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6月の備忘録
本の話をnoteにあげている人は多い。私もしばしば調子に乗って感想などをあげていたが、ここのところ、なんだか本について書くことを難しく感じるようになってきた。
なので、今月読んで良かった本、面白かった本を、備忘録として簡単に羅列するだけとす。
『海神の子』川越宗一
川越さんの小説は、熱い。大満足。
『うたうおばけ』くどうれいん
大胆で繊細で、うつくしいことば。すなおになろうと思う。
『高瀬庄左衛門御書留』砂原浩太朗
こういう話好きだ。人情ものの短編集かと思いきや、全編関連したサスペンスの要素もある。剣の達人は登場しない。地方公務員の悲哀を感じる。
『テスカトリポカ』佐藤究
登場人物にしても、そこで起こる出来事にしても、なんとも胸くそ悪く救いがない。けどグイグイ読んでしまう。グロい話は苦手なはずなのに面白く読めてしまったのは、なにか秘密があるはずなのだ。まだそこに気づけていない。
『土偶を読む』竹倉史人
もう、そうとしかおもえない。すべてがこの本の論で説明できるかというと、なかなかそういうわけでもないようだ。論争上等、世界遺産となった縄文文化への興味が俄然深まる愉快な書。
『マスク』菊池寛
病気や自死をテーマにした短編集。収録作品では、やはり「マスク」で描かれるスペイン風邪流行時の対策が、いまとよく似ていることに驚かされる。個人的には「船医の立場」にかなりドキッとさせられた。
先日発表された直木賞候補が2冊、芥川候補の著者の作品が1冊。
ええ、ミーハーです。