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「あなたのタケヒロは、どこから?」―少しだけ振り返る、石川雄洋歴代登場曲

なぜなのか。どうして、いつもいつも、こうなのか…
新生ベイスターズの開幕戦、オールスターエクスペリエンス、三浦大輔引退試合、その他もろもろ。かくもなぜ、DeNAベイスターズの大事な試合やイベントは、雨にたたられてしまうのか…
今日6月5日(土)のマリーンズ戦で試合終了後に予定されている、あの人のセレモニーも、もとは5月20日(木)のドラゴンズ戦で行なわれるはずだったもの。雨に泣かされているファンの皆さんも少なくないと聞きます。かく言う私も、雨天中止の影響を受け、「この試合だけは、見なければ、死ねない」とまで思っていた"三浦大輔"引退試合を見ることがかなわなかったことのある一人です。
そんな人たちのなぐさめになどなにもならないでしょうが、しっかりと今日、あの人のセレモニーを、新たな世界への離陸を、私は目に焼き付けてきたいと思っております。

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あの人とは、もちろんあの人。背番号7(または52、42)石川雄洋。
長きに渡り、ベイスターズひとすじに、チームに力を、そして思い出に残る名場面、勝利の悦びをファンにもたらして与えてくれた、まさにチームの歴史に残るべきレジェンドの1人です。
残念ながら現役続行はかなわなかったものの、なんとびっくりな新天地、アメフトの世界へと新たなチャレンジを始めている雄洋さん。そんな雄洋さんですが、実は長きに渡るプロ野球選手生活の中で、こんな側面もありました。そう、

使った登場曲が、やたらと多い!!

残念ながらどこにも確実で正確な記録は残っていませんが、雄洋さんが現役生活の中で使用した登場曲は、少なくとも40曲以上存在しています。

私もこの機会に、Spotifyで雄洋さんの歴代登場曲をプレイリストにしてみたのですが、「ズッコケ男道/関ジャニ∞」など、権利関係で入れられなかったものを除いても、なんと39曲にわたるプレイリストができあがってしまいました。この曲数、「石川雄洋コンピレーション・アルバム」ができてもおかしくないし、ハマスタの試合前のマスコット&dianaステージで登場曲メドレーをやったら、たぶん時間内に踊りきれないぐらいのボリュームです。
もちろんその中には、「第1打席限定」だったり、「3連戦2戦目の第2・第3打席(!)」という限定使用ものまで、あらゆる使い方の曲が含まれています。正直、記憶にのこっていない曲も少なからず…ですが、おそらくこの登場曲の使用数は、歴代のプロ野球選手でも最多クラスではないかと思われます。
「kernkraft400/Zombie Nation」の山崎康晃投手や「心絵/ロードオブメジャー」の宮崎敏郎選手のように、同じ曲を長く使い続ける選手の方が、選手=この曲、というイメージはつきやすいですが、雄洋さんに関してはまさにこのイメージが千変万化。あの時この時でさまざまなイメージが、ファンの皆さんの中にもあるのではと思います。ましてや近年ファンを激増させてきたDeNAベイスターズですから、それこそ「あなたのタケヒロはどこから?」と聞いてみたら、結構違った回答が得られるのではないかと思います。いっそベストテンでも作ってみたい気もしますね。

一軍に定着し始め、ショートのポジション争いに果敢に挑戦していた頃の「誰にも負けない!/エイジアエンジニア」。サビの"走り出せ、走り出せ"から流れ始め、いかにも1番打者の疾走感があふれ出るような「Happiness/嵐」。そういえば走りまくっていた若手時代には「BRAND-NEW WORLD/D-51」や「走れ!/ももいろクローバーZ」のような「走り」をイメージした曲も多かったです。

かと思えば、突然思いついたかのように、"流行りもの"を急にぶち込んでくるのも雄洋さんの特徴でした。その最たる例が「ヘビーローテーション/AKB48」。この曲とともにAKBが世間を席巻し始めた頃に、雄洋さんも突然この曲をハマスタに鳴らし始めたことがあり、スタンドの度肝を抜きました。2013年頃のももクロ使いまくり(「走れ!」「行くぜっ!怪盗少女」や「ワニとシャンプー」など)や、「サイレントマジョリティー/欅坂46」もこの部類に入るかもしれません。

2012年にベイスターズがDeNAベイスターズになり、雄洋さんが初代キャプテンに任命された頃、「俺たちの明日/エレファントカシマシ」や「終わりなき旅/Mr.Children」などが使われ始めていました。映画「ダグアウトの向こう」でも映し出されていた、チームのリーダーとしての試行錯誤の時代。そんな時代に雄洋さんに力と勇気を与えていたのがこれらの曲なのでしょう。特に「終わりなき旅」は長く断続的に使われていた印象があります。

2015年にキャプテンの座を筒香選手に継承した雄洋さん。ハマスタにもお客さんが次第に集まり始めるようになったこの頃、初回先頭打者で雄洋さんが出塁するとチームが勝つという「石川くじ」が一躍ファンの話題になります。意外なところから注目が集まったその頃に雄洋さんを彩っていたのはG-DRAGONのナンバー「ピタカゲ」や「CRAYON」でした。「石川くじ」はニュースでも取り上げられるなど、異様な盛り上がりを見せていましたね。ちなみにこのあたりから雄洋さんの登場曲に「奇数打席」「偶数打席」などの指定が増えていったようです。

実はこの「石川くじ」フィーバーの後から、怪我の影響、そして若手の台頭などもあり、若干、雄洋さんは出場機会を減らしていくことになるのですが、ちょうどそのあたりから打席に向かう雄洋さんの背中に流れて始めていたのが、prediaの曲でした。その曲はもちろん、"あの日からずっと今でも"から始まる「You`re my hero/predia」。登場曲の指定もこの頃にさらに細かくなっていくのですが、この「You`re my hero」に関しては、雄洋さんの登場曲の中では珍しく?、長い間、断続的に使われ続けていきました。近年にベイスターズファンになった皆さんには、この曲こそ雄洋さんの象徴、と思われる方も多いかもしれませんね。梶谷隆幸選手(現巨人)がこの曲を使ってくれたことも印象深いです。多くの人の涙腺を刺激する曲ですね。

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その後も「サイレントマジョリティー」など、様々な登場曲で自らの打席に彩りを添えた雄洋さん。覚えきれないほどのたくさんの曲と、そしてスタンドの声援が、雄洋さんの背中を押していきました。

そして迎える、今日のマリーンズ戦終了後の引退セレモニー。その時に雄洋さんとハマスタのスタンドを包み込むメロディーは、どんな曲なのか。そんなことも楽しみにしながら、今日はハマスタに向かいたいと思います。

マリーンズファンの皆さんもぜひ、雄洋さんの姿を最後まで見届けてください。ZOZOマリンをいつも燃え上がらせてくれる皆さんの、魂あふれる熱い拍手は、声の出せない今のスタンドで、最高級の後押しになります。ベイスターズファンとともに、雄洋さんの"離陸"を、力強く後押ししていただけたら、嬉しいです。

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横浜の街に愛された男、石川雄洋。本日、野球選手としての、ラストステージです。そんな雄洋さんに、あなたはいつ、どこから、出逢えましたか?

ーあなたのタケヒロは、どこから?ー

<6/6追記>

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雄洋さんの引退セレモニー、つつがなく終了しました。
昨日の試合の中で驚かされたのは、1回裏、桑原選手の打席でのいきなりの雄洋応援歌の演奏、そしてその後の宮崎選手の打席でした。

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なぜおもむろにスターマン(しかも侍ユニ)。
実は私はその時、ハマスタ外周でスターマンがグリーティング(試合中は久々では!?)をやってくれていたのに驚いた…ということは別として、この場にいたので聞き逃していたのです。なんと宮崎敏郎選手が、登場曲に「You`re my hero」を使ってくれていたそうなのです!
耳慣れたその曲の突然の響きに、おそらくスタンドも騒然とし、そしてそのメロディーに酔いしれ、喜びに満ち溢れていたことでしょう。
しかし、プーさんからのサプライズプレゼントは、この第1打席だけでは終わらなかったのです。

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その後も宮崎選手は、第2打席で「ピタカゲ」、第3打席で「サイレントマジョリティー」、そして第4打席で「もっと遠くへ/レミオロメン」を使用。宮崎選手の2013年ベイスターズ入団以降の「石川雄洋登場曲ベストセレクション」とでも言えるような、数々の名曲と共にバッターボックスに入ってくれたのです。まさに「あなたのタケヒロは、どこから?」宮崎敏郎版、とも言えるアンサーのようにも感じちゃいました。勝手に。

となれば第5打席はもしかして…!と思っていたところ、なんと宮崎選手は第4打席をもって知野選手と交代!この時点での大量リードはあったとはいえ、第5打席まで見てみたかった感はありますね。たぶんきっと「終わりなき旅」が来たんじゃないかな、と想像してみたり…
まあこれは、身勝手なファンの気持ちではありますね!でも楽しかったなあ、次はプーさんどの曲を使ってくれるんだろうとか考えてみたり。試合展開も相まって、とっても楽しい時間を過ごすことができました。

感謝の思い、ファンにもしっかり伝わっています。
素敵なプレゼントを、宮崎選手、ありがとうございました!

ベイスターズ・石川雄洋選手 歴代登場曲(Spotifyに飛びます)

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