新型コロナウィルスがこの1ヶ月で世界に広がり、特に海外の大都市でロックダウン(都市封鎖)が起きて、日本の首都圏でも人の移動や集まりはおろか外出も制限される事態になりました。

規模が小さく売り上げが零細で自転車操業の事業オーナー様は、かなり危機感がありますね。個人自営業の方はもともと蓄えがない方も多い。

事業コンサルの私がこんな時にお伝えすべきなのは、「こんな時に事業(仕事・活動)をどうしたらいいのか」だと思うので、整理してみました。

こんな時に大切なのは「優先順位」と「取捨選択」だと思います。

これは冷静な思考が必要です。まず自分自身をクールダウンしたいですね。


1.売れるものを売る。特にネット販売。現金を作る。

今(これから)必要なのは、手元の現金です。

小売り店は、手持ちの商品はお値引きセールをしても早めに売って現金を作りましょう。

飲食店はケータリングやお弁当を。なるべく在庫を少なくし、小さくても売り上げを作りましょう。事業所やご家庭への出前配達など、客先へ出向くことも考えてみてください。

商品は委託販売でも良いので、懇意にしてくれるお店=特にスーパーなど日常回りの商品を扱うお店に出してみましょう。

東京など首都圏エリアは、「外出せずに自宅にいましょう」という通達ですけれども、こんな時はSNSが閲覧されますし、動画が視聴されますし、ネットショップでモノが売れます。

Baseなど個人で比較的立ち上げやすいネットショップサイトで、ネットショップを立ち上げましょう。立ち上げたらSNS=facebookやIntagramで告知しましょう。ネットショップは簡単で良いのです。伝えたいことがあれこれある場合はfacebookやInstgramで伝えれば良いのです。そのアカウントURLをリンクさせれば、フォローが増えますね。

改めて個人自営業の方はホームページを作りましょう。ブログで「あなた」を伝えながらも、商品やサービスなど事業を伝えるホームページをきちんと作り「あなた」と同時に「あなたの商品やサービス」を見ていただいてくださいね。「ホームページあるんだけど、もう情報が古い…」「実はメニューが決まっていないので出せない」と言う方は、ぜひ修正・更新してください。今やるべきです。

ネットショップもホームページも、基本の見やすさや情報の整理は大切なのですが、デザインや構成への高度なこだわりは優先順位は低いです。自分で更新できるプログラムで作り上げ稼動させることが優先。事業をステップアップできる時に、さらに手を入れれば良いのです。


2.今の世の中のニーズに合わせた商品やサービスを作って、求めている方に積極的にお伝えお勧めする。

これはいつでもやるべきことなんですよね。誰のどんなニーズに応えられるだろうか、という発想です。

今・・・世界中に感染症が広がっている、経済が落ち込んでいる、人が不安になりストレスが増えている、健康ではない人・体力や免疫が落ちている人が危ない。

今必要とする人たちがいるニーズ・・・「健康を維持する」「免疫を上げる」「ストレスケア・ストレスマネジメント」「セルフヒーリング・セルフメディテーション」「自分を大切に」「自然の中で過ごす(自然に触れる)」「家でのんびり過ごす」「自宅でできる運動や趣味の道具」「家食(自炊食材の宅配やケータリング)」「狭い空間で孤立してテレワークが増えると欲しくなるネット上でのつながりやコミュニケーション」「インターネット関連の商品やサービス」というテーマですよねやっぱり。

自分の事業で、商品やサービスがこのテーマに合わせてアレンジできるなら作ってみていただきたいです。また、このテーマでニーズを取り込めるようなPRをしてみてください。告知の文章も変わりますね。

セラピー系の方は、今お持ちのスキルやメソッドで、「健康」「免疫」「ストレスケア」をテーマにしたプログラムを作ってみていただきたいと思います。


3.支出のプライオリティー(優先順位)をつくる。スタッフと小さい仲間を優先して支払いをする。

スタッフは最も大切な資産です。景気の後退は永遠には続きません。その時のためにも「また新たに人を雇えばいい」はできないです。雇用を死守するためには、スタッフの皆さんに、雇用を守る変わりに最低限の生活保障ができる給与額を譲歩してもらえないかという交渉も必要かと思います。

共に事業を支え合う仕入れ先は仲間です。1件が倒れれば連鎖して倒れる事業が出てしまいます。信用で成り立っている仲間は「また開拓すればいい」わけにはいかないものです。ここも死守したいです。個人自営業など小さいな仲間への支払いは率先して。大手の取引先は待ってもらえないか、分割払いができないか、お願いをしてみてください。

金融機関への借り入れ返済、法人所得税や法人住民税の支払いは、こういう時は待ってもらえる可能性が高いです。丁寧に説明をしお願いをして、リスケジュールを提案してみてください。これは債務ですので、相手先の担当者に、経過をこまめに連絡し、今後の対策を相談してください。

電気やガスや電話代などは待ったなしです。これらは「公共」ではなく「民間」の会社です。待ってくれません。


4.なくていいもの・止めていいもの・我慢できるものを削る

経済を止めないためにも支出は完全にストップしたくないですが、「あのお店は困っていない」「大手企業・大手の事業所は自分が消費しなくても大丈夫」という判断をしながら、消費しなくていいものはストップ。

いったん暮らしのスタイルや健康を見直すということでもあると思います。

便利だから使っている・利用しているサービスには、なくてもいいものがありますよね。サブスクリプションサービスが流行っていますが、必要な量を必要な時に必要なだけ消費することが、やはり無駄がない。今はストップしてもいいかもしれません。

携帯電話サービスも削れるものは削っていいし、無駄な保険に入っていませんか。どちらもそうそう潰れません。それより自分のお財布を守るべく、この際、見直しましょう。


5.次の布石を考える・作る

コロナがどうというより、このタイミングって、なんだか世の中の流れが大きく変わる時だろうと思いますね。今、実は無駄なこと、試行錯誤しながらやっているのだろうけど必要がないこと、もうそんな志向性は薄いんだけど惰性で続けていることが、政治にも経済システムにも事業にもコミュニティにも多いですよね。

そういうものが見直されるタイミングで、そうなると求められる商品やサービスが変わっていく。廃れるものがある一方で、今まであったんだけどそれほどニーズがなかったものにニーズが高まり見直されることが起きていきますね。

私も今は「次を作る」をものすごくやっています。去年の終わりくらいから取りかかり始め、今年になってから方向性を切り変えた感じです。昨年はどうにも方向性が掴めなかったんですが。ここに来て、「社会に求められているもの、人が必要としていることは意外と原始的でシンプルだ」と考えるようになりました。

世の中、便利に機能的に複雑になりすぎてしまい、かえって混乱し無駄が多い。それを見直す時が来ている気がします。見栄を張り無駄に飾り立てることなく、本質的に感じられるもの、心を豊かにするもの、元気で健康に暮らせることにお金をかけたい。といったニーズが増えるのではないかと。

ここ最近増えている「マスコミが作る耳障りが良いストーリー」「そうだそうだと共感できるSNSでの煽り」「なんだかよくわからないんだけど、発信力や影響が強くて、ああそっちかなーと思わず引き込まれてしまう分野や人への傾倒」は気を付けたいと思っています。これは次の世の中を創るのではなく、今引き込むだけの現象に過ぎないと感じます。

共感や賛同は良いことばかりではない。「洗脳・マインドコントロール」と称される時代がありましたし、最近は「同調圧力」と称されることもあります。

事実は何かを正しく把握することに努める。社会正義や倫理や秩序を持つ。「みんな」という多数の動きで判断しない。

今一番必要なのは、自分自身の不平不満やストレスに気づき、闘争の火種を自分が抱えていないか、そんな存在と付き合っていないかを見つめ、冷静に考え動くことかと思います。


6.&More

資金繰りに困ったら・・・お金がない時稼げない時は・・・今、様々な生活支援、中小事業者(法人ではない個人事業でも可)支援が発動しています。

地元の市役所の福祉担当課、社会福祉協議会、商工会にお尋ねになってみてください。

経営とは、最善なことを判断するためにも最悪なことを想定し備え対策することでもあります。

「このまま売り上げがなくなったらどうなるのだろう」は、そうなることだってあり得ます。「最悪」にはその先に続く道程もあるので、そこに進んだっていいと考えて、淡々と頑張るだけなんです。

持っているものを手放す、生活を変える、ダウンサイジングすることは、決して「悪い方向」とも言えません。この世で「そうでなければならないこと」は意外と少ないのです。これは、人生の長い旅路の中で気づくことです。なるようになる=なるべくして必然なことになる、です。

まさか倒れないだろうと思われる事業も倒れてきました。まさか山一証券やリーマン・ブラザーズが倒産するとは思えなかったし、国鉄や電信電話公社や郵便局が本当に民営化するとは考えられなかったし、まあ安倍政権が一党独裁でこんなに長期政権になるとは思えなかったです私。人が予想できることなんて少ないですよね。

地方在住の方、特に代々のご先祖様が暮らし守ってきた土地や家を持つ方にとっては、土地や家や地域は「守る義務や責任がある」と考えやすいですね。手放して引っ越して新しい仕事や暮らしを作ることは大変なストレスです。

ただ、自分が働いて自分で一代だけ暮らす家を買ったような都市部の人たちにとっては、土地も家も、売ったり買ったり変えたりするものであり、地域は馴染めるし愛着はありますけれども、引っ越して新しい地域に対応すればいいのです。古来から人は、命をつなぐために移動し転地を繰り返してきました。それが必然なんだろうと私は思います。

愛着は捨てがたい。責任を感じるかもしれない。でも、新しい可能性も出会いも待っています。ご先祖様も地域の方も、あなたの命を奪うことはしません。精一杯よくやったのです。

倒産しても自己破産しても決して命は取られません。働いてくれているスタッフにも仲間にも、特に連帯保証してくれている方には大変申し訳ないことになりますが、彼らの命も取られません。家族=特に子供の人生は子供のものです。最悪の時には、彼らが自分の手で自分の人生を切り開くことに委ねていいのです。

生きて頑張ることにチャレンジする。

そのことが試されている。

と私は思います。

今日も応援しています。

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office ciel / jin hitomi
オフィスシエル 神ひとみ

思いをカタチにする事業を創る
事業プロデュース・事業コンサルティング

https://office-ciel.jimdo.com

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