山登りについて思う。

キャンプや登山をしていると分かるのですが、自然の中にいるといかに自分が無力であるかを思い知らされます。

入念に計画をして、準備をしても、思い通りになることはほとんどありません。

自然には抗うことはできず、刻々と表情を変える自然に合わせるしかないのです。


そうした意味でキャンプや登山はとても謙虚になれるし、自然の中に入る意味はうまく行かないことを味わうためにさえあるのではないかと思うほどです。

文明に埋もれている日常生活や、経済活動の中では忘れがちな大切なことを、自然は教えてくれているような気がします。

登山そのもの自体は、物質的に何一つプラスになることはなく、時間も体力も使いますし、ギアの軽量化に伴いお財布も軽くなってしまいます。

また、大切な生命ですら山に置いてしまう人もいるくらいですからこれほど馬鹿げたことはありません。

しかし、誰もいない山を自分ひとりの力で歩くことができる人は、きっと社会においても同じことができる人ではないでしょうか。

(2018年9月22日)

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