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「大阪都構想」問う住民投票条例 府議会・市議会で強行採決 維新・吉村府知事・松井市長の独善独走

 新型コロナ被害が増え続け、吉村知事も「イソジン発言」で批判されるなか、大阪市・府議会で8月18日から大阪市を廃止する「都構想」住民投票条例の審議が始まった。 18日、市議会で松井市長が答弁する直前に傍聴者が、「コロナ無視、パブコメの8割反対を無視する都構想審議は無効。市長は予算と人員をコロナ対策に回せ」とヤジを飛ばすと、維新の本田リエ議長は退場を命令。それでも抗議が続くと、わずか5分で議会の休会を宣言した。一方、議会職員は、ヤジ発言者に退廷を求め続け、最後には『外に出ないと不退去罪で警察に突き出す』と通告した。
 同月28日、条例案は府議会で、維新の圧倒的多数で採決された。賛成71(維新・公明全員・自民5など)、反対15(自民11、共産2、民主ネット2)だった。
 賛成討論で維新議員は、「都構想を前に維新も共産党も関係ない」とのたまい、公明議員は「コロナの進展次第で投票延期もありうるという付帯決議をつけさせた!」と得意げに語った。
 採決の投票箱は透明で賛否が丸わかりだ。離反者を絶対に出させない維新の執念を感じさせた。
 採決後、傍聴席から抗議の声が飛び交うなか、吉村知事は退場した。
 府庁前では都構想に反対する「大阪・市民交流会」の約90名は、「採決反対・コロナ被害無視を許さない」とのアピール行動を行った。反対した議員も駆けつけて報告した。
 9月3日、市議会でも抗議の声が飛びかうなか、同条例案は採決された。
 「交流会」など多くの市民団体は、11月1日予定の投票での否決に向け、市内各地で週末街宣や「お話会」を開催する。コロナ感染拡大下での強行採決は、維新にも不安要素だ。住民投票で再び否決するため、闘いは本番を迎える。 (編集部・園)

8面「大阪市議会採決の抗議集会

都構想に反対する「大阪・市民交流会」は、「採決反対・コロナ被害無視を許さない」を訴えた(大阪府庁前にて)

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