幸福な人生

幸福な人生について考えてみた事はあるでしょうか?

どういう人生であれば幸福といえるでしょうか?そこでまず、二人の事例を並べてみたいと思います。

高校生の時に両親が亡くなり、親戚などの身よりがなく、残ったのは多額の借金だけだったなんていう人がいます。高校は返済のために中退、付き合っていた彼女は交通事故で下半身不随になってしまうなんていうおまけまでついてきました。現在は30歳を越えているはずですけど今はどうしているかは知りません。彼の話を聞いて、私はこの若者は不幸だと思いました。でも、この若者が成長して老い、最後は家族に囲まれて亡くなったなんて事になれば、この人物の人生が幸福といえるかもしれません。

次に、中内功という人はご存じでしょうか?

ダイエーの創業者です。今だとダイエーを知らない人もいるかもしれませんが、かつてはプロ野球団のオーナーになっていました。全国に大型店舗を何件と展開している、いまでいうイオンの立ち位置でしたね。バブル崩壊で逆風が吹き始め、その後に訪れた震災の影響で経営が一気に悪化、経営から退任してしました。田園調布と芦屋に家を所有していたそうですけど、それらは差し押さえられており、亡くなられたのは83歳、その時には六畳一間で一人暮らしだったとか聞いた事があります。この中内功という人の人生は幸福だったでしょうか?

若者と中内氏が、人生のその時、その時に感じていた幸福の総量を比べたらおそらく中内氏の方がその人生において味わった幸福は多いのではないかと思えます。それで、

「感じた幸福の量が多かったと思われる中内氏は幸福な人生だったといえるか?」

というとちょっと違う気がします。晩年が侘しいと、人生が虚飾にまみれていたという印象がでてきてしまいます。

一方、若者は体が不自由になった彼女と結婚したそうです。

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