サポーター昔話

昔々、とあるサポーターがおりました。
サポはある日、選手のことを悪く言う記事を見つけました。

「許せない。ツイッターで拡散してやろう!」

サポはリンクを貼って呟きました。同じチームを応援する仲間からイイネが沢山つきました。多くの人が共感してくれました。とても気分が良くなりました。

インプレッションを見ると、リンクを踏んだ人が100人いましたがあまり気に留めませんでした。

一カ月経って、また選手のことを悪く言う記事がありました。サポはまたリンクを貼って呟きました。前回よりさらにイイネがつきました。とても誇らしい気持ちになりました。

インプレッションを見ると、リンクを踏んだ人が500人いましたがあまり気に留めませんでした。

サポはその後もムカつく記事の拡散に努めました。サポ仲間から回って来たムカつく記事も積極的に拡散しました。

しかし、サポが毎回怒っているのに、選手を悪く言う記事は減るどころか増えていきました。リンクを踏んだ人は1000人に昇る日もありました。

「どうしてマスゴミのクソ記事が減らないんだろう?」

サポは不思議に思いました。たまに、他サポと喧嘩になったり、同一チームを応援するサポから苦言を言われましたが、そんな奴らはブロックしました。サポのまわりはどんどん似た意見の者ばかりになっていきました。

そして月日は流れました。

サポは甥っ子を連れてスタジアムに行くことになりました。サポは小さなご新規が増えることをとても楽しみにしてました。

サポはスタジアムに行く道すがら、いつもの如くスマホでクソ記事を拡散してました。するとその様子を見ていた甥っ子が不思議そうに聞きました

「どうしておじさんは嫌いな記事をみんなに届けているの?みんなに読まれたら、そういう記事は減らないんじゃないの?」

サポはハッとしました。自分では非難するつもりでクソ記事のリンクを貼っていたのですが、その行為そのものがPVを伸ばしていることだったのです。
サポは自分の行動がクソ記事を増やしていることにようやく気づきました。

サポはクソ記事の拡散をやめました。徐々にクソ記事も減っていきました。めでたしめでたし。

おしまい

PS
勢いでやった。反省はしているし、後悔もしているが、公開欲に勝てなかった。

その2はこちら

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