山田ハウスBL小説 山佐保

【この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。】

俺の名前は佐保、大人気チャンネル「山田ハウス」のメンバーだ。
最近はチャンネル登録者が39万人にも登り、パチ屋の来店イベントに呼ばれたり、自分の名前の映画の主演をやったりと、忙しくはあるが順風満帆の日々を過ごしている。
しかし、そんな俺にも悩み事がある。

山田「うぇ~、間違えて録画データ消してもうたぁ…」
佐保「は!?何してんねんお前!!」

彼の名前は山田、ドジで素人童貞でゴブリンビーバー。そして俺の悩みの種だ。最近おれはこいつから目が離せないのだ。

佐保「データ消したってどういうことやお前!ちょっと見せろ」

俺は山田の隣に腰掛け画面を除く。すると彼の甘い吐息が俺の鼻腔をくすぐってきた。

佐保「お前息くさ!!ちょっとかがせてみろお前」

俺は溢れる本能を抑えきれず、彼を押し倒す。
山田「ちょっ、何してんすか佐保さん!そういう企画っすかぁ?」

ビックリしながらもおどける山田に乗ったまま、言葉を続ける

佐保「なあ、俺。お前のこと好きやねん。お前のことを考えると、チンポがバキバキになって、カウパーが垂れてしまうんよ」
山田「えぇ!!ちょっと何?ドッキリ!?」
佐保「そういうのちゃうわっ!!…なあ、俺と一緒に逃げないか?」

「えっ…!」

一瞬嬉しそうな顔を見せた山田だが、すぐに表情を戻し、俺を押しのけようとしてきた

山田「無理ですよ佐保さん!!太田が許しませんよ!!大体、俺らにだけきつい企画やらせたり一日何時間も編集させられてるのは、アイツに俺らの母ちゃんを人質に取られているからじゃないですか!!濃い毛が仕事を辞めさせられたのだって、嫁さんを盾に脅されたからじゃないですか!俺らはもうアイツには逆らえないんですよ!!」
佐保「うるせぇ!そんなもんわかってるわ!!でももう耐えられないんだよ…1週間も連続で風呂に入らされたり、一日4000kcalも取らされて、それをネットに晒しあげられて…もうネットピエロは耐えられない…」

視界が滲み、山田の頬に涙が垂れる。
そんな俺を見かねてか、彼はそっと俺を抱き寄せた

山田「分かりました、逃げましょう!!俺のカイエンポルシェで!!」

俺らは手を繋ぎ、一目散に玄関の方へ走って行った。途中、廊下で太田とすれ違うが、俺は佐保メ。全く取り合わない。

太田「おい!!母ちゃんがどうなってもいいのかぁ!!?」
ベランダから叫ぶ太田を横目に俺たちはカイエンポルシェに乗り込み、走り去っていった。
愛の逃避行生活、すたぁと

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「なんやねんこの糞コピペ。これ名誉棄損で訴えたら勝てるっちゃなか?」

俺の名前は佐保。大人気チャンネル「山田ハウス」のメンバーだ。
今俺は、編集の合間に、裏山田ハウスの公式ディスコードに貼られたコピペを眺めていた。あまりのクオリティの低さに苦笑がこぼれてしまう。
ディスコを閉じ、タバコでも吸いに行こうかと目線を上げると、山田と目が合ってしまった。

編集をさぼってディスコに張り付いている山田の事だ。彼ももうこのコピペを見たのだろう。
ニチャァと舌なめずりをする彼のナマズ口を見て、俺は背中に甘い痺れが走っていくのを確かに感じたのだった。

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