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提言:日本のジュエリー業界は第四の波の前兆にある?

私のあくまで私見ではあるが、
日本のジュエリー業界の歴史的背景のおいて、第一の波が以下の現象。
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1982年(昭和57年) ダイヤモンド婚約リング取得率約70%となる。デビアスの婚約ダイヤモンドリングキャンペーンが浸透。

1989年(平成1年) 物品税が廃止になり、消費税が導入される。物品税が廃止にともない、業者証明が必要なくなり、総合商社のジュエリー業界参入、あるいは、異業種からの参入が相次ぎ、さらにバブルの勢いに乗り、おおいに業界は活気づく。しかし、一方では、ジュエリーの過当競争が始まる。

1990年(平成2年) 空前のティファニーブームとなり、クリスマスには、百貨店のティファニー売り場には、長蛇の列ができる。

1992年(平成4年) バブルの崩壊が始まり、ジュエリー業界は、これから数年、まだまだ売り上げベースの余力を残していた。しかし、その後、急速にジュエリー業界全体の売り上げは右肩上がりになる。

次に、私の考える、日本ジュエリー業界の第二の波は、以下の通り。

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1993年(平成5年) 第一回ジャパン・ジュエリー・フェアー開催。ジュエリー業界展の本格的幕開け。

1998年(平成10年) いよいよ、海外有名ブランドジュエリーが、日本に本格参入。日本のジュエリー業界同士の勝ち残りから、海外ブランドジュエリーとの競争、生き残りとなる。

2003年(平成15年) 海外のジュエリーブランドは、百貨店のインショップから、独自に店舗を展開することに拍車がかかるようになる。特に、銀座は、出店、改装ラッシュ。海外ジュエリーブランドショップの攻勢に耐えきれない日本のジュエリー小売店舗の縮小が始まる。

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バブルがはじける前、MAX3兆円あった日本のジュエリー業界の売り上げは、2023年には、約1兆円にまでに落ちこんでしまっている。そのうちの約4割が海外ジュエリーブランドという試算があり、現状日本資本のジュエリー業界規模は、6000億円にまで縮小してしまった。それが第三の波。


追い打ちをかけるように、新型コロナが猛威をふるい、ユーザーの外出自粛による消費意欲の低下、物価高騰とジュエリー業界にとってマイナス要因は増えるばかりだ。


そんななか、ジュエリー卸業大手は、規模を極端に縮小、あるいは末端の小売業に業態を変え、生き残っている会社がある。大手と中小企業の吸収合併、海外資本に乗っ取られた会社までもある。

まさに日本の既存店と卸業態から末端に降りてきた店舗、海外ブランドショップの三つ巴の戦いのなかに今ある。

そこに、合成ダイヤモンドがラボ グロウン ダイヤモンドと新たなネーミングで市場に現れてきた。切り口は、エシカル消費、SDGs、価格の圧倒的な安さである。

海の向こう、アメリカのダイヤモンドジュエリーの約半分は、ラボ グロウン ダイヤモンドになっているという。

カラーストーンに比べて、説明があまりいらないダイヤモンドブライダルや、ダイヤモンドライトジュエリーに生き残りの活路を見出してきた小売店にとって、これはまさに「第四波」の前兆。

第二の波を乗り越えてきた日本のジュエリーショップのうち、早くからジュエリーのリフォーム、リユースやオリジナルジュエリーにトライしてきたジュエリーサロン的なショップは、急速な進化をとげたインターネットを利用、zoomやLINEで商談を決め始めている。 

ウェブ新時代の「口コミ」戦略とリアルな口コミによる相乗効果で、売り上げを伸ばしてきているジュエリーサロンは、まさに時代の申し子である。

新しい技術の到来により、既存の商品や価値観がひっくり返る時代。
まさに、パラダイムシフトの時代。

戦うのか、撤退するのか、ふたつにひとつだ。

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