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死んだ魚の目のこれじゃない感

「お前、死んだ魚みたいな目してんな」などという表現を耳にすることがあるが、その時、何人が魚の死んだ所を想像しただろうか。

あまりよく考えもせずに使っているのが多いのではないだろうか。
本当は死んだ魚は、そんな目をしていないのかもしれない。

今回は死んだ魚の名誉のためにも、ソコのところをはっきりさせてやろうと、僕は思うである。

気になったので調査に向かいたいところだが、僕は非常に手間を惜しむので、検証方法はスーパーの鮮魚コーナーに行くのではなく、インターネットの画像検索である。

まずは「魚の目」で検索したみた。
すると知らない人の足の裏ばかり出てきた。
若干嫌な気持ちになったが、「うおのめ」は全然「魚の目」じゃないし、たこは全然「蛸」じゃないことが分かった。

気を取り直して、いくつかの画像を見てみると、死んだ魚の目は、眼球の薄くモヤがかかっており、白目と黒目の境界がにじんで曖昧になっていることが分かった。
また、黒目の色も薄くなり、黒目というのも憚られるぐらいである。全体を見ると、まぶたがないので四白眼であった。

「死んだ魚のような目」は、これではないのである。
本当に死んだ魚のような目をした人がいたら、それは目の病気か、そういう目なのである。気分如きであんな目にはならない。

僕の友人にも「死んだ魚」と同じ目をした人はいたが、そういう目の人であって、うれしい時も悲しい時も「死んだ魚」と同じ目をしていた。

よく言わるような気分が落ち込んだぐらいの目とは違うのである。

「死んだ魚」は世間で言うような「死んだ魚のような目」をしていなかった。





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