「男の優しさは全部下心なんですって」鑑賞メモ

みた。

・森蔭くんが出ている、というのがこの作品を知ったきっかけだったと思う。いろいろ気になるところがある、パンフレット買えばわかるだろうか?以下ネタバレあり



・森蔭くんが演じた敦海は、黒髪だけど眉毛は脱色されていてネイルがつやつやしていた。みこちゃんと二人で屋上から家に向かうカットは2人とも後ろ姿が細くてびっくりしたし、なんか良い画だなと思った。森蔭くんがほかに演技をしているところを見たことがないからか、なんとなくそのままの森蔭くんのようなつもりで追ってしまうことがあった。眉毛やネイルはあえての設定なんだろうか。

・映画の公式サイトにある説明文には、「みこちゃんは愛する人の1番になれるのか」といった文言があった。これがなんとなく引っかかっていて、『愛がなんだ』のテルちゃんは大好きなマモちゃん(クズかも)に一途で、マモちゃんの1番になりたいと思っていた。けど、例えば『おんなのこきらい』のキリコや本作品のみこちゃんは、「愛する人」がいるわけではない気がする。この2人は自分のことを一番にしてくれる人の方が好きなんじゃないか。だから「愛する人の1番になりたい」よりも「1番にしてくれる人を愛したい」んじゃないか?作中で亮が「誰でもいいんだろ」ということを言っていたけどまさにその通りで、自分のことを求めてくれる人なら親以上の年齢であろう相手にも性的なことをするのがみこちゃんだった。

・敦海以外の男たちは、(下心のために)みこちゃんに対して優しく振る舞っていた。対して敦海はみこちゃんに「優しくされる」側だったように思う。この差異は、作中で敦海との関係が中心的に描かれたことと関係しているだろうか。

・着ぐるみの中から小さな穴を通して外を見つめているようなみこちゃんのカットがなんとなく印象的だった。他の方の解釈noteにあったのだが、自分を持たず周りを注意深く観察している、というのが表れている映像なのか。

・風船の色にはどんな意味があったんだろう。吉三との性的接触を思わせるシーンの風船が青だったから、青は性的なイメージなんだろうか。ラストのメリーゴーランドでみこちゃんが持っていたのは大量の赤い風船で、それはみこちゃんが欲しかったもの?愛情?みこちゃんは結局誰の愛情も手に入れられなかったのにあのシーンではいっぱいの赤い風船があった気がする。それはみこちゃんの願望なのか?それとも彼女が過去に得たものなのか。風船の組み合わせがカラフルだったときは色々な感情が混ざっていたとき?これはもう一度見ないとはっきりしないな

・種々のクズが登場するけど、それぞれ違うタイプのクズでかつ個性がはっきり描写されていて良かった。積極的にみこちゃんを排除する菅井とか、気の強い彼女の尻に敷かれているバンドマン?とか、弱そうで「私がいなきゃ!」って思わされるけど自分に限らず他者に依存して生きている年下男子とか、似たもの同士だと言い大人の余裕のようなものを見せながら性欲がキツい年上とか、側でずっと話を聞いてくれてたけど結局別にみこちゃんを好きなわけじゃなくワンチャン狙ってただけっぽいやつとか。それぞれのセリフに「あ〜こういう人ってこういうこと絶対言う!!」っていうのがあって、クズの解像度が高いなあと思った。いいね。


とりあえずここまで また書き足す気がする。

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