57、オンライン婚活

山奥で自然体な生活をしていて瞑想をして自分と向き合うこともあれば、しばしば宿で企画するイベントとしてヨガリトリートなどをやることがある。その流れで自然とヨガに興味を持った僕は、2年目の冬の間は研修旅行でヨガインストラクターの資格を取るためインドへヨガ留学へいった。その後、南アジアを巡り日本に帰って来た。そしてやってきた開業3年目。

気がつけばいつの間にか、自分の回りには素敵な人々が集うようになり、好きな事で食っていけるようになっていた。色々あるけれど、こうやって年間のうちの4ヶ月くらいは自由に海外を飛び回ることも可能。たくさんの人に感謝され、自然環境の良いところに住み、ユルく、楽しい事ばかりやって、それでいて事業も微妙に右肩上がりといった感じ。

もちろん大成功というほどには稼いではいないし世の中を大きく見ればそんなに大したことはできていない。だけど自分とその周りのちょっとした幸せを築き、少子高齢化の著しい限界集落をちょっと盛り上げる、モッタイナイの有効活用だったり、ちょっとした社会貢献もできて、それでいて好きなことで食っていけている、心身ともに健康であり、経済的にも時間にも心にも余裕がある状態。

さて、日々のシンプルな生活、そして今回のインドでの45日間のヨガ漬けの生活や旅の中自分自身と向き合って色々考えた結果、そろそろ家族を持ってみたいなと思うようになっていた。

というのも今まで、いわゆる社会の枠組みからドロップアウトしてからの僕はトコトン好きなことだけをやってきた。やりたいことは何でもやる、行きたいところは全部行く。そして自分の好きな所に移住し、好きなことで食べていく。そんな『自称自由人』であった僕は、それまで心のどこかで結婚をして家庭を持ったら負けだと思っていた。

しかし、ピュアな気持ちで物事を考えれるようになったからなのかな?
どうあったら一度きりの人生を楽しく生きれるのか、生きていく上で大切にしたい、哲学的なものは長年かけて自問自答していたことだ。
自由でいたい。だからそれには何においても全て身軽である方がよい。
今までずっとそう思ってきた。

いやでももしかすると、そうではなく僕はただ単純に
『あいつは自由で羨ましいな』
『自分の道を切り開いて凄いな』
『世界と繋がるジローは渋いな』
と、ただそういう風に思われたい承認欲求をもっていただけなのかもしれない。

そして、やりたいことはほとんどやったし行きたいところはほとんど行った今、一度きりの人生、自分の年齢で考えて、自分の体の声を聞きながら、よくよく考えたらそれも頃合いだと思い始める。

僕の世界一尊敬している人
『世界一貧しい大統領』に面会したときに『人の幸せは何だと思いますか』と質問をしたらその人の答えも
1、生きがいをもって働けること
2、家族を育む喜びを持っていること
だった

そういう本来持っていた幸福が世界中で経済成長と相まって忘れられつつある昨今、そして僕の周りも古臭いものに囚われない自由人が多いため、晩婚化が進んでいるように見える、だけどド田舎の人たちは本当に結婚が早いし、地域の人達からは『早く結婚しろ!』と言われる日々、我ながら本当に絶妙なポジションにいるもんだ。

そんな感じで複雑多様化した今の世の中だから色々と分からなくなってきてはいるけれど、家庭をもって親父になるということは、人間としての文明を持ち出した時くらい、もしくはそれよりも大昔からの営みであって、本来なら、本当に素晴らしいものなんだろうと思うようになった。

ということで、一大決心。33歳、2019年は婚活の年にした。

と、いったものの、さて、どうやってパートナーを探せば良いものか、、、
正直言って僕がいる環境にふさわしい人ってのが自分の知り合いの中からは誰もイメージできない。僕はここ天空の茶屋敷でしか生きられない弱者、下界、そして一般の日本社会や都会では息が詰まりそうになって生きていけないだろうから、ここで一緒にやっていける人ってのが条件となる、つまりゲストハウスの女将ということになる。

茶屋敷がちゃんと生きていくためには周りと調和できないと生きていけない、こんな山奥に住みたいという人、しかも山奥でありながら超インターナショナルな場所なので普通の日本人ではかなり難しい、かと言って昔ながらの考えを持った人の多いド田舎なので普通じゃない浮世離れした人もまた難しい。

というかそもそも致命的な自分の欠点を忘れていた、僕は日本人の女性にはかなりモテない。外国人女性達となら短絡的にそこそこお付き合いしたことはあるけれど、日本人女性はほとんどない。

そもそも僕に合う人ってのは難しいかもしれないから少し考え方を変えてみた。

僕が好きな人かどうかの基準ではなく『天空の茶屋敷の女将としてぴったりな人を探そう』何故なら僕は茶屋敷を愛しているから、茶屋敷の女将としてぴったり合う人であれば理にかなってるし、長い目で見て僕がその人を好きにならないはずがない。結婚は恋愛というよりもずっと一緒にやっていくパートナーだから、自分のタイプとか惚れた人だとかで選ぶよりも、視点を変えて間接的に考えた方がきっと成功率がぐんと上がるはずだ。

そして、今までどおり普通にやっていたら出会えない、ということで婚活してることを真面目にブログに書いて、そして友人達からSNSなどでシェアしてもらい、ついでにマッチングアプリなども駆使して国内外問わずに探してみよう。

そんな文明の利器と勢いに任せて、ダラダラと長引かせずに今年中に決めてしまおうと決心した。

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