旧統一教会問題について

        旧統一教会の問題について

 安倍首相が銃撃されてから、旧統一教会の問題が明るみ出た。当初はアベーガーのせいだと言っていた人たちは今は沈黙しているが、いわゆる旧統一教会擁護派の言論を振り返ってみたい。

①    献金は自己責任。
山上容疑者の母親は協会に一億円もの大金を献金したらしいが、擁護派は内心、あるいは信教の自由を理由に献金は自己責任論を振りかざした。ほんこんや三浦瑠璃いわくギャンブルですったのと同じ。だそうである。献金問題では同じく「パチンコは良いのか」「競馬は?」という話も聞かれるが、家庭が崩壊するほどの献金額をギャンブルと比較するのには無理がある。そういった高額の献金を要求し、家庭を崩壊させるほどの悪質な団体ならば、少なくとも宗教法人として活動をさせるべきではない。

②    第二の山上論。
 ここで統一教会を叩けば、山上容疑者のテロの目的が達成されたことになり、過激な政治思想を持った人間が山上を模倣するのでは? という論理。
 山上の犯行は政治テロと言うよりは安倍元首相が恨みのある団体の広告塔になっていたことに対する逆恨み(現段階ではそうとも言えないが)であり、彼の犯行はテロとは言い難い。山上自身、安倍もとい自民党がここまで統一教会とズブズブだったとはわかっていなかったはず。この問題ははるかに彼の想定を上回っている。

③    信教の自由問題。
 統一教会の信者には教会の教えを信仰する自由がある。それはそうだ。だが、霊感商法や人権無視の養子縁組などの反社会的活動をしている団体に宗教団体と言う看板を与えるべきではない。協会が解散されたとしても、個人が協会の教えを信仰することは自由である。誰も踏み絵をしろとは言っていない。

最後に。
宮台真司氏も言っていたが、山上容疑者の凶行は統一教会だけが原因とは言い難い。母親のせいで家庭が崩壊、破産し、進学ができず、いわゆる「負け組」の人生を歩んだことは事実で動機の一つだが、もし、学歴が高卒でもどこかの企業に就職し、正社員になり、家庭を持つことができたなら。バブルと同程度とはいかなくとも普通に働けば、老後の年金も保証され、今では夢物語となった「悠々自適な老後」が送れるような社会情勢だったらどうか? 山上容疑者は母親や世の中の理不尽を内心呪いつつ、しかし、犯罪には手を染めずに人生を全うしていたことも考えられる。前述の宮台氏は「人間は帰属的な生き物なのでわかりやすい原因を探したがる」と指摘した。的を射た指摘であり、統一教会擁護派が全く問題にしないことではある。しないというよりも、したくない、と言う方が正確か。つまり擁護派は格差社会化を推し進めた体制側の人間なのである。
 

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