#遍路05 通し打ち?区切り打ち?イケオジの考え方に見た「すべき」からの脱却法
お遍路さんには「通し打ち」と「区切り打ち」の2種類がある。
お遍路さんは全長1400kmに及ぶため、通し打ちを選択すると6週間(約42日間)ほどかかると言われており、時間的にも金銭的にも大きな負担がかかるため、区切り打ちを選択する人が多いという。
ある日、他の歩き遍路(歩いてお遍路回りをしている人)さんとこのテーマについて話をする機会があったのだが、あるお遍路さんはこう話してくれた。
「せっかくお遍路に挑むなら通し打ちでしょ。区切り打ちだと途中で挫折したように感じちゃうんだよねぇ…」
なるほど確かにこれはわかる。今回は用事があるため高知までの区切り打ち予定だが、ぼくも最初は「通し打ちで挑戦した方がいいよなぁ、、、」と考えていた。
諦め、挫折、中途半端、、、
あくまでぼくの主観だが、区切り打ちにはこういうネガティヴな感情が結びついてしまっていたからだ。
「今回はなんとしてもやり通して、継続力が課題だったこれまでの自分を変えなきゃダメだよなぁ、、、」
心のどこかで、そんな風に思っていた。
一方、先日出会ったイケオジはこう話してくれた。
「俺は今回高知までだよ。友達の法事が高知であるから、それまでの区切り打ちにする。で、法事が終わったら台湾をチャリで一周しに行く予定なんだ」
すでに歩き遍路を1回、自転車での販路を1回やっているからかもしれないが、通しか区切りかなんてどっちでもいい、という話ぶりだった。
そういえば、宿泊についてもイケオジは独自の価値観で動いていた。
秋の時期はお遍路さんが多いため、宿は遅くても前日までに予約しておくのが一般的だ。前日に電話をしてもなかなか予約が取れないケースも多い。
「明日の宿がまだ予約できてないからなるべく早めに予約しないといけないんです」
そうぼくが話すと、
「俺は今日泊まる宿もまだ決めてないよ。泊まれそうだったら泊まるし、もし宿が取れなかったら寝袋あるから今日は野宿だな」
イケオジは爽やかな笑顔でこう話してくれた。
移動についても、バスや電車、必要であれば使えるものはなんでも使うという。歩き遍路だからと言って、何がなんでも歩き通すことにこだわっているわけではないようだった。
イケオジの話を聞いているうちに、通しだとか区切りだとかちっぽけなことにこだわってる自分がバカみたいに思えた。
またしても、自分で勝手につくりあげた「すべき」に考え方をもっていかれてしまった。
「すべき」からの脱却を目指す、ぼくの今回の旅。
イケオジの生きる姿勢はひとつの理想としてすごく参考になるので、とても助かる。
今回は区切り打ちで終わるけど、言い方を変えれば、いつかお遍路さんの続きを歩く楽しみが持てた、ともいえる。
「お遍路さんの続きを歩く」
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