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BlueJays 戦況振り返り 6月編


(先月はこちらからどうぞ↓)


①はじめに

 ご覧いただきありがとうございます。
Blue Jaysファンのとりすきです。

 さて、6月の日程が終了しましたので、早速振り返りを行いましょう。


②ショックな出来事

 戦績振り返りの前に、ショッキングなニュースを二つほど。


・Cavan Biggio、DFA&LADへトレード

 
 Guerrero Jr.
Bo Bichetteと共に二世トリオの一角として活躍していたCavan BiggioがDFAされ、さらにLADへトレードされてしまいました。

 
 彼は打撃不振もあって5月以降出場機会が減少しており、5月は34打席、6月に至っては現地6/7にDFAされるまでに僅か3打席しか立っていませんでした。
 
 殆ど守備固め兼代走要員としての起用がメインになっていた以上、UTLにしては年俸が割と高いBiggioをそのまま枠内に入れておくくらいなら、傘下で昇格待ち状態のプロスペクトを上げた方が良いとフロントは判断したのかもしれません。
(その場合マイナーオプションを3つ残した状態でDFAした点と、Vogelbachを現地6/14まで残していた点、またトレードの際こちらが年俸負担した点は不可解ですが。)

 「彼をキープする方法はなかったのか」と悩む一方で、Biggio DFAと同時に昇格した内野手Spencer Horwitz現在OPS9割超えの素晴らしい成績を叩き出しており、実際フロントの判断が勝利に繋がっていることを考えると非常に複雑です。

 二世トリオがリングを獲得する姿を見てみたかったですが、それはもう叶わぬ夢。
こうなってしまった以上、LADには是非ともBiggioをWSへ連れて行って欲しい。




・Orelvis Martinez、禁止薬物使用により制限リスト入り


 カケス達に激震走る。TORのNo.2プロスペクト、Orelvis Martinezが能力向上薬“Clomiphene”の陽性反応によって80試合の出場停止処分を受けました。


Martinezの声明はこちら↓

 三振は多いものの、類い希なパワーでHRを量産。今年はAAAで16本塁打(235打席)を放ちました。
 そして現地時間6/18日、満を持してMLB昇格。さらに現地6/21には初ヒットを放ち、彼が危機的な状況下のJaysを変えてくれると誰もが望んでいたのですが…
 長い間期待されてきただけに、非常に残念です。
 
 禁止薬物を使用したからには、今後内外から厳しい非難を浴びることは避けられないでしょう。しかし、それでも彼がドーピングを克服し、自身の力によって再びMLBの舞台に戻ってくることを願います。



③チーム成績


 先ずは現在の立ち位置から確認していきましょう。
 TORは83試合時点で38勝45敗、借金は7でAL東地区最下位となっています。また、ワイルドカード圏内からは7.5G差。

 …これはもう無理ですね、投了です。
 シーズンも半分を過ぎたのに、ここからどう巻き返せばいいのか。

 

MLB公式より引用


 
続いて月間成績を確認。
 6月は27試合(BOS戦が1試合延期)あり、内訳は11勝16敗。BOS・CLEからそれぞれ1回づつ3連戦スイープを食らいました。

 うーん、ひどい。特に今月は同地区との対戦が14試合ありましたが、結果は6勝8敗。いくらAL東が激戦区だとしても、この時期になって同地区相手に負け越しは厳しいものがあります。


 ここからは打撃・先発・リリーフの項目別にチーム成績を見ていきましょう。


・打撃

 
  5月成績            6月成績

打率 .240(全体13位) → .241(全体18位)⇩

OPS .702(全体16位) → .689(全体16位)⇨

ISO .144(全体20位) → .138(全体22位)⇩

HR数 23本(全体24位) → 25本(全体24位)⇨

打点 111点(全体14位) → 104点(全体19位)⇩

BB% 9.7%(全体3位) → 7.6%(全体16位)⇩

K% 18.1%(全体2位) → 20.2%(全体8位)⇩
    
wRC+ 104(全体14位) → 98(全体15位)⇩   
(出展はFangraphs及び公式サイト)

なんだこれは…
ほとんどの順位が下がっているじゃないか。

 6月は打線の上がり目が多かった印象なので、この結果ははっきり言って予想外です。
 
 Guerrero Jr.の覚醒(月間OPS.961 HR7本)、2年目Horwitzのブレイク(54打数OPS.927)、Justin Turnerの復調(月間OPS.349→.914)、IKF絶好調、Springer月末に覚醒 etc…
 
 すぐに思いつくだけでもこれだけの良かった点を挙げられるのですが、不思議。

 逆に悪かった点を挙げると、
Davis Schneider大不振(月間OPS.832→.518)Danny Jansen大不振(月間OPS.872→.402)
Daulton Varsho
不調継続(月間OPS.632→.582)
Bo Bichette復調の兆しが一転、また不調
(月間OPS.741→.537)

くらいでしょうか。意外と多かった。
 Bichetteは今月中旬に怪我でしばらく離脱していたため仕方ないですが、上三人は一体どうしてしまったのか。特にDシュナの状態が悪すぎて、一度マイナーオプション行使を検討した方がいいんじゃないかと思うくらいです。



・先発

 
 5月成績            6月成績

IP 138.2(全体24位) → 141.1(全体14位)⇧

ERA 3.63(全体11位)  → 4.46(全体16位)⇩

FIP 3.56(全体8位)  →  4.76(全体23位)⇩

K/9 8.89(全体5位) →  8.21(全体18位)⇩

BB/9 2.21(全体7位) → 2.80(全体16位) 

HR/9 1.04(全体11位) → 1.59(全体26位)⇩
(出展はFangraphs)

 ほぼ全ての項目で大幅ランクダウン。
 
 Bassitt以外の先発が若干不振、Manoahシーズンエンド、Yariel Rodriguezが6月後半に復帰するも今のところ先発として全く通用しない

という大きなダメージを負って、去年の先発大国は崩壊しました。
 
 
 後ろ二つは5月時点で予想できたため仕方ないのですが、先発陣全体の不調、特に菊池雄星がマズイ。何がまずいって、トレード要員としての箔が落ちるからまずいのです。
 6月は6登板27.1イニングを投げて防御率6.26
と炎上。被弾や雨天による早期降板などの不運が重なり、成績が悪化してしまいました。
 特にHR/9は2.30ととことんスタンドにぶち込まれています。(BOSの4被弾が影響大)

 6月の奪三振率は約26.2%、与四球率約6.6%と悪くなく、BABIPが.373とかなり上振れていることから、今後は良くなると思うのですが…

 

・リリーフ

 
 5月成績            6月成績

合計登板数
90G(全体8位)    → 93G(全体5位)⇧

IP 86.0(全体26位)  → 96.2(全体15位)⇧

ERA 4.40(全体21位) →  5.03(全体28位)⇩

FIP 4.56(全体27位)   → 4.82(全体28位)⇩

K/9 7.43(全体28位) →  7.73(全体24位)⇧

BB/9 3.14(全体11位) → 2.61(全体6位) ⇧

HR/9 1.36(全体29位) → 1.68(全体30位)⇩
       
(出展はFangraphs)

 世間一般ではCHCのリリーフ陣が酷いなどと言われていますが、TORも負けず劣らずのヤバさです。
 先発陣の成績が全体的に悪化したこと、また先発5番手が固定できず、プルペンデーを行う必要性が出てきた結果、MLB最低クラスのリリーフが登場する頻度も増え、そして炎上するのです。

 更に悪いことは重なります。クローザーRomano及びYimi GarciaがまたIL入りしてしまいました。
 復帰時期については、前者は未定、後者はオールスター前後になるということですが…
 
 特にYimi Garciaは今年のトレード市場でレンタルリリーバーとしてかなりのバリューが見込めましたが、今回のIL入りでそれもどうなるか分からなくなってしまいました。

 また更に悲しいニュース。TORを非常に長い間支えてくれた左腕リリーバーTim MayzaがDFAとなってしまいました。
 昨年は69登板53.1イニングで防御率1.52と獅子奮迅の活躍でしたが、長年の酷使が影響したのか今年は球速が約1.5マイル程低下し成績も大幅に悪化。35登板24.2イニング投げて防御率8.03とMLB最低レベルにまで転落してしまいました。
 
 リリーフというものはかくも厳しいものかと思い知らされます。悲しいですが、これも仕方がないことなのか…
(そして空いた枠に入ったのはCHCからDFAされたJose Cuas。謎です。)


・総評





④個人的月間MVP

 
 ここでは、6月に最も素晴らしい働きをしたと思う選手を、野手・先発・リリーフから一人づつ挙げます。


・野手

Vladimir Guerrero Jr.

MLB公式より引用

 我らが主砲の復活です。
 先月はOPSこそ.911と高かったものの、HRは2本しか出ず、長打力を示す指標ISOに至っては5月のチーム平均(1.44)を遥かに下回る.112とコレジャナイ感が否めないようなパフォーマンスでしたが、今月は2021年シーズンを思い出したかのように長打を量産します。
 
 6月成績

107打数 34安打 8本塁打 25打点 6四死球  15三振 1盗塁

打率 .318 
OPS .961(出塁率 .354 長打率.607)
wRC+
ISO

これだよこれ!
 出塁率を大きく上回る長打率!やはりVladdyはこうでなくては。先月のような出塁率(.447)≒長打率(.469)の成績なんて見たくありませんからね。
 これは新しく導入された打撃評価システムの恩恵なのか…?
(詳細は5月振り返りnoteを参照してください。)

 個人的ハイライトは現地6/24の敵地BOS戦
 1対2のビハインドで迎えた7回表、KiermaierHorwitzのタイムリーで逆転すると、ランナーを二人置いた状態でVladdy、ダメ押しの3ランホームラン。リードを4点に広げます。
 そして、7回裏を無失点でキッチリ抑えたその日の先発Chris Bassittは、7回2失点のHQSで降板。私は勝利を確信しました。
 
 …その試合の結末は君の目で確かめてくれ!!
 

・先発

Chris Bassitt

MLB公式より引用

 35歳のベテランが、先月に引き続き獅子奮迅の働きをしています。
 
 なんと今月は6登板37イニングで防御率1.95。月間防御率ランキングではLogan Gilbert(1.51)、Cristopher Sanchez(1.64)、George Kirby(1.74)、Garrett Crochet(1.76)に次ぐ全体5位
消化イニング数もLogan Webb(40.0IP)、Justin Steele(38.0IP)、Seth LugoとFramber Valdez(37.2IP)に次ぐ全体5位と、正にPitcher of the month級の好投でチームを支えてくれました。
 5月は5登板30イニングで防御率2.40とこちらも素晴らしい活躍でしたが、まさかこれを更に上回ってくるとは…
 そして5月、6月と度重なる好投によって遂にシーズン成績の防御率が3点台前半まで良化。MLB公式の選手ページの見栄えが非常によい。
 
 一方で、月間の与四球率約7.64%、奪三振率約22.3%は特段優れているとは言えず、被打球速度の遅さ(Avg EV 88.3マイル)で凌いでいるような印象。やはり先月と同様、いつ揺り戻しが来るか内心ヒヤヒヤしていますが、6登板中MIL、BOS(二回)、NYYといったチームOPSがMLB全体でも上位に位置する球団と対戦してこの成績ですから、来月もなんとかしてくれるんじゃないかと若干楽観視もしています。
 
 ハイライトは現地6/7のOAK戦、古巣相手に気合が入ったのか、8回1失点7奪三振の好投。特にカーブで空振りを量産しました。(その試合はChadがサヨナラHRをヒダンして負けましたが…)

・リリーフ

Trevor Richards

MLB公式より引用

 Trevor Richards、二ヶ月連続で個人的MVP受賞です!
…というより彼とChad Green以外の全員ひどい。
TORのブルペンには何故マウンドに立っているのかわからない人と、そもそもマウンドに立てない怪我人しかいませんからね。
 
 …
さて、話をRichardsに戻します。
6月は11登板14.2イニングで防御率1.23を記録。先月は11登板14.0イニングで防御率2.57と中々でしたが、それを更に上回ってきました。
さらに奪三振率約21.6%→25%、与四球率約9.8%→約5.4%、ゴロ率25.7%→39.5%と内容面も大幅に良化。被弾もなく、先月は1.00以上あった防御率(1.23)とFIP(1.86)の乖離も小さくなり、文句のつけようがありません。

 ただ惜しむらくは、今オフFAの彼はトレード放出がほぼ確定していること。TDLまで残り一ヶ月、便利屋として貢献してくれたRichardsもそろそろ見納めですが、来月も良い成績を残してくれることを願います。


⑤マイナーリーグに関する主なニュース

 ここでは、6月にあったTOR傘下のニュースをお届けします。


Ricky Tiedemann、Aでリハビリ登板
 
 我らがNo.1プロスペクト、Ricky Tiedemannがマイナーリーグに復帰しました。

現地6/20 28球 2.0回無安打無四球無失点 4奪三振

baseballsavant(一部加工)


現地6/26 44球 2.1回無安打2四球無失点 5奪三振

baseballsavant(一部加工)

 やはり制球はアバウトですが、球速は問題なく出ているので一安心です。
 今後はAAAでの登板になると思われますが、まだまだ21歳なので、急ぎすぎることなく着実に課題を解決していくことを希望します。



★Riley Tirotta、AAAで大暴れ

MiLB公式より引用

 先月のおわり頃にAAAへ昇格したRiley Tirottaが大暴れしています。

AAAでの成績は
88打数 26安打 8本塁打 19打点 15四球 30三振 3盗塁
打率.295 
OPS 1.051(OBP.426 SLG .625)
 
 
素晴らしい…先月のnoteで上手く適応できると予想はしていましたが、まさかここまでブレイクするとは思いませんでした。

 
また、AAAには同じポジションの選手が同じことから、出場機会の減少を懸念していましたが、上記の活躍やSpencer Horwitzの2Bコンバート及びMLB昇格によってそれが解消。予想以上に打席数が伸びたため、個人的には非常に嬉しく思います。

 約34.1%という高い三振率は課題ですが、その点も含めて今後成長し、MLBに上がってくることに期待です。



Biggioトレードの対価Braydon Fisher、AAで判断に困る成績


MiLB公式より引用


 前述のCavan Biggioトレードで、我々TORはBraydon Fisherというリリーフを獲得しましたが、彼が移籍した後の成績が微妙すぎる。
 AAにて大体中3日で登板しているようですが、5試合6.2イニングで防御率2.70。また、課題とされていた与四球率は約14.7%、強みであるはずの奪三振率は約29.4%と、まだサンプル数は少ないものの、はっきり言って物足りない成績です。
(これがAAA成績だったらなあ)

 DFAされたUTLの対価に求めすぎかもしれませんが、Espinalの対価としてやってきたChris McElvainが先発としてそこそこ頑張っていることを考えると、もう少し何とかならないかと思ってしまいます。



その他

・James Kaprielianとマイナー契約。菊地を売った後、シーズン後半の先発要員として期待。

・期待のリリーフ、Eric PardinhoがAAA昇格。

・TOR傘下7位のプロスペクト、Alan RodenがAAA昇格。

・AAAのキャッチャー Payton Henry、試合中に野手のスイングが後頭部を直撃しIL入り。それに伴いAAのキャッチャーPhil Clarkeが昇格。

・TOR傘下3位のプロスペクト、Arjun NimmalaがRokからAに復帰。サンプルは非常に少ないものの、素人目で見てもアプローチがかなり改善された印象。

Erik Swanson、派手にやばい。5月末に成績不振でAAAへ送られていましたが、6月の成績が11登板9イニングで防御率17.00 WHIP3.22(!?!?)と、とんでもないことになっています。
流石にこれはどこか怪我をしているのでは…?




⑤おわりに

 最近TOR所属の◯◯選手がトレード市場に出てくるとか出てこないとかいうニュースを頻繁に目にするので憂鬱です。
 しかし、こうなってしまったからには仕方ないので、売れる選手はしっかり売って、来年のラストダンスにしっかり備えたいですね。

      頼んだぞ、Ross Atkins!!


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