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5月のBIUE JAYS


①はじめに

 ご覧いただきありがとうございます。Blue Jaysファンのとりすきです。
 6月に突入し、いよいよ本格的な暑さがやってくるということで、「炎天歌」は好きですが炎天下は大の苦手な私は戦々恐々としております。

 MLBに目を向けると、全ての球団がシーズンの1/3を消化し、チームの好不調も大体判明してきた頃。
皆様が応援されているチームの調子はいかがでしょうか。
 
 というわけで、今回は現地時間5/1対KC戦~5/31対PIT戦までのTORの戦績とチーム状況、そして主なニュースについて取り上げていきます。

②チーム成績


公式アプリより引用。(一部加工)

 先ずは現在の立ち位置から確認していきましょう。
 TORは現地5/31終了時点で56試合消化して27勝29敗 勝率.482でAL東地区最下位となっています。首位NYYとの差は11.5G差で、ワイルドカード枠からは4.5G差と諦めるにはまだまだ早いもののプレーオフからは相当な距離がある印象です。

 

公式アプリより引用。(一部加工)
日本時間5/15BAL戦は悪天候のため延期

 次に5月成績を見ていきましょう。
3・4月は15勝16敗、5月は12勝13敗と着実に借金を重ねています。被スイープはありませんが、勝ち越したシリーズが二度のCWS3連戦のみで、それに対して負け越しは四回、引き分け二回と、このような結果では貯金出来るはずもありません。(月を跨ぐ対KC第二シリーズ、PIT第一シリーズは除外。)
 
 更に同地区との試合では、BALとはどうにか引き分けに終わりましたが、TBには負け越し。彼のチームと勝率は殆ど変わらないものの、これで今季の対戦成績が3勝4敗となってしまいました。


・打撃

 
 3・4月成績            5月成績

打率 .228(全体23位)  → .240(全体13位)

OPS .672(全体19位)  →  .702(全体16位)

ISO .136(全体23位)  →  .144(全体20位)

HR数 27本(全体22位) →  23本(全体24位)

打点 102点(全体27位) → 111点(全体14位)  

BB% 9.8%(全体4位) →  9.7%(全体3位)

K% 20.4%(全体17位) → 18.1%(全体2位)

wRC+ 98(全体17位)  →  104(全体14位)

(出展はFangraphs及び公式アプリ)
(OPSのみ4月と5月成績を比較しています。)

 5月の打撃成績ですが、全体的に3・4月よりもかなり良化しています。
 特に三振の減少は特筆すべき点で、元から高水準だったBB%と合わさって非常に選球眼の良い打線になっています。また、それと同時に長打力が少し改善されたことも打点が平均かそれ以上取れるようになった要因と考えられます。
 
 TORの打撃成績が改善された主な理由として、Guerrero Jr.Bo Bichette、そしてGeorge Springerら主軸打者の復調が挙げられますが、個人的には新たな打撃評価法を取り入れた事も一因ではないかと思います。
 SNの記者Shi Dividi氏曰く、5/10以降TORでは新しい打撃評価システムが導入されたらしく、実際に打者からの感触も良かったとのことです。私は野球未経験者であるため、新しいシステムが有効かどうか皆目見当もつきませんが、5月の打撃成績が良くなっている点を鑑みると今後にも期待が持てます。


・先発陣


3・4月成績            5月成績

IP 159.1(全体14位)  → 138.2(全体24位)

ERA 3.95(全体18位)  →  3.63(全体11位)

FIP 4.25(全体22位)  →  3.56(全体8位)

K/9 8.36(全体18位) →  8.89(全体5位)

BB/9 3.16(全体17位) → 2.21(全体7位)  

HR/9 1.24(全体22位) →  1.04(全体11位)
       
(出展はFangraphs)


 こちらも全体的に成績が改善しています。特にFIPの改善が大きく、投球内容がかなり良くなっていることはK/9やBB/9の値からもうかがい知ることができるでしょう。また、被弾魔Manoahが登板したにも関わらず、HR/9が減少していることも好印象です。
 
消化イニングが少ない点は、そもそも5月の試合数が少なかったことが原因でしょう。これは56試合通じてのデータですが、TOR先発陣のQS率は全体4位となる50%で、しっかりと失点を防ぎつつイニングを消化出来ていることの証左です。
 
 一方で、今後の懸念としてAlek Manoahの離脱が挙げれます。現地5/5にMLB復帰した彼は、24.1イニングを投げて防御率3.70とまずまずの成績を残していましたが、現地5/29のCWS戦で2イニング目に緊急降板。翌日のMRI検査で右肘靭帯の捻挫が確認されました。今後よりKeith Meister医師の元でより詳しい検査が行われるようですが、長期離脱は避けられないでしょう。
 
 40人枠内で代替可能な選手として、近日中にILから戻ってくるBowden FrancisやAAAでリハビリ中のYariel Rodriguez、ベテランロングリリーフのPaolo Espino、大穴としてAAのプロスペクトAdam Macko(私の推し)がいますが、正直彼らがManoahほどのクオリティを発揮できる可能性は低いでしょうから、今後先発陣のクオリティ低下は避けられないと考えます。


 

・リリーフ陣


3・4月成績            5月成績

合計登板数
98G(全体12位)    → 90G(全体8位)

IP 107.2(全体17位)  → 86.0(全体26位)

ERA 4.76(全体23位)  →  4.40(全体21位)

FIP 5.08(全体29位)  →  4.56(全体27位)

K/9 7.69(全体26位) →  7.43(全体28位)

BB/9 3.85(全体17位) → 3.14(全体11位)  

HR/9 1.59(全体30位) →  1.36(全体29位)
      (出展はFangraphs)

 どこを太線にすればいいのか分からないレベルでひどい。殆どの数値がMLB下位なのは一体なんなんだ。与四球率が平均以上くらいしか褒めるところがありません。
 一番謎な点は、消化イニングの順位が大幅に落ちたはずなのに、全体での登板数に関する順位は上がっていること。絶対イニング途中でノックアウトされとるやん。

 上がり目は多分ありません。もう下から上げられそうな人は40人枠内の速球派右腕Hagen Dannerと今年も一種で降格させられた左腕のBrendon Littleくらい。後は現地5/31にPHIからゲンキン選手とのトレードで獲得したRyan Burrなる右腕がロスター入りすることになったため、彼が大活躍する未来に賭けるしかありません。
(AAにEric Pardinhoというかなり通用しそうなリリーフが控えているのですが、枠外であるためどうなるかは分かりません。)

https://x.com/PhilsTailgate/status/1796187448667500947?t=qSMe32DSa3J20iu9llTm_A&s=19

(日本時間6/2追記)
 RomanoのIL入りに伴い、Brendon Littleが再昇格。
Ryan Burrと共に現地6/1のPIT戦で登板しました。
  映像で確認しましだが、LittleはともかくとしてBurrは中々良いかもしれません。85マイル前後のかなり落ちるスライダーを持っており、空振りや弱いコンタクトを誘発できます。

baseballsavant

 また、彼は746日ぶりのMLB復帰だったそうです。Ryan Burrが再びメジャーのマウンドを踏むまでの経緯はこの記事を参照願います。


③個別成績

 ここからは5月に活躍した選手について触れていきましょう。

・野手


Davis Schneider

出展は公式サイト及びbaseballsavant(一部加工)

 TORの未来を担う超フライボールヒッター。個人的には最低限守備に就けるSchwarberだと思っています。
 そんな彼ですが、Springerの深刻な不振もあり5月の途中から一番打者に抜擢。その期待に応え、MLBでもハイレベルのBB%と自慢の長打力でチームを牽引しています。また、fWARは野手3位の1.3を記録。

Vladimir Guerrero Jr.

出展は公式サイト及びbaseballsavant(一部加工)

 3・4月は打率.229 HR3本 OPS.678 wRC+102と微妙だったGuerrero Jr.ですが、5月に入ってやっと打撃が復調気味になってきました。
 
 5月はHRこそ2本しか出ませんでしたが、打率.357 14打点 OPS.911 wRC+168となかなか好調です。また彼最大のウリである平均打球速度も93.4→94.8マイルと大幅に上昇。4割5分近い出塁率でチャンスメイクに貢献しました。
 
 ただ、不安な点ももちろんあります。それは長打があまり無かったこと。何とOPS.911の内訳は出塁率.447と長打率.469。Vladdyの出塁率と長打率がほぼ同じだなんてコレジャナイ感が否めません。ISOも.112と、ただでさえ全体20位と下位に位置しているチーム平均(.144)すら下回るだなんて、相当重症です。
 元々彼はGB%が高く(今季51.7% 通算48.9%)、打球のほぼ半分がゴロになるという特徴(悪癖?)を持っているため、いきなり長打を増やすことは難しいかもしれませんが、個人的には単打マンと化したVladdyを見たくはないので、新たな打撃評価システムとやらで何とか打球が上がるようにならないかなと夢想しています。
 
 

・投手


Chris Bassitt

出展は公式サイト及びbaseballsavant(一部加工)


 35歳のベテランが5月にすばらしい働きをしています。
シーズン成績や指標こそ微妙ですが、5月は
3勝2敗 5登板 30イニング 防御率2.40 FIP2.83と中々の活躍。与四球も比較的少なく、HRを1発しか浴びていないことも好印象です。
 
 特筆すべき活躍は、現地5/8 現在MLBで最も勢いのあるチームの一つであるPHIとの2連戦第二試合。ビックネームばかりの強力打線を相手に6.1回を投げて2失点と好投。Aaron Nolaとの投げ合いを制して見事勝ち投手となりました、お見事。

Alek Manoah

出展は公式サイト及びbaseballsavant(一部加工)

  前述の通り靭帯に怪我を負ってしまったManoahですが、5月初めにIL入りしてしまったYarielFrancisの穴を埋めるどころか予想外の働きをしてくれました。また離脱してしまうのは痛いですが、またメジャーのマウンドで投げる姿を楽しみに待っています。

今年のManoahに関するnoteを少し前に書きました。かなり読みづらいですが、宜しければご覧下さい。


Trevor Richards

出展は公式サイト及びbaseballsavant(一部加工)

 雑に使える便利屋Richards、いつもであれば防御率4点台中盤くらいのリリーフですが、今年は何かが違う。崩壊寸前のTORブルペン陣でYimi GarciaZach PopGenesis Cabreraと共に奮戦しています。
 平均より約10インチも大きく落ちる80マイル弱のチェンジアップと、横変化の大きい92マイル程度の4シームの2ピッチでハードヒットを抑えます。
 
 5月は特に素晴らしく、14イニングで防御率2.57 FIP 3.58 WHIP0.64を記録しています。ただ、防御率とFIPの乖離で察するとは思いますが、この数字は明らかに出来すぎで、さらにBABIPは驚異の.088(!?)。三振はあまり取れず、全く四球も出さないわけではないので、今後高い確率で揺り戻しが来るのではないでしょうか。(その前に売りたい)
 
 しかし、それでも彼に助けられたことには変わりありません。特に現地5/29のCWS戦では先発Manoahが1.2回で負傷降板。どうするかと思われましたが、Richardsが3.1イニングを無失点で消化して何とか後続に繋ぎます。結果その試合に勝利し、CWSをスイープすることに成功しましたが、これは彼の活躍無しには達成出来なかった事でしょう。


Genesis Cabrera

出展は公式サイト及びbaseballsavant(一部加工)

  4月のゲネレラは11登板10.2イニングを投げて防御率6.10と出せば打たれるような状態で、私もさっさとマイナーに落とせとブチ切れていましたが、5月にはその評価を覆す程の投球を見せました。(ボロクソに貶してしまいすみませんでした。)

 5月は12登板 11イニングを投げて防御率2.45とTORブルペン陣の中でもよい結果しを出しました。
 が、彼も今後この好調が続くかどうか分かりません。5月のK/9とBB/9が共に5.73ととんでもない低さで、WHIPも1.91(!?)と防御率の割に安定感がありません。その結果FIPも4.97と将来に暗雲が立ちこめているのも確かです。
 (ただ、その間のBABIPは.342と若干不運だったかもしれないということを付け加えておきます。三振の少なさと四球の多さには関係しませんが…)

 ハイライトは現地5/31のPIT戦。タイブレークにもつれ込むも両軍殆ど点を取れないという謎のスポーツ状態になっていましたが、6番手としてゲネレラが登板すると1.2イニング無失点3奪三振の力投でゴーストランナーを全く生還させず、13、14回を切り抜けます。その後DシュナがサヨナラHRを打って試合終了。ゲネレラは勝利に大きく貢献しました。

 

④プロスペクトに関するニュース


 TORのプロスペクトに関して、5月によいニュースが3つありましたのでお伝えします。


① Ricky Tiedemann、リハビリ開始

 我らがトッププロスペクト、Ricky Tiedemannは4月の後半に左肘の神経が炎症を起こしたことでIL入りしていたのですが、5月の後半にはリハビリ開始。
ライブBP形式による調整が行われたとのことです。
近日中にAかRokで登板を行うとのことなので、期待して待ちましょう。


② Connor O'Halloran、いつの間にかA+に昇格

公式アプリより引用

 
 2023年ドラフト5順目157位指名の左腕投手、Connor O'HalloranがA+に昇格しました。

 私も当初気付かず、Canadiansの先発登板予定選手を見て非常に驚きました。
 何はともあれ、彼はDunedinで早くも適応を見せていたので昇格はとても嬉しいことです。
 
 また、A+の初登板でも5イニングを投げて被安打2 与四球2 無失点 4奪三振と素晴らしいスタートを切ったことも喜ばしい。
 
 元々彼は投球の約60%をスライダーが占めていたのですが、最近スタイルを変えてメインのスライダーとシンカーに加えチェンジアップをそこそこ投げるようになりました。今はそれが通用しているものの、今後どうなっていくかが注目ポイントです。


③ Riley Tirotta、AAA昇格

公式アプリより引用

 2021年ドラフト12順目362位指名の内野手、Riley TirottaがAAAに昇格しました。
 さらに14打数とまだまだサンプルは少ないものの、打率.357 2ベースヒット2本 3四球 1三振 1盗塁
OPS1.000と期待が持てる成績を残しています。
 
 ただ、心配なのは出場機会。TirottaはAAで3Bと1Bを中心に守ってきましたが、Bisonsにはそのポジションで有望な選手が複数おり、彼だけでなく他のプロスペクトに満遍なく機会を与えるにはどうすればよいかが課題となります。
(Tirrotaは一応RFも守れます。)

⑤おわりに

 6月は大型連戦(13連戦)を含む今季最大の28試合が行われる予定です。また、BALと4試合、MILと3試合、CLEと6試合、BOSと6試合、NYYと3試合組まれており、強力なチームや同地区のライバルと数多く当たる月となっています。
 勝率5割以下の相手が比較的多く、また適度に休みがあった3・4、5月でさえ負け越している状態なのに、厳しいスケジュールの6月を迎えたら一体どうなってしまうのか心配で仕方ありませんが、カケス達にはなんとか乗り切って欲しいです。
 
 また、勝敗的にはまだまだチャンスはあるものの、他のコンテンダーから着実に距離を離され続けている今季、トレード市場に買い手として参入するのか、売り手に回るのか、それとも昨年のNYYのようにリリーフを少し補強してお茶を濁すのか、Ross Atkinsら上層部の判断に注目です。

 ここまでご覧いただきありがとうございました。
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