【まだらのいきもの】2020-05-10_2020-05-14

コロナショック以前から関係する不倫の恋人のことを考えて書いている、日記のようなものです。 恋人のことを考えていないときもあります。もし私の恋人がこのページにアクセスしていたら、やっぱり読まないでね。


5月10日(日)母の日

原則として在宅勤務に切り替わり、保育園からも登園自粛要請がでているので、日中は基本的に仕事をしながら子供と過ごしている。もうすぐ1か月が経つかな。

母ひとり子ひとりのステイホームに、早くも限界が訪れている。

私の仕事はタスク消化形式とでも言ったらいいのか、明確に期日の設定されたタスクを適宜消化しさえすればオールオッケーということになっているので、納期を絶対遵守すればあまり面倒なことは起こらない。
(そうは言ってもこれがなかなか難しいのだけれど)オフの日に作業をしてしまって、勤務予定日には入電やチャットへの対応とミーティング参加だけすることにして、一日中子供と遊び呆けたり、昼寝をしたり、近所をこそこそ散歩したりしている。

限界が訪れている、というのは、つまるところ「ネタ切れ」で、テレビも飽きた、工作もお絵描きもシャボン玉もブロック遊びもパズルも絵本もオンラインでの習い事も飽きた、家のごはんも飽きた、しまいには母親に飽きた、となってしまったようで、私に対する子供の風当たりが非常に強くなっている。

いつもは私をぎゅうっと抱きしめて午睡に入るはずの子供に、突然寝室からの締め出しを食らう。パパがいい、と尻をつきあげた猫のポーズでさめざめと泣いている。パパはあいにく外出しておりますが……。

仕方がないので、リビングで私もさめざめと泣く。外で働いているときより、傍目にはよっぽど「良い」母親をやっているような気もしていたけれど、別にそんなことはないのだなあと思って、救われたような気持ちになる。母親をやっていると、世間的な正しさの棍棒でぶん殴られることばかりだ。私を救ってやれるのは私しかいないから、棍棒は破砕して燃やす。

いつのまにか泣き寝入りした子供が起きていて、パパがいないんだけど、としつこい。パパはあいにく外出しておりますが……。仕方がないので膝の上に抱き上げて一緒に泣いてやり、頬をぐにぐに、鼻先を寄せて「キウイ剥く?」と聞くとまんざらでもなく、「キウイ、剥くよ」とたたみかけると喜んではしゃぎ回っている。「みどりのやつは、ちがうからね」とニヤリとする。緑のより先に金色のキウイを食べさせてしまったのは完全に誤算だった。

ここから先は

3,066字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?