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手元に集められた数奇な石たち ②アベンチュリンについて調べた


はじめに

 名も知らぬ鉱石について、机上のPCを使ってネットで情報を調べるシリーズ第2段。「怖いもの知らず」のわたしが教育サポートの仕事のすきま時間をつかい調べた。ウィキペディアにむかわず行きあたりばったりで情報を探った。

前回同様「鉱物」、「鉱石」、そして「石」の各語をあいまいなまま用い、さらに調査結果には責任が持てませんのであしからず。

深緑色の鉱石

 数奇な縁で鉱石30種あまりを入手、今回の石も初見。注目したいのはタイトル写真の手持ちの石、アベンチュリン、草木のなかで撮影するとあっさりとどこまでも深い緑色に森の奥へと誘いこまれるかのよう。ただそれだけの理由から対象にした。

この石に関してネットを手がかりにしてわかる範囲で調べた。アベンチュリン、和名では砂金水晶(さきんすいしょう、Green aventurine quartz 、グリーンアベンチュリンクォーツ) 。もしくは砂金石ともいう。つまり石英の一種。

前回同様、検索すると販売サイトが目につく。原石は手におさまるほどで数千円ほど。砂金の文字が入るが金(きんgold、ゴールド)とはいっさい関係なく、さほどの値はつかない。

独特な名前は…

 石英、とくに水晶とならば透明で独特の結晶の形状をイメージしがちだが、見たところその片鱗は手元の石にはない。もちろん水晶は石英の一種で、いずれも二酸化ケイ素で化学的には違いはない。透明度が高いと水晶と呼ばれるようだ。

むしろ俗称のインド翡翠に興味がわく。どうやらこの石がインドでたくさん産出し翡翠に色味が似ていることから、通称インド翡翠と呼ばれたようだ。翡翠とはまったく関係ない。園芸植物だけでなくこうした鉱物でも俗称に惑わされがち。

独特な色は…

 さらに和名には名の一部に「砂金」とある。砂金石(さきんせき) と呼ぶ場合もある。これは何だろう。石の輝きよっては砂金をまきちらしたような閃光があるせいかもしれない。

理科の教科書ではあくまでも石英のなかま。ではなぜ緑色を呈するのか。調べた範囲ではなかに含まれるクロム白雲母(フクサイトfuchsite) 結晶の配向により、独特の色や輝きを生むそうだ(1)。

以前、産出したなかには赤鉄鉱(ヘマタイトhematite)や針鉄鉱(ゲーサイトgoethite)の結晶の配向により、赤色を中心にした石をアベンチュリンと称していたらしい(1)。

あくまでも私感だが、なかに含まれる雲母などは結晶が扁平で光を散乱させ、まさに砂金を散らしたようにかがやくこと(アベンチュレッセンス aventurescence )から砂金石とよばれると思われる。

分類を調べてみると

 ここで石英自体の分類上の位置づけを岩石鉱物詳細図鑑(2)に基づいて大分類から順に行う。

石英は、

10種ほどある化学組成にもとづく分類では、酸化鉱物
8種ある主要な酸化鉱物のうち、SiO2鉱物(数字は下つき)
8種ほどあるSiO2鉱物、石英

とたどれた。石英がケイ酸なのでケイ酸塩鉱物に分類する場合もあるが、石英自体は塩ではないのでこの化学組成による分類法では酸化鉱物に分類していた。

国内にも

 残念ながら水晶自体が国内では現在では産業として採掘されていないようだ。この砂金水晶(砂金石)もふくめて外国産。

おわりに

 前回につづき鉱物を調べるのはけっこう骨が折れる。俗称などもありとまどいやすい。一次情報にたどれるかどうか、新しい更新された学術情報に行き当たるか、さらに鉱物図鑑や専門家の助けがいりそうだ。よい図鑑を入手しないと。

参考としたサイト

(1)石 研- いしけん - ロゼッタ支部 https://ruya.blog.ss-blog.jp/2011-06-01
 鉱物の話題が豊富

(2)岩石鉱物詳細図鑑 https://planet-scope.info/rocks/minerals/pyroxene.html
planetscope(https://planet-scope.info/index.html)のひとつのカテゴリ。沢田輝氏(海洋研究開発機構JAMSTEC研究員)運営。
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