【まだらのいきもの】2020-05-15_2020-05-19
コロナショック以前から関係する不倫の恋人のことを考えて書いている、日記のようなものです。 恋人のことを考えていないときもあります。
5月15日(金)
総務の子が予約しておいてくれたZoomのミーティングIDを紛失してしまって、直前まで電話でやりとりをしていて、かつチャットの表示が「対応可能」となっていた元恋人に、もうすぐ始まるの、どこでしたっけと伺う。
メールなんかを遡れば発見できそうな気はしていたのだけれど、たとえば会議のはじまる5分前くらいに、みんながそわそわと席を立つのを横目に見つつ、なんとなく、「最後の離席者」になってみたくて、わざともたもたしたくなる、あの感じにも似て。
「対応可能」のステータスが示す通り、メッセージを送って数分後に電話が入って、「それではIDを読み上げます」と言うので、え、なんでなんで、と言いつつ、あわあわしながら入室。
数分経っても彼と私のほかに参加者が増えないので、まんまと一杯食わされたことに気が付く。なぜか今日のカメラは横顔を捉えるように設置されていて、頬杖をつき、声もなく笑っている。オフィスラブ(今では恋愛関係を解消してしまったけれど)あるあるを創るのが上手い男だと思う。
「今日のやつ、任意参加じゃなかった?」
と言いつつ、本来参加予定だったミーティングID(らしきもの)がチャットで送られてきたので、
「私たちがここにいること、きっと誰も知らないでしょうね」
と、うんと芝居くさく言う。友近のコントみたいな風情で、言う。
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