見出し画像

カムチャツカナニワズ、だと?!

「カムチャツカナニワズを斜里町で発見」という文字の並びを見かけたのだが、何のことかさっぱりわからなかった。わからないときは、ググる前にまず妄想するべし。

知らない横文字は、だいたいバンドである。知る人ぞ知る存在の伝説のバンドだろう。ガールズバンドで『シランケド・シランガナ』がスマッシュヒット。その後、表だった活動の噂が聞かれなかったが、何と知床(斜里町)で海産物加工業のかたわら、地元のライブハウス(スナック)で演奏を続けているのが発見されたのではないか。違うか。

もしかしたら漫才コンビでは。たぶんモノマネが得意。ある日、釣りに行くと出かけたまま、行方が分からなくなった。実は、記憶喪失となり、たどり着いた知床(斜里町)でホテルマンになっていたのが発見された。違うか。

いやいや、カムチャツカとは北方領土のずっと向こう、ロシア最東端の州だ。ロシア・カムチャツカ生まれの若者が大阪に移住したのか。そんな彼らが結成した「なにわ」ナンバーのツーリングチームが斜里町を訪れたのかも。違うか。


カムチャツカナニワズとは、国内で初めて見つかった「木」のことらしい。

【カムチャツカナニワズを斜里町で発見しました】 これまで日本には自生しないとされていた灌木、カムチャツカナニワズ(ジンチョウゲ科)を道東の斜里町で初めて発見し、このたびその内容を学術誌で発表しました。 日本産の樹木が1種増えたことになります...

Posted by 林業試験場(北海道立総合研究機構) on Tuesday, January 26, 2021

ナニワズというのは、大阪のガールズバンドでも、なにわナンバーのツーリングチームでもなく、雪解け直後に花を咲かせる木の一種だそう。なかでもカムチャツカナニワズは、北海道に自生しているのか否か100年以上前から論議があったらしく、それが今回決着したのだそうな。そんな前の論争を、ちゃんと引き継いで研究した専門家がいたというのも感慨深い。


なお、ナニワズという名の由来は諸説あるらしい。諸説あるなら、ここでは好きな説を採用してしまえ。本命の説ではないらしいが、古今和歌集の

なにわづに さくやこのはな ふゆごもり いまをはるべと さくやこのはな (王仁)

にちなんだという説。遠く北の地に入植した人が、雪解けに咲く花(ナニワズ)を見て、故郷の寒梅を思い出したのだろう。

なんだか、愛しさと切なさとこころ強さとRomanticが止まらない。