もがな

昔から言語の響きというものが好きで、未知の言語に触れたいという気持ちから、大学の第二外国語では意味もなくロシア語を履修するなどしていました。そんな理由で授業を受けていたからか、唯一身に着けたのは「郵便局はどこにありますか?」という、なんというかまあ初級ロシア語Ⅰと呼ぶにふさわしいような文章で。ただこの文章、何がいいって驚くほど語感が気持ちいいのでした。日本語で読みを書くのはあまりに無粋だから控えますが、馬鹿みたいにちりばめられた濁点を、後半のポップな響きがツルリと飲み込んで、ついつい口に出したくなってしまう。だからこれだけ覚えているんだけど。気になった方はロシア語話者に聞いてください。

さて、我々は日本語を母語とする民族なので、大部分の日本人は日本語に愛着があると思います。ご多分に洩れず私も、日本語大好きです。

読んでる人、いるのか知らないけど好きな日本語ってありますか?

ここで、故事成語とか、誰かしら偉人の名言とか、そんなのを思い浮かべた人、あなたはアホウです。文脈を読みなさいよ。

あとネットのサムイのとかはも~最悪。井の中の蛙大海を知らず、されど・・みたいな。キモキモ王の称号を授けますのでその調子でキモ王国から出ずキモく生きてください。もう会うことはないでしょう。

じゃなくて、もっと響きがかわいいとかおしゃれとか、そういうのを聞いてます。

思い浮かばない人は今日何か好きになってね。

例として私の好きな言葉を挙げると

第一位・・・


ジャカジャカジャン


かたつむり   です。

理由はない。強いて言うなら間抜けで愛らしくておもしろいから。
強いて言うほどの理由か?


あと最近気になってるのが、言わずもがな です。

今日はこの話がしたかっただけなので、かたつむりのことは忘れてください。


それではここから言わずもがなの話↓


ひらがなで書いてみると。事故渋滞みたいにカロリーの高い文字が並んでて一瞬緊張します。でも響き楽しくてステキじゃないですか。そうでもない?(そういえば、きんちょう、も、キンチョー!て感じが意味とくっついてて好きです)

そういうわけで、意味もなく使ってます、言わずもがな。ただ9割聞き返されるので、明らかに~なんて言いなおしたり。そういう時は少し寂しい。
 
でも最近はなかでも もがな が好きなことが分かってきて、聞かずもがなとか、食わずもがなとか、見ずもがなとか、たぶん言葉の法則的には正しいけど誰も使ってない言葉を作りだしています。無駄に長いのを考えたりもします。ためらわずもがなとか、関わらずもがなとか。敬語も楽しくて、おっしゃらずもがなとか、召し上がらずもがなとか、承らずもがなとか。ここまでくると意味は分からないし語感も違和感出てきますね。でも楽しくて、仕事中一人ほくそ笑んだりもしています。言わずもがな不気味ですね。

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