見出し画像

喫茶店探訪〜珈琲店男爵(武蔵新城)〜

 川崎。ここは非常に多面性のある都市だ。京浜工業地帯からはじまり、多摩川に沿って北上するに連れて全く異なる文化圏を有する魅力的な街である。
 高校時代は東横線に乗って武蔵小杉まで通学していたので、川崎駅周辺や溝の口も懐かしい一方、武蔵小杉の変化には戸惑いを隠せない。

 そんな変化の激しい中原区ではあるが、下町情緒溢れる商店街が残る武蔵新城は武蔵小杉から2駅。何気に快速停車駅でもある。

男爵の入口。趣深い看板が特徴的

 あいもーる商店街を進むと駅から見て左手に特徴的な看板が見える。昔ながらの喫茶店「男爵」だ。店内は恐らく何十年も変わらぬ佇まいと思われる年季の入った店内ではあるが、きちんと清潔感が保たれており、年齢問わず地元住民に愛されていることは客層からも伺える。
 この時代に煙草が吸えるというのも愛煙家の心を掴んでいるに違いない。

マロンケーキとアイスティを注文

 早速注文すると、メニューには「ケーキ」の文字が。内容を聞くと4種類のケーキを座席まで持ってきてくれた。
 ちなみに、サンドイッチやナポリタンなどの喫茶店らしいご飯メニューも充実しており、再訪を余儀なくされた。

 窓際席でしばし商店街を往く人々を観察。商店街からも目立つ大きな窓だが、外側は埃が被っていてよく見渡せないのが残念。
 開店当初はパノラマウインドウが自慢だっただろうが、固定窓となると商店街の1階から専門の清掃員に作業を依頼しないといけないだろう。その費用などを考えると止む無しか…と、職業柄要らぬお節介を焼いてしまった。

 ちなみに、この日は南武線沿線をぶらり。一番の目的は久地円筒分水の訪問であった。昭和初期、当時は農業が盛んで、全国各地で水利権による争いが相次いでいた。そこで、水量に関わらず各水路に決まった割合で水を供給出来る施設がこの円筒分水である。
 水紛争を土木技術で解決した素晴らしい施設であり、登録有形文化財、土木学会選奨土木遺産などに指定されている。

久地円筒分水

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?