「復帰50年」 辺野古新基地建設の断念を求めるハンガーストライキ

  • 要求

  • ステートメント

  • 参考文献

【要求】

日本政府に、以下3つのことを求めます。

  • 辺野古新基地建設を即時断念すること。

  • 普天間飛行場の運用を数年以内に停止すること。

  • 日米地位協定の運用にかかるすべての日米合意を公開し、沖縄県を含む民主的な議論を経て見直すこと。


【ステートメント】

 2022年5月15日で、沖縄は、「復帰」50年を迎える。
 50年前から現在へ、沖縄は何が変わったのだろうか。

 たしかに、空港・港湾、道路といったインフラ整備など、物質的に豊かになった側面はある。しかしながら、乱開発や環境破壊、依然として偏重した産業構造や賃金・所得格差などの課題も山積している。沖縄振興特別措置法に基づくさまざまな事業が、本当に沖縄の人々の生活に寄与しているのかや、近年のSDGsの観点からも、今後の沖縄振興・経済政策、貧困対策の見直しも必要だろう。

 「復帰」後も、さらに遡れば戦後から変わることのない最大の問題は、沖縄への米軍基地の押し付けである。それに起因する、事件・事故や騒音被害、環境汚染は後を絶たず、それらを是正する措置も日米地位協定や、その運用の根拠となる日米合意議事録に阻まれ、ほとんど講じられてこなかった。

 また、2019年2月24日に行われた辺野古米軍基地建設の埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票からは3年が経った。投票総数の約72%の反対が示された結果を、日本政府が尊重しているとは、とても思えない。
 50年前も現在も、基地問題は変わっていないといっても過言ではない。
 果たして、いつまでこの状況が続くのだろうか。

 沖縄の「復帰」を推し進めた時の総理・佐藤栄作は、1965年8月、真夏の那覇飛行場に降り立ち、このように述べた。「沖縄が本土から分れて二十年、私たち国民は沖縄90万のみなさんのことを片時たりとも忘れたことはありません。…私は沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって『戦後』が終っていないことをよく承知しております。これはまた日本国民すべての気持でもあります」と。

 私たち沖縄の人々が抱える基地問題は、日本に住む人々に忘れられてしまったのだろうか。

 沖縄の基地問題が「解決」されない限り、沖縄にとっての「復帰」、そして「戦後」は終わらない。

 「復帰」50年―。
 日本政府に、①辺野古新基地建設の即時断念と、②普天間飛行場の数年以内の運用停止、③日米地位協定の運用にかかるすべての日米合意を公開し、沖縄県を含む民主的な議論を経て見直すこと、を求めます。

2022年5月9日
元山 仁士郎

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【参考文献】
安里長従『新しい提案:辺野古新基地を止める民主主義の実践』ボーダーインク、2018年
新崎盛暉『日本にとって沖縄とは何か』岩波新書、2016年
阿波根昌鴻『命こそ宝』岩波新書、1992年
沖縄県「日米地位協定本文と合意議事録の対照表(日本語)」『地位協定ポータルサイト(日米地位協定関係)』
沖縄県 米軍基地に関する万国津梁会議「新たな安全保障環境下における沖縄の基地負担軽減に向けて」『米軍基地に関する万国津梁会議』
沖縄タイムス社編集局編『誤解だらけの沖縄基地 これってホント!?』高文研、2017年
大田昌秀『醜い日本人』岩波現代文庫、2000年(1969年)
我部政明『沖縄返還とは何だったのか?』NHKブックス、2000年
川瀬光義『基地と財政』自治体研究社、2018年
熊本博之『交差する辺野古』勁草書房、2021年
櫻澤誠『沖縄現代史』中公新書、2015年
高橋哲也『沖縄の米軍基地:「県外移設」を考える』集英社新書、2015年
野添文彬『沖縄米軍基地全史』吉川弘文館、2020年
前田勇樹・古波藏契・秋山道宏編『つながる沖縄近現代史』ボーダーインク、2021年
山本章子『日米地位協定』中公新書、2019年
吉次公介『日米安保体制史』岩波新書、2018年
琉球新報社編集局編著『これだけは知っておきたい 沖縄フェイク(偽)の見破り方』高文研、2017年
琉球新報社『ひずみの構造:基地と沖縄経済』琉球新報社、2014年

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