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私は2%のアーノルド

「あなた、2%だって!」と、いきなり言われた。

なんのことかと思ったら、耳かきをしていて咳が出るタイプとのこと。成人の2%にみられるという。ツイッターでちょっと話題になっていたようだ。

まず、耳かきで咳が出るのが当たり前ではないということに驚いた。家族に聞いても「出ない」という。えー、みんなそうだったの?

自分の中での常識の、なんと非常識なことか。人間の認知っておそろしい。


この症状、「アーノルド反射」というらしい。アーノルド反射は一般には2%だが、「慢性咳嗽」のある人に限定すると25%と多くなるとのこと。「慢性咳嗽」はしょっちゅう咳をしている人、咳が出やすい人と解釈して良いのだろうか。もしそうであれば、私は喘息もちだし、空気が乾燥しただけで咳が出る。急に大声を出して咳き込むこともある。身に覚えがありすぎて清々しい。

2%ということは50人にひとり、クラスに一人いるかどうか。そこそこレアだ。色違いのポケモンほどではないが、ムシキングのレアカードくらいの価値はあるだろう。


名前がつくことで分類される。分類されることで理解されることもある。

私がひとり耳掃除でゲホゲホしているのを、家族はちょっと下品な姿とみていたようだが、歴とした症名があることを知って妙に納得した。だからといって私を「アーノルド」と呼ぶのはどうなのか。

冗談は顔だけにしろよ。