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なにと比べて寒いのか

「最強寒波」という言葉にちょっと恐れを感じていたけど、上空-40℃の寒気なら、北海道者ならそれほど珍しくはない(はず)。一方、寒気団が本州一帯まで降りてくることは滅多にないので、注意喚起が必要なのだと理解している。

予報では、特に「寒さ」が強調されている。数年前によく耳にした「爆弾低気圧」とは少し違うようだ。あれはヒドかった。台風並みの風+大雪で、エラい目にあった。

寒いだけなら、いまの装備で何とかなる。そう思うと、どんとこいというおおらかな気分になってくる。未経験ではないぞと。準備は出来ているぞと。


大寒を過ぎたこの時期、子どものころなら最低気温-20~-30℃があたりまえだった(道北地域)。それに比べたらかわいいものだ。だが、寒さの体感というのは相対的なものである。


荻田泰永さんの『考える脚』を読んだところなのだが、北極では-40~-50℃が当り前で、-20℃は「暖かい」と書いてあった。後段の南極での冒険では、-15℃なので暑い、向かい風が10mぐらいあってちょうどいい、とあった。ちょっと何を言っているのかすぐには理解できなかった。数字の意味と体感が、私の知るレベルと全く違っていた。

これを読んだおかげで「最強寒波」という言葉が、「無限」や「暗黒」と同類のおもしろ表現に聞こえてきた。


でもやっぱり、お寒いんでしょうね。

いくら子どものころの方が寒かったとエラそうに言ったところで、結局のところ寒さの体感というのは相対的なものだから。