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白血病〜かからないために・治るために

 最近、白血病を発症した・再発した・悪化したなどの話をよく耳にします。思えば競泳の池江璃花子選手の白血病が報道されたのもこの季節でした。

 なぜこの時期に白血病の発症や再発が多いのか?

 そこには明確な理由があります。その理由とは白血病の原因そのものです。

 それはビタミンD欠乏です。

 ビタミンDは主に日光を浴びることによって作られます。だから日光の少ない冬に発症・悪化しやすいのです。

 池江選手の治療後のあまりの肌の白さは、体が少しでも光を吸収しビタミンDをつくりたがっていることの表れです。

 以下は、一昨年Facebookに掲載した文章です。

 昨年からのコ◯ナのおかげでビタミンDの認知度が上がり、血液検査のハードルも下がりました。だから当時よりもご理解いただけるかもしれません。

 どうか、一人でも多くの方に知っていただければと思います。

白血病〜かからないために・治るために

2019年2月13日Facebookより

 池江選手の白血病、多くの人が衝撃を受けていることでしょう。
 緊急で白血病について少しまとめます。
 白血病には様々なタイプがありますが、いずれにしても乳がん同様ビタミンD欠乏との関連がとても強いことがわかっています。

 その発症も予後もビタミンDと強い相関があるのです。


 1981年、須田立雄氏は動物実験でビタミンDが骨髄性白血病細胞の分裂・増殖を抑制し、正常なマクロファージ(免疫細胞の一種)への分化誘導を促すことを発見しました。


 つまりビタミンDが使えれば、白血病細胞は増えるのをやめ、正常の免疫細胞に変わるのです。


 2006年、ハーバード大学のジョバンヌッチ氏は

 血中ビタミンDを10ng/ml上げることで癌全体の発症リスクを17%、白血病は56%抑えることができる

と発表しました。
 白血病の56%ですよ!ビタミンDをたった10ng/ml上げるだけで!
 つまり白血病の少なくとも半分以上はビタミンDが足りないことが原因なのです。
 これほどの相関がある因子は他にありません。

 原因というのは改善すれば結果が改善する要因です。

 例えば、ビタミンB1欠乏が原因で脚気という病気になります。
 ビタミンB1の補給は脚気の予防にも治療にも有効であり、必要です。ビタミンB1以外の薬その他で脚気が治ることはありません。

 同じようにビタミンD欠乏が原因の白血病にはビタミンDの補給が予防にも治療にも有効かつ必要であり、ビタミンDなしでは白血病は治らないことになります。

 2017年の論文では、

 白血病患者の81.5%が血中ビタミンDレベルが20ng/ml以下であったこと、

 血中ビタミンDが比較的多い患者は寛解する割合が高く、再発が少なく、入院期間が短くてすむ

  ことが報告されています。

 これらの論文では、

 治療によって白血病患者のビタミンDレベルはさらに低下する

ことも報告されています。(白血病治療は室内で隔離され日光を浴びにくくなることが多いので当然ですが)
 これは寛解後も適切にビタミンDを補わなければ再発しやすく、再発してからの治療がより難しくなることを意味しています。

 U.S. Cancer Statisticsでは、アメリカの白血病の州ごとの罹患率・死亡率で色分けした地図を見ることができます。

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 パッと見て、白血病は南西部で少なく北部・東北部で多いことがわかります。地域の日照量と白血病の死亡率には負の相関関係(日照量が増えるほど白血病は減る)があるのです。
 日本のがん統計では白血病はウイルス感染で起こる成人T細胞白血病が多い九州を中心に高くなりますが、15-39歳に限ると冬に日照量の少ない東北や日本海側で多く、長野・山梨・岐阜といった標高の高い県では少ないことがわかります。

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 これは、乳がん・大腸がん・子宮頸がんなど多くの癌で同じ傾向が見られます。

 現在、成人の白血病の長期予後は骨髄バンクで適合ドナーが見つかるかどうかに大きく左右されます。
 骨髄移植は癌細胞を健康な白血球ごと全滅させて他の人から補充するという方法で、本人の細胞が治っているわけではありません。
 もちろんそれで命が助かるのは素晴らしいことですが、ドナーを見つけることの難しさや抗がん剤のリスクなど課題は多くあります。
 それ以外で最も治癒が期待できるのは前骨髄球性白血病(M3)と呼ばれるタイプで、これはビタミンA誘導体によって白血病細胞を正常細胞に分化誘導させることができるのです。
 乳がんの時にご紹介したようにビタミンDとビタミンAは共同して働きます
 M3は、ビタミンAが使えないためにビタミンDが使えない状態であるから、ビタミンAを補充することで分化誘導できると考えられます。
 他の多くの白血病ではビタミンD自体が足りないので、ビタミンDを補うことが予後の改善に必要なわけです。

 ビタミンDだけで白血病が治るとは限りませんが、少なくともビタミンD欠乏が原因の白血病に関しては、ビタミンD補給は治るための必要条件です。


 抗がん剤や骨髄移植を完全否定するわけではありませんが(若年者では生存率は上がってきています)、それだけでは厳しい現実もまた認めないわけにはいかないでしょう。


 なぜかビタミンDや栄養のことを言うと、医者の多くは「そんなの効くわけない」「脂溶性ビタミンは過剰症が危険だ」と調べもせずに全否定してしまいます。
 そうした人のビタミンDの知識は、医学部で教わった数十年前の教科書の内容から何の進歩もありません。
 私たちは医学部入試の頃から求められる「正解」を答えることで医者となったので、「標準」と権威づけされたこと以外には思考停止してしまうようです。
 なぜ命を救える確率が低いとわかっている治療を「正しい」として患者に勧められるのか?なぜより良い方法を探そうともしないのか?私は研修医の頃からずっと疑問に思っていましたが、それを言うと上司から激怒されました。
 しかし探してみると、患者を助けるために役立つ方法は「標準」と認定されたこと以外にもいくつも見つかることが多いのです。
 今、多くの医者はRCTという大規模比較試験で裏付けが取れ、厚労省が保険点数をつけない限り「正しい」治療とは認めません。
 しかし、RCTには莫大なお金と時間がかかります。
 ビタミンDは日光もサプリメントも特許が取れずとても安いため、多くは製薬会社の資金で行われる大規模臨床試験はされていません。
 逆にビタミンDの効果を否定するために、雀の涙のようにわずかなビタミンDで「効果なし」という報告さえ行われてきました。
 より良い治療が見つからない限り、死亡率を減らさない治療が「正しい」まま続けられるのです。
 ですからこれからも数十年はビタミンDが「標準治療」とされることはないでしょう。

 それでも白血病の発症にも治癒にもビタミンDが大きく関わっていることは否定できないのです。

 脚気の時も、日本人が19世紀のうちに食事で予防・改善できることを見つけビタミンB1を見つけて販売していました。それなのに医学界はそれを認めず、海外でノーベル賞で認められてから逆輸入の形でようやく認められるまでに半世紀以上かかりました。

 日本の一般の病院では、ビタミンD(血清カルシジオール,25(OH)D)は検査項目にすらありませんし、外注検査も保険が効きません。(追記:最近は「骨粗しょう症」として検査してくれる施設も増えました
 もどかしい現状ですが、池江選手なら保険なんて関係なく、他の栄養素の不足も合わせ簡単に調べてもらえるでしょう。
 他の方も白血病なら、調べなくてもビタミンDが不足していることはほぼ間違いありません。
 日光なら過剰の心配はありませんし、サプリメントで摂っても過剰を感じたら減らせば良いだけで(もしくはビタミンKを増やす)、命を脅かすような副作用はないので心配する必要はありません。


 もう一つの重要な要因は自律神経のリズムです。
 よく自律神経バランスと言われますが、自律神経は交感神経優位(緊張・興奮)と副交感神経優位(休息・リラックス)を繰り返すことで健康を保っています。
 「バランス」という言葉から想起されるような平衡状態を保つイメージでは逆になってしまいかねません。
 呼吸が息を吸う時間と吐く時間を交互にとらなければいけないように、自律神経もバランスを取るのではなく、交互に切り替える必要があるのです。
 活動と休息のリズムが大切だということです。
 免疫系に関しては交感神経優位の時にリンパ球はリンパ節にこもって訓練され、副交感神経優位のリラックスの時に出て行って癌細胞やウイルスが感染した細胞と戦うのです。
 骨髄での白血球の分化にも自律神経は深く関わっています。
 中でもスポーツ選手のような過緊張を強いられる人は、深いリラックスをする時間がより重要になります。
 世界を転戦するようなトップ選手では体内時計も乱れ、リズムが崩れやすいので特に注意が必要です。
 白血病が頑張り屋さんに多いことには理由があるのです。

 池江選手が練習以外の時も、プレッシャーなどでリラックスできなかったのかな、などと想像すると胸が痛みます。

 競泳は、室内で日光をあまり浴びないこと、水で皮膚を冷やされて交感神経優位が続きやすいことなどがさらなるリスクとなった可能性があります。
 ビタミンDを日光(ビタミンD以外にも体内時計の調整やセロトニン、メラトニンの分泌など様々な健康効果があります)と食べ物(魚、きのこ類)、サプリメントで補うこと。
 ビタミンDと一緒に補充することが重要なビタミンKやビタミンA、ビタミンDの吸収を助ける腸内細菌(ロイテリ菌)、癌細胞以外の細胞がエネルギーを得る手段である有酸素代謝を行うために必要な鉄分、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム・亜鉛その他の微量ミネラルなどを合わせて補給すること(必須栄養素はみんな必要なのです)。 そして一日のリズムを保ち入浴・ヨガ・マッサージなどで深くリラックスする時間を持つことで(一方、交感神経優位の運動する時間もなくしてはいけません)、予後の改善が期待できるでしょう。
 それらは知識のある医師の助言があればもちろん良いですが(知識のある医師は少ないですが)、医師の助けがなくてもできること。病院の治療以外で大切なことです。
 池江選手や白血病に悩む多くの方々が、どうか生き抜いて欲しいと心から願っています。
(つながっている方がいらしたら、どうかシェアして差し上げてください)

参考図書


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