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編集部からの 新年挨拶

 コロナバンデミック、頻発する異常気象・自然災害…世界中の人びとが「危機」を実感せざるを得なくなりつつある中で迎えた2021年。「危機」の出口は未だ見えず、混沌・混迷は深まり矛盾・対立も一層激化していくと思われます。
 一方で、だからこそポストコロナ=新たな社会を構想し模索する実践もまた着実に拡がっています。そのことに確信を持ち、私たちはこの1年、人びとの生活・実感に内在しつつ共に悩み考え闘っていくという原点に改めて立ち返り、新たな社会への実践の一翼を担っていきたいと考えています。そして同時に、それを通じて次代を担いうる紙面・体制の確立を目指したいと思います。引き続きご支援・協力を!協働・協同を! (津林)

 人民新聞の世代交代が進んでいます。私も若手の専従としてもっと仲間を増やす一年にします。
 私個人としては、20年5月23日、全国に拡がる市民の会の1つとして、狭山事件を知ってもらう会@茨木・高槻の立ち上げに関わりました。定例街宣や映画上映会を行っています。また、21年1月31日、第5回目を迎える「狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西」に、呼びかけ団体として取り組んでいます。
 12月21日に開かれた第45回三者協議の報告では、「弁護団は21年には鑑定人尋問の請求をする」ことが明記されています。これまでの再審請求審では、鑑定人尋問等の証人調べが行われれば再審が開始され、証人調べが行われなければ棄却されてきました。
 21年は、57年の長い狭山再審闘争において、1974年・寺尾判決に至る控訴審闘争以来の山場となります。大きな世論で裁判所を動かすため支援、協力をお願いします。(村上)
 今号の新年対談は、民衆メディアとしての本誌が果たすべき役割を明確にしてくれていると思う。世代交代と合わせて、反資本主義や開放的な論争・議論を促していきたい。
 今年は福島原発事故から10年の節目だ。コロナ政策の人命軽視、救済策の利権化、差別や分断は3・11後の悪政の繰り返しだ。あの時全てを変えるべきだったのだ。事故直後から反原発デモを行い、今は避難者になった者として痛切に感じる。
 ただしコロナと原発事故が大きく違うのは、原発では隠された健康被害の数や実態がコロナでは連日報道されていることだ。世界中で問題化して隠せないからだ。「命が大事」への関心は高まっている。21年は、地下深く隠された原発事故の空前の放射能被害を本紙でも運動でも明らかにさせたい。(園)
 

 中国武漢でコロナパンデミックが発生した時点では、影響の大きさを見通せなかったのが正直なところだ。武漢が世界の工場であったので、もっぱら経済への影響に目がいっていたのが現実だ。しかしこの一年、気候変動や米大統領選にも連動し、その深刻さは資本主義そのものの矛盾をさらけ出す結果となっていった。
 資本主義の限界、終焉などをテーマとする書籍がベストセラーとなり、一般マスコミ紙でも公然とテーマとなる「大転換時代」。世界の動きは日本の貧困な政治状況と隔絶の差がある。
 2021年、この時代転換のなか人民新聞の世代交代も局面を迎える。人民新聞に関わる若者がさまざまな困難を克服し、新たな道を切り開いていくことに期待を寄せるとともに、私もその一助を担おうと思う。 (松永)

 新型コロナのおかげで、たくさんの「初」を体験させてもらった。その一つが、大幅なマイナス成長だ。大量失業時代は今年が本番。中小零細企業の淘汰・倒産も一気に進むだろう。
 これほど実体経済が落ち込んでいるにもかかわらず、株価は高値を更新する。今や株式市場は金融資本主義の虚構を表現する展示館となった。
 高度経済成長の中で少年期を送った私の実感は、非正規で働く若者の不安感とは、ほど遠いに違いない。この差異をどう埋めるのか? 今年の課題だ。       (山田)

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