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【国際】キューバ開発の肺癌ワクチン 承認・協力せざるをえない米国

8月6日「grammar english」(キューバの国営新聞)
翻訳・脇浜 義明

 世界の科学界で、キューバ製の肺癌ワクチン「CimaVax-EGF」が称賛され、米国政府も承認した。20年間に渡る研究の成果で、ステージが進行した患者にも良い結果が示されたこともあって、米国医学界が飛びついたのだ。
 ロシアのTVネットワーク『ロシア・トゥデイ』は、数年前にキューバ分子免疫学研究センターと米国のロズウェルパーク癌研究センターが、研究施設や試薬などへのアクセスを可能にする協力体制を敷いたことを報道した。両センターは、キューバ・米国共同事業を設立した。キューバ製ワクチンを米国社会に導入するために、バイオテクノロジー合弁会社である「革新的免疫療法同盟」を創設したのだ。
 この連携のおかげで、キューバは米国内の施設やさまざまな試薬にアクセスでき、キューバ製ワクチンがロシアも含めて世界に流通する道が開けた。これまでは米国の経済的・金融的・商業的妨害政策によって、それらが不可能だった。

 免疫療法ワクチンの臨床試験に最初から関わっていたエリア・ネニンガー博士が『ロシア・トゥデイ』のインタビューで、「この薬はキューバで大きな健康問題である肺癌治療に効果があるばかりでなく、副作用も少ないという利点がある」と語った。分子免疫学センター副所長のカレット・レオン・モンソンも、かなり進行した癌患者もワクチン接種によって回復し、短期間で通常の日常生活できるようになった事例を語った。
 キューバ人のミゲル・クレウスは15年前に、ステージ4段階で「CimaVax-EGF」の接種治療を受けた。当時はまだ薬は臨床試験段階であったが、症状が随分軽減した。現在は癌の復活症状もない。
 米政府のキューバ封鎖にもかかわらず、両国の医療連携は続いた。「CimaVax-EGF」が政治圧力に打ち勝ったのだ。
 肺癌は米国の三大疾病の一つで、多くの人が命を失っている。キューバ製肺癌ワクチンは米国民にとって救世主だ。両国が正常な関係になれば、両国民に非常に良い結果をもたらすことの好例だ。

(人民新聞 9月5日号掲載)

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