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まずは買うまで

読んでみたい本があったら、早めに手に入れておかなければならない。特に大手出版社のモノは。

そんな状態らしい。

1日に200冊以上の新刊本があり、売れ行きの悪い本は4ヶ月で店頭からなくなるそうだ。大量につくって刷って、大量に廃棄となっても、売れた分だけでじゅうぶん利益になる。売れる機会をわずかでも逃さない方が重要。そういう仕組みなのだろう。

コンビニの弁当みたいだ。とにかく店先に並べるだけ並べて、売れ残ったモノは廃棄。弁当コーナーがスカスカなのは販売機会を逃している、とにかくいつも商品がある状態にすることが重要、という考え方は聞いたことがある。

コンビニですら、最近は賞味期限の近い弁当を割引で販売するようになった(環境に配慮していますというアピールの意味合いかもしれないが)。

本の業界は、これからどうなっていくのだろう。

原料や流通費の高騰で、本の値段も例にもれず上がった。文庫が「想像力と千数百円」である。この先も値下がりすることは考えにくい。

小規模出版では、10年かけてゆっくり売りきってしまえればいい、本の世界はそういう考え方があると聞いたことがある。そういう商売は成りたたなくなってくるのだろうか。


スゴくいい内容なのに増刷の声が一切聞こえない本がある。よほどの売れ筋でない限り商売にならないのだろうか。読みたくても新刊では手に入らず、中古を探すしかない。そういう絶版本は、値段がつり上がっていたりする。困ったもんだ。


先週末の講演会で書店の方の話を聞いて本の行く末が心配になったり、ツイッターのタイムラインで世知辛い出版業界の話題を目にし、なんだかちょっと切なくなっている。

本が好きなひとりとして、応援できることは、書店で本を買うことくらいしかないのだろうか。限界はあるのだけど。


電子書籍は、なにより目が疲れるし、本としての質感がないこともあって、読む気にならないんだよなぁ。

とにかく、気になる本があったら、早めに手に入れるのが良さそうだ。

「買うまでが読書」という名言(迷言?)に、そういう意味が含まれるようになってくるとは。


積ん読をおそれてはならない。積ん読は喜びを蓄える行為である。

読んでいない本でいっぱいの書棚を想像してみよ。自宅で立ち読みし放題だ。



転勤族だけどな。