見出し画像

デルタ変異株は感染力が強いのか?

 こちら👇の追記として書いたのですが、長くなったので独立した記事にしました。

 コメントで「デルタ変異株は感染力が強いからウイルス価が高いのであって、ウイルス量が251倍になっているのではない」という主張がありました。

 これはウイルス価(ウイルス力価)の定義が混乱していることによる誤解と考えられます。

 ウイルス力価(Viral loads)には、ウイルスの核酸(遺伝子、DNAやRNA)の量を計った物理的力価と、一定量のウイルスが細胞に感染する能力や細胞を死滅させる力を持つか(何個のウイルスがあれば感染・細胞死が成立するか)を計った機能的力価があります。

 どちらも簡易的にウイルス力価と呼ばれますが、この二つはまったく別物です。

 単位も

物理的力価はVP (Virus Particle) /mL(1mlに何個のウイルスがいるか)など、

機能的力価はTCID₅₀/mL(50%の細胞を死滅させるウイルスの濃さ)

などと全く異なります。

 こちら👇の記事でわかりやすく説明されています。

 例えば「いつもより飲み過ぎて酔っ払った」と同じ言葉で表現しても、いつもと同じビールだけど量が多かったのか、飲んだものがウォッカなどでアルコール度数が高かったのかわかりません。

 今回取り上げた論文👇では、ウイルスの量(物理的力価)とウイルスの感染力(機能的力価)のどちらをウイルス(力)価(Viral loads)と呼んでいるのでしょうか?

 残念ながら要約には明記されていません。私は、被験者の鼻腔から検体を採取してPCRを行ったという研究手法から、文脈的にウイルス量を物理的力価を意味すると理解しました。

 感染力(機能的力価)を評価するには、少なくとも培養細胞に分離・定量したウイルスを暴露させる感染実験が必要です。さらに正確には実際に生き物に感染させる動物実験・臨床試験が必要になります。

 ところが、新型コロナウイルスというのはまだ分離も培養も成功していないと言われます。(なぜかただ遺伝子情報だけが明らかになっているのです)

  分離も培養もできないということは、そもそも機能的力価(一定のウイルス量ごとの感染力)の評価は不可能ということになります。

 案の定、コメントで紹介いただいたベトナムの研究チームからの手記👇には、

この研究で評価されたのは物理的力価であることが明記されていました

画像1

 PCRは陽性になるCt値が変わってくることで、検体内のウイルス量を定量できるのです。

 例えるなら、目に見えないダニの写真を2倍拡大コピーを何回したら見えるようになるか?ということです。元々1匹の写真より1000匹のダニの集合写真の方が少ない拡大回数で見えるようになります

 その結果、昨春より今年の接種者は251倍ウイルス価が高かった。つまりウイルス量が物理的に多かったのです。鼻腔の検体サイズが同じなら、それはウイルスの濃さを表します。

 この研究で感染力つまり機能的力価の評価は全くされていません。

 それなのに、研究者らはわざわざこんな手記を発表して「ドクチン非接種者との比較ではありません」と言っています。わかってますよ、昨年春の検体との比較ですよね?(当時ドクチンは存在しなかったので、その被験者は非接種者のはずですよね?)

 ドクチンが存在しなかった昨年春より、多くの人がドクチンを打った病院にいるドクチンを打った人のウイルス価(ウイルス量)は251倍だったと言うことですよね?

 研究者らは懸命に弁解しています。

「中国・シンガポール・イギリスでもデルタ変異株はウイルス価が高く、中国では1000倍のウイルス価も報告されている」

(「ウイルス価高いって言ってるのは僕らだけじゃないよ!僕らばっかりいじめないでよ!」って感じです)

 面白いですね。

 中国・シンガポール・イギリス、いずれもドクチン先進国ではないですか!

画像2

 以前もご紹介した通り、そもそもデルタ変異株は、ドクチンを開始した国で急速に広まり、支配的になります。

 逆にドクチンが進まない国では、デルタ変異株の流行はみられません。

ドクチン接種率上位国と下位国と日本の最新の感染者数・死者数を見れば一目瞭然です。

👇ドクチン接種数(人口100人あたり回数、9月5日累積)

画像5

👇感染者数(人口100万人あたり、9月5日の7日間平均。接種1位のジブラルタルは公表していません。)

画像5

👇コ○ナ死者数(人口100万人あたり、9月6日の7日間平均。接種1位のジブラルタルは公表していません。)

画像5

 ドクチンを打った国だけでデルタ変異株が流行するということは、ドクチンこそがデルタ変異株を起こしていると考えるのが自然ではないでしょうか?

 このベトナムの研究でも接種者の遺伝子は市中で流行しているウイルスと遺伝子系統(株)が違っていました。つまり接種者で独自に発生したものであったことがわかります。

 同じ環境にいる接種者と非接種者の気道でデルタ変異株のウイルス量に大きな差がない?当たり前です。接種者が吐いた空気を非接種者も吸っているのですから。

 空気中のウイルスをマスクの広い面積で捕獲し溜め込んで繰り返し吸っていれば、同じ空間にいる人の差はほとんどなくなるでしょう。(飛沫感染でなくエアロゾル感染つまり空気感染ですから、念のため)

 空気中では3時間で感染性を失うウイルスがマスクでは7日間生きます。ちなみに今、多くの病院でマスクは交換が1日1枚などに制限されています)

 おならを考えてみてください。した人もしてない人も同様に臭いですよね?

(本人は認めたがらなくとも同じ量吸ってますよね?お尻と鼻の位置関係にもよりますが、時間が経って部屋に均一に拡散したなら)


 またこの手記には、ドクチン接種者はウイルス価が早く下がるというシンガポールの研究も紹介されています。

 あれあれ?

 接種者は早く下がるのに同じウイルス価ってことは、やっぱり元々多かったんじゃん!

  ってことになりませんか?

 底に穴の開いたバケツと穴の開いてないバケツに水を入れた時、同じ量溜まっているなら、穴の開いたバケツに多くの水を入れたはずです。

 先にも書いた通り、この研究はまだドクチンが存在していない昨年春との比較だからこそ明確な差が出たのであり、その比較対象は妥当なのです。

 以上、

 この研究で評価されたのはあくまでもウイルスの物理的力価(ウイルス量)であり、機能的力価(感染力)ではありません。

 こちらの記事でスパイスに喩えた通りです。

 本文中に書いたことをもう一度コピペします、

 接種者からワクチン開始前より251倍のウイルス価が出た。それがこの研究の結果です。

 まずはそれを認めなくてはなりません。どんな(論文著者を含む)解釈や意見によってもその事実は揺るがないのです。(研究過程に問題がない限り)

 今後もしかしたら、デルタ変異株は機能的力価(感染力)がやっぱり強かった、という研究がでるかもしれません。新型コロナウイルスの分離・培養ができればの話ですが。

 しかし、仮にこれから分離・培養できたとしても、比較すべき変異前のウイルスは保存してあるのでしょうか?これまで分離・培養できなかったのに、すぐ変異をつづけるRNAウイルスをどうやって?

 もし持っている人がいるとしたら、きっとそれは新型コロナウイルスを作った人々が最初の遺伝子設計図でもう一度つくったのでしょうね^^

 (追記:国立感染症研究所が分離培養に成功しているそうです。以前もその報はありましたが、論文が撤回されたと聞いていました。本当ならば大ニュースなはずですが、全く報道されず。実際どうなのか確認したいです。)

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?