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「幼保無償化除外された外国人学校の救済を」請願採択!

写真:文科省に対し、幼保無償化求める人々

 兵庫県の宝塚市議会は6月26日、本会議で全国初の「幼保無償化から除外された外国人学校幼稚園に救済措置を求める請願」を採択しました。その内容は、①政府が方針を改め、全ての子どもたちに幼保無償化を適用することを、市として働きかけるよう要請する、②それが実現するまでの期間、宝塚市が救済措置として、伊丹朝鮮初級学校幼稚班をはじめ外国人学校幼稚園に通うすべての園児たちに、幼保無償化と同等の金額を支給するよう要請することです。
 昨年10月から実施の「幼児教育・保育の無償化」。そもそも消費税を8%から10%に引き上げる理由として、突如提案されたという不純な出だしで、少子化対策には待機児童解消を!と願っていた保護者や関係者は梯子を外された感でした。
 ともあれ私は、宝塚に朝鮮初級学校があった頃から活動されている「朝鮮学校を支える宝塚市民の会」から、伊丹朝鮮初級学校幼稚班がこの幼保無償化対象になっていないとの相談を受け、9月に市長と教育長宛に朝鮮学校幼稚園に救済措置を求める要望書を出しました。続いて11月には「宝塚市外国人市民文化交流協会」が、12月には両団体を含む14の市民団体が同様の要望書を共同で出しましたが、市は「①②ともに検討する」旨の回答に留まり、新年度予算に計上されませんでした。これは、隣の川西市が新年度予算で朝鮮学校補助金を廃止したことが大きく影響しています。
 そこで「朝鮮学校を支える宝塚市民の会」は、3月に「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」代表の宋恵淑氏講演会を開催し、政府は保育施設の関係者にヒアリングを行いました。
 しかし、各種学校である外国人学校幼稚園は呼ばれず、報告書への記載もありませんでした。対象は全国の幼稚園からベビーホテル5万5千施設・約300万人に対し、除外された外国人学校幼稚園は89施設・3千人です。またブラジル学校幼稚園など窮地に立たされているところもある、といったことを知りました。
 そのため、共同要望の団体に「兵庫県外国人学校協議会」などを加えた全17団体で、宝塚市議会に全外国人学校幼稚園対象の請願書提出(5月)となりました。
 審査は文教生活常任委員会で行われ、私が代表紹介議員となり質疑を行い、2時間弱の議論の結果、賛成多数で採択されました。最終本会議では、立憲民主・共産・公明・社会民主の各党が実に感動的な討論を行い、自民・維新の反対に対し、14対11で採択。マンセー!
 元々無償化の基本理念には、「全ての子どもが健やかに成長するように支援するもの」とあります。しかも、財源は外国人も負担する消費税増収分。国連児童の権利委員会からも、韓国・朝鮮人(Korean)などの日本国籍以外の児童への差別に関し、度々勧告されています。つまり、除外されていることの方が不自然なのです。
 請願採択後、近隣の伊丹市や川西市で質問に採り上げる議員が出て、神戸市の議員からも資料を送ってほしいと要請がありました。今後も各地で議員を巻き込み、請願運動を起こしてください。その時キャスティングボートを握るのは「公明党」です。主体的な動きはできないようですが、採択反対はしていないので、好き嫌いはこの際抑えて強く働きかけてください。
 地方から、「外国人学校幼稚園の幼保無償化制度除外」を糾し国を動かす、ひいては10年間高校授業料無償化制度から除外された朝鮮高校が対象となることに、つながりますように。

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