14 ヨルシカ ただ君に晴れ 替え歌


 テーマ餃子
 ヨルシカただ君に晴れ替え歌
 「餃子を食べるといふこと」
 
 鍋に浮かんでいた
 海月のような皮がはぜた
 しんなり背を覗けば
 あの鍋の熱が皮ぉを焼く
 だけ
 
 中が乾いた肉 焼きの匂いが頬をなでる
 ぎょぅざになるまでほら背伸びしたままで
 
 作り疲れたら台所で時計でも見よう
 じきに羽ができたら
 きっときっと蒸らしてるから
 
 火をつけないまま仕上げになって
 君のポケットにタレがつく
 
 口に出せないなら僕は話すだ
 それで良いから僕はつまみ食う
 だけ
 
 
 中が乾いた肉 カラシたれ わさび醤油
 お口の中はいつもタネの匂いがする
 
 ラー油なんて辛すぎだ
 醤油なんてただの液だ
 それがわからないから、口を閉ざしたまま
 
 絶えず君の意向 餃子に肉の汁一つ
 食べられたまま消化になって
 食べきれない ただ肉に皮
 
 口に出せないまま喉(のど)を鳴らした
 僕らの胃(なか)に汁が染みていく  
 
 食べられたまま消化になった
 君が思うまま手をあわせ
 
 胃に落ちる餃子に唸(うな)って
 僕らの胃(なか)は
 
 食べきれない通じになって
 君のポケットにハネがつく
 
 口に出せなくても僕ら話すだ
 それで良いだろ、もう
 
 君の消化を噛み締めてる
 だけ
 

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