マスク差別との闘い方(役所編)
県が「まんぼう」に指定された際、村の教育課が村民会館で行われているズンバ教室の主催者に対し「参加者にマスクをさせなければ村民会館を使わせない」と言ってきました。
家族がそのズンバ教室に参加していたので、私は村の教育課長・担当者と面談を申し込み、以下の質問をし、回答をもらいました。
面談は録音しました。回答記入後、相手側はコピーを取り受領しました。(面談で私は当然素顔でした)
村側は、近隣の市町村が市民会館を閉館する中、村教育課長は
「マスクをすることで会館を開けているので、マスクをしないなら閉館せざるを得ない」
と言いました。
私は
「行政指導は相手方の任意の協力によって実現されるものであり(行政手続法32条1項)、行政指導に従わないことを理由とした不利益的取扱いをしてはならない(同条2項)」
に抵触する可能性があるので、閉館した場合には不服申し立てをすると言いました。
以下、村側にした質問と回答です。(太字が質問、普通字が回答)
マスク不着用を理由としたズンバ教室の村民会館使用不許可についての面談
日時 令和4年1月26日 場所 村役場
参加者 教育課長W氏 担当 A氏
共通認識の確認
1. 村は日本国内にあることを認識されていますか?
はい
2. 日本国は民主主義国家であり法治国家であることを認識されていますか?
はい
3. 日本国の最高法規は日本国憲法であり、村行政も憲法および法律に従わなくてはならないことを知っていますか?
はい
4. 日本国憲法では国民の生存権・思想良心の自由・身体の自由・集会の自由等の基本的人権が保障されていることを知っていますか?
事実関係を確認します
5. 村の担当者 A氏 がズンバ教室の主催者 K氏 に対し、「ズンバ教室中のマスク着用はルールであり、従わない場合は村民会館の使用を許可しない」という主旨の発言をしたのは事実ですか?
はい
6. その発言はA氏の意志ですか?それとも誰かに言うように指示されましたか?指示された場合、指示した人は誰ですか?
教育課 課内会議での決定
7. マスク着用が「ルール」であるとの主張に法的根拠はありますか?
ないです。
8. 主催者K氏は、その指示を文書にしてしてほしいと要求したのに、村は指示を文書にすることを拒否したのは事実ですか?
拒否してはおらず、その前に役場にて話したいと言った。今後文書にできる。
9. 8が事実である場合、指示を文書にすることを拒否したのはなぜですか?
話したかったから
10. マスク着用指示は「ルール」ですか?それとも行政指導ですか?
ルール
11. 行政指導を口頭でするときは、相手方から書面の交付を求められれば行政上特別の支障がない限り書面で示さなければなりませんが(行政手続法35条3項)、9で回答した理由は「行政上特別の支障」に相当すると主張されますか?
書面交付を拒否していない
12. 行政指導の場合、行政指導は相手方の任意の協力によって実現されるものであり(行政手続法32条1項)、行政指導に従わないことを理由とした不利益的取扱いをしてはならない(同条2項)とされていることを知っていますか?
知っている。
13. 行政指導の場合、行政指導に携わる者は、申請者が行政指導に従う意思がない旨を表明した場合、行政指導を継続して、当該申請者の権利を妨げてはいけない(行政手続法33条)とされていることを知っていますか?
知っている。
マスクについての認識の確認
14. マスクは呼吸の妨げになることを知っていますか?
普段は妨げにならないが、スポーツ時は妨げになると知っている。
15. 2021年2月、大阪府高槻市の小学5年生がマスク着用しながらの体育の授業中に5分走をした後に死亡した事件を知っていますか?
知っている。
16. 2020年6月、静岡県で自衛官がマスクを着用しながらの徒歩行進訓練中に死亡した事件を知っていますか?
知らない。
17. 中国の中学生がマスク着用しながらの体育の授業中に死亡した事件が2020年4月中に3件あったことを知っていますか?
知っている。
18. 2021年5月28日萩生田文部科学相が閣議後の会見で「体育の授業では、マスクの着用は必要ないことを改めて周知したい」と述べたことを知っていますか?
知らない。
19. マスクが感染予防に有効である科学的根拠を知っていますか?
知らない。
20. 多くのランダム比較試験などレベルの高いエビデンスでマスクの感染予防への有効性は否定されていることを知っていますか?
知らない。
ズンバについての認識の確認
21. ズンバがどのような運動か知っていますか?
はい。
22. マスクをしながらズンバをすることのリスクを認識していますか?
はい。
「濃厚接触者」の認識の確認
23. 「濃厚接触者」の定義を知っていますか?
はい。
24. ズンバでは、濃厚接触者の定義『手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と 15 分以上の接触があった者』に入ることはまずないことを知っていますか?
大ホールでは濃厚接触者の定義に入ることはないことを知っている。
コロナ・オミクロン株についての認識の確認
25. 11月1日~最新1月24日の報告で、新潟県でコロナの重症者は1名、PCR陽性死者(コロナが死因とは限らない)は2名であることを知っていますか?
はい。
26. マスク不着用でのズンバ教室という集会によって村民の生命、身体又は財産が侵害され公共の安全が損なわれる明白かつ差し迫った危険があると主張されますか?
なんとも言えない。
27. ズンバ中のマスク着用のリスクより、オミクロン株感染のリスクの方が大きいと主張されますか?
社会機能の維持のために
村民会館についての認識の確認
28. 村民会館は村民のための施設ですか?
はい
29. 村民会館を正当な理由なく村民に使用させないことは村民の権利の侵害になるとの認識はありますか?
あります
村条例の確認
30. 村条例(施設、設備の使用制限)第4条 条例第2条に規定する施設若しくは設備の使用者が、次に掲げる事由の一に該当すると館長が認めた場合又は事業運営上特別な必要が生じた場合には、館長は使用の許可を取り消し、又は使用の停止を命ずることができる。
(1) 法令の規定に違反して使用しようとし、又は使用したとき。
(2) 使用中において著しく秩序を乱す行為があったとき。
(3) 使用に関して係員の指示に違反し、又は使用上遵守すべき事項に違反する行為があったとき。
とありますが、マスク着用しないことは(1)~(3)のいずれかに該当すると主張されますか?
(3)に該当する
31. 村条例(使用の許可)第15条 2 館長において公益を害するおそれがあると認めたとき、又は管理上支障があると認めたときは、その使用を許可せず、又はその使用に条件を附することができる。
とありますがマスクを着用しないことは「公益を害するおそれがあると認めたとき、又は管理上支障があると認めたとき」に該当すると主張されますか?
はい
地方自治法の確認
32. 村民会館は地方自治法に定める公の施設なので、その使用を不許可とするには正当な理由が必要であり、使用について差別的取扱が禁止されていること(地方自治法244条2項3項)を知っていますか?
はい
33. マスク着用しないことは村民会館の利用を不許可とする正当な理由であり、差別的取扱ではないと主張されますか?
不許可と決定しておらずお願いをした
(☝️質問10の「ルールである」とする回答と矛盾)
34. マスク不着用でのズンバ教室という集会によって村民の生命、身体又は財産が侵害され公共の安全が損なわれる明白かつ差し迫った危険がある、と主張されますか?
可能性がある。
憲法の確認
35. マスク着用に科学的根拠がなければ、マスク着用すべきという主張は一つの思想信条に過ぎず、その押し付けは憲法に保障された国民の思想良心の自由を侵害している可能性があることを認識されていますか?(第19条)
わからない
36. 日本国憲法では集会の自由が保障されていることを知っていますか?(第21条)
はい
責任の確認
37. 村が「ルール」としたマスク着用によって村民に健康被害が出た場合には村に賠償責任が発生することを認識していますか?
因果関係による。
38. この面談終了時点で、ズンバ教室にマスク着用を指示し従わない場合は村民会館使用不許可処分を課すことを撤回する意志はありませんか?
協議したい
39. マスク着用指示を続ける場合、それはいつ解除すると考えていますか?
近隣を見て判断。
40. 以上、記載されたことは面談で話された内容に間違いないですか?もし事実に反する場合は以下に訂正してください。
回答できない
以上、この記録を残すことにより、以下のことがはっきりします。
1 マスク義務を課した主体は村である。
国や県から言われたわけではなく、村が決めたと明らかになったことで、責任の所在が明らかになりました。
2 村側の主張には何の科学的根拠も法的根拠もない。
「ルール」なのか「お願い」なのかさえ、村側の主張は一貫していません。
本来、村がやっていることは「従わなければ使わせない」という処分で脅しているわけですから、それはルールであり法的根拠が必要です。ところが村は法的根拠なくそれをやってしまったことがわかります。
そしてマスク着用を求めたことには何の科学的根拠もなく、ただ近隣市町村を見回して合わせているというだけ、マスク強要は同調圧力の産物であることがわかります。
3 村はマスク着用してズンバすることのリスクを認識していた。
村はマスク着用の『リスクを認識しながらマスクを着用を義務付けて運動させていた』という記録が残ることで、今後、何らかの事故が起こったときには村に責任が生じることになります。
4 村条例・地方自治法・憲法の規定を認識している。
質問30の回答で村条例の違反に該当すると主張しているからには、やはり村の主張はルールとして行っていることになります。であるからには、そこにはマスク不着用が公益を害する根拠が必要であり、それを示せないならば、地方自治法で禁止されている『正当な理由』なき差別的取り扱いに相当します。
地方自治法・憲法の規定を認識しながら、それに違反する形で村条例を適応しているという記録が残ります。
なお、文科省HPでは、学校等で運動中はマスクを外すように言っています。
運動時以外も「身体的距離が十分とれない時は」「べきと考えられます」「可能な限り」等とあり、しなければならない、させなければならない、という文言はありません。(責任を問われるのが怖いからでしょう。勝手に「考えられ」とけよと)
また「健康被害が発生する可能性が高いと判断される場合には」とある判断する主体が明確に記載されていませんが、「自身の体調の変化に注意し」とあることから、その主体は本人であると考えられます。
「息苦しさを感じた時などは...マスクを外して」とあるので、事実上、いつでも外した方がいいのです。(マスクをすればいつも息苦しいですから)
であるならば、あらゆるマスク着用は低酸素血症・高炭酸ガス血症・頭痛などの健康被害が発生する可能性が高いですから、有毒ガスや粉塵が散布された状況以外でのマスクを本人判断で外すことは妥当であるということになります。
この面談の後、村から回答を待ちましたが、3月23日現在、何の回答もありません。
私としては、まんぼうがあけても村側が運動中のマスク着用を求めるならば次の手を考えていました。
ところが、村はまんぼう解除が決まると、その日のうちに村民会館でのマスク着用要請を解除する旨をズンバ主催者に通知してきたそうです。
すぐに解除させることはできませんでしたが、一定の効果はあったのだろうと思います。
(それでも村民の多くはいまだにマスクをして運動しているようです...)
このやり方は、マスクでも毒チンでも、様々な場合に応用が可能であると思います。ポイントは
1 記録を残すこと
2 責任(判断したのは誰か?)の所在を明らかにすること
3 根拠(法的・科学的)を求めること
です。
必ずしも訴訟を起こす必要はありません。
これをすることで、相手には何か問題が起こった場合、責任を問われることが明確に認識されます。周りがやってるから〜などといい加減な理由で差別を続けることはできなくなります。
そして少しでも知性と誠意があれば(無い人も多いですが)、自分で科学的・法的根拠を調べるでしょう。
そして調べれば調べるほど、根拠が存在しないことに気づかざるを得なくなるはずです。
役所の人間というのは基本的に『ことなかれ主義』で生きている者が多いので、問題になること、責任を問われることを極度に嫌います。ですから、マスクを着けろということが問題になり責任を問われるとわかれば、向こうから取下げたくなるでしょう。
(追記)弁護士さんがこのように補足ツイートしてくださいました。
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