見出し画像

外資系版:役職なんて意味ねーよという話

以前、台湾の役職名について記事を書きました。最近Viewer数が伸びてきています。

もう既にシリーズ化にする気満々で

・学歴なんて意味ねーよという話
・年収なんて意味ねーよという話
英語なんて意味ねーよという話

も続々公開予定です笑 たぶんそれらは完全に否定というよりは逆説的なアプローチでいくような気がします。

役職なんて意味ない

前の記事でうちの会社の役職も公開しましたが、存在するけど表に入っていない役職もあって、弊社の場合CEOから下っ端までで14、15階級くらいに細かく分かれています。僕はシニアマネジャーという役職名でして、直属上司は台湾法人No.2なので他社ではそれなりによい役職だと勘違いしてもらえることもありますが、うえから7番目、弊社ではヒラ社員と同格です。アシスタント様にものすごく遜って丁寧に仕事振ったら拒否されて自ら夜鍋して雑用やってるくらいです。

逆にボクから別部署のディレクター、エグゼクティブディレクタークラスに注文しまくってこき使わせて頂いていることもありますし、同じ役職でも給料倍違うことも多々あるようで、直属の上司以外の役職はあまり意味をなしていないし、みんなただのヒトでしかありません。

日系ビジネスをしているのが弊社台湾法人ではボクだけなので、グループ会社他国横の繋がりでは日系ビジネスのカントリーマネジャーってことにしてもらってますが、実質的に企業内ベンチャーというか企業内フリーランサーという方が合ってる気もします。最近は非日系ビジネスもやってるし。

フリーランサーなので本当に必要な仕事は1日2-3時間くらいしかなく、あとは就業時間中に学校の勉強したり、無駄な資料作成のための情報収集やら意味のない数字こね回し、もっともらしいブルシットジョブに10時間くらいかけてたり、既に2年程MBAに通っているのが原因なのか定かではないですが、今年マネジャーからシニアマネージャーに昇格させてもらったわけです。この仕事に必要なのは「もっともらしい理由」を見つけてきて説明する能力だけなのです。

昇格の経緯

弊社はB2Bの規模感のあるビジネスを選んで取りに行くスタイルで、小規模の案件は基本的に取れないことになっています(取っていい案件のミニマムの設定がある)。この社内ルールで言うと、在台湾の日系ビジネスだけだとうちの台湾人社員と比較し明らかに不利です。というのも在台日系企業は本社が超一流の大企業だったとしても在台では所詮いち海外子会社なのでよくてせいぜい中規模です。最大数千人規模の製造業はありますが、在台日系企業としてそんなのは限られていて、たいてい数百人規模の会社でいい方だったりします。一方で台湾大手だと数万人、数十万人規模の会社がいくつかあるのでローカルの一流企業を狙える人が最強です。顧客が日本本社案件もあるにはありますが、弊社日本法人とレベニューシェアあったり、2,3倍仕事量増えるから費用対効果でいうと通常ローカル案件のほうがよかったりします。

今回のボクの昇格には解せんとする台湾人の同僚は多いようで、どうやったのかめちゃくちゃ聞かれました。と、いうのもボクの直属の台湾人上司(見かけヤーさんのおっちゃん)は少なくとも過去6年のうち昇格させたのはボク以外は女性社員のみで(お察しの通り)、他の男性社員は全員脱落していたというのは社内では有名な話で、加えてボクは過去数年において社内でも上の言うことを聞かないモンスター部下として悪名が高く、問題視されていた経緯もありました。

というのも、弊社はほとんどの社員が台湾人という外資の名を語ったローカル企業であり、それまでずっと台湾流(たぶんタイワナイズされた欧米流)ゴリ押しで、ボクが着任するまでは日系案件まるっきり獲得できていなかったため、日系案件を取るためには日本の商習慣を理解したうえで台湾流を押し返してバランスを取らない限りは無理ゲーでして、ある程度社内で戦う必要があったからです。

ちょうどMBAに通い始めたくらいから社内で戦うにしても穏便に押し返すコツを習得してきてあからさまな対立を減らしたこと、たまたま数字部分も文句つけようがない実績が出たこと、とどめは上司の好きそうな(超優秀且つ美人)転職候補者を紹介したり裏工作したこと(秘密だよ)が影響していると思います。(実はこれだけが決め手なんじゃね疑惑) まあ、惜しいところまでいったけど結果的に彼女はGAFAのどれかに就職し僕らは見事にヘッドハント失敗しましたが。そりゃGAFAの方がいいよなって感じです。

重要なのは台湾で働くなら周りの(上も下も横の繋がりも)台湾人の「面子」を立てることが必須です。

台湾人の面子(≒メンツ)

Kenny@チャイナさんが書いた記事がよくまとまっています。中国人の面子について言っていますが、台湾でも当てはまることですし、聞いている限りではタイや他の東南アジアでも共通している事柄であり、日本人には理解が難しい面子の概念は中華圏よりも広い範囲に存在すると思います。

これは上も下も横にも適用すべきことなので、台湾はもちろん中華圏、華人文化の影響が強い場所で働く全ての人が理解すべき点です。

下記、英語の記事ですが、在台湾の外国人として成功するにはどうしたらいいか15つのコツが書かれていて、ローカルと上手くやることに尽きるという話です。


それボクの仕事ですか?

という依頼も結構きます。完全に役職意味ないです。社内からの翻訳依頼は基本的に断る方向にもっていっていますが、台湾超大手顧客の台湾人社員が出張で日本にいくからという謎の理由でボクがその顧客の出張手配させられたりしたこともありますが、極めつけ次のようなことがありました。

最近はボクの部署でないトアル○○部門の部門長が異動となるので、なぜかボクのほうに中華圏統括(中国人)から連絡が来て「きみ、こないだ言ってた能力あってうちからxxに転職した人誰だっけ? ○○部の部門長(エグゼクティブディレクター)ポジション空くから、その人にいいポジションあげるからうちに帰ってこないか声かけてみてよ」とのこと。他部門で、且つ、ボクの現職よりもだいぶ高いポジションオファーをボクが出していいんですか?むしろ不自然じゃね? とりあえずカジュアルに声をかけて引き抜きターゲットの現状を聴取。→ターゲットがいろいろ気を遣ってそうで難しそう。

むむ、これは先日あるnoterさんでも似たような事案があったな…まさか…

いや、別部門だしまずないですね。


2021.09.07追記
なぜか昨日上の記事とは別の部門長(台湾人のおばさん/ Managing Director)から電話きて、

「久しぶりね、元気してる?あんたのところのクラスメイト、名前なんだっけ? XXXX(競合他社)の。最近どうしてる?転職とか考えてないのかな。ええ、ああ、そう、じゃあちょっと引抜きの可能性も含めてカジュアルなランチかコーヒーセッティングしといて」

ときました。⇒そして、今日アポ確定、手配済み。

なんだ、この流れは…リクルーターにでもなれってか。。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?