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ししジニー
2020年12月13日 17:46
さる国の貴族に一女があり、名をシンデレラといった。幼くして母が死に、後妻と連れ子の娘二人が家を牛耳るようになった。継母と義姉ニ人は彼女に辛く当たり、何かといっては打たれ、部屋も与えられず、土間の隅に寝る生活であった。父の心は母と共に彼女の元から去ったものであるらしい。飢えと寒さで眠れぬ夜は、彼女は屋敷の裏手の森に行って一人泣くのが常であった。ある夜、森の闇の中から彼女を呼ぶ声があった。