ヒョーーーッッッ!!!」「お前らはそこで待っとれぇ!」と言いながら凄まじい数の花火をぶっ放してくれた。
達磨一家の皆さんのことをかなり愛している。
確かに会場周辺は騒然となって警護どころじゃないよ。
終わった後もみんなでキュッと固まって大満足げにニコニコしていたのが最高。祭り大好きだからね。ずっと祭りを求めていたもんね。花火打ち上げられて良かったね。

最後に今までHiGH&LOWシリーズとして放送されて来たタイトルたちがバン!バン!と出てくる演出が良くてグッと来てしまった。
エンディングで村山くんがコブラにどういうバイクがいいか聞きに来る演出も良い。そしてチハルが村山に「バイク買ったら一緒に走ろう」と言うのも。ザム1の終盤といい、この作品はチハルが鬼邪高だったこと、そのしこりとそれが完治してからの過程を大切にしてくれる。

ドラマのシーズン1から長い道のりだったなぁ。
2023〜2024年にかけてHiGH&LOWに初めて触れる人間がここにいたし、今見ても最高に楽しかった。
HiGH&LOWの贅沢なアクションとめちゃくちゃなキャラクターたちが大好きだ。
THE WORSTでこのシリーズが終わってしまうのが寂しいけど、最後まで全力で楽しんで追うぞ!

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