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西武ライオンズの凋落とこれからどうやって再生すべきか


こんにちは、ジンです。今回は西武ライオンズの暗黒期とも言うべき凋落と、どうしてこれまでAクラス常連の強豪を保っていたか、それをどうやったら取り戻せるのかについて考察していきたいと思うのでみなさんよろしくお願いします。


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歴史に残る弱さの2024西武ライオンズ

ところでみなさん、西武が今どれくらい負けているかご存知でしょうか?
ざっくり中日ドラゴンズの近年くらいの弱さと思ってる方が多いんじゃないでしょうか?

これが、中日ドラゴンズの落合監督退任以降の勝率です。

なんやかんや一回も勝率.400を切ったシーズンはなく、負け数も80敗前後と、普通に弱いくらいの弱さを維持し続けているのが中日ドラゴンズなので、良くも悪くもTBS横浜と比べると、普通に弱いで収まってるレベルと言えるというのが特徴です。
一方、今年の西武ライオンズの勝率です。

なんと今年の勝率は.305。TBSベイスターズ以下、初年度楽天に匹敵しようかというレベルの驚異的弱さです。敗北ペースは脅威の98敗ペースです。
これらを見て分かる通り、西武ライオンズは今年、本当に洒落にならないくらいとんでもない負け方をしているのですが、これらの弱さはどのようにして形成されてしまったのか考えてみます。

①ドラフト戦略を強かった時代から変えなかった

まず一つ目に挙げたい要因は「ドラフト戦略を強かった時代から変えなかったこと」です。何を言ってんだ?という方も多いかもしれませんが、実は西武ライオンズは、00年代、10年代初頭にしては「比較的野手を上位指名する」珍しいチームだったのです。西武の18年優勝を支えたメンバーは森友哉、浅村、山川、秋山、源田、外崎、炭谷とどれもドラ3以内に指名された選手ば仮で、2014年までの3位以上が中川、西田、小関、内田などわずかしかいない楽天と比較するとその差は歴然です。2010年前後までは、斎藤大石で10球団競合や、松井裕樹で8球団競合をはじめ投手に指名が集中するパターンがほとんどでした。西武もわりかしドラ1は投手に行くチームでしたが、野手の指名優先度は他球団に比べるとかなり高く持ってくるパターンが多く、野手が上位に集中する今となっては、森友哉と山川の二枚どりなど、この二人のアマチュア実績を考えると、今では考えられないような美味しい指名の仕方をしていたというわけです。しかし吉田正尚の成功など、大卒直後に野手が活躍するパターンが2015年頃から急増。SNSなどの情報網の発達で投手は容易に育つようになり、千賀や山﨑颯のような、育成選手からの160キロ投手も珍しく無くなってきました。これがドラフトの潮流にどのように影響したかというと、「投手は才能」の時代から「投手は容易に育成できる」の時代に変わったんです。その点、比較的育成しにくい野手の方が「才能が重要」な時代になり、西武以外にも野手が上位指名されるようになったのです。これに対して西武は昔と変わらず「基本はドラ1投手、2位3位で野手」の姿勢のまま貫いたため、2位3位に残っている選手は昔と比べかなりグレードが低く、西川愛也や山野辺など、ほとんど一軍で結果を残せない選手が多く集まってしまい、深刻な長打力不足を招きました。

近年、単独1位〜ドラ3の当たり率が激減した西武

②素行の悪い選手が多い

プロ野球全体で週刊誌による問題発覚が多い昨今ですが、西武ライオンズはその中でもぶっちぎりの不祥事の多さです。

なぜこれほどまでに素行の悪い選手が集まってしまったのか?
元々、西武は08年の優勝時に、伊原・伊東のようなお堅い黄金期西武ライオンズを一新したかのようなラフな雰囲気で優勝しました。優勝時は選手こそ優秀だったものの、ほとんどが茶髪・長髪で当時から中島選手のラフプレーなどが物議をかもす球団ではありました。この雰囲気の中入団したのが相内選手です。相内選手は2012年のドラフト直後に無免許運転が発覚。その後も何度も週刊誌に不祥事が報じられるほどの問題児でした。彼だけではないと思いますが、このくらいから二軍を中心とした不祥事が山のように出てきて、強いものの、チームにそこはかとない荒んだ雰囲気を感じるようになってきました。高橋光成や今井の長髪も、ダメとは言いませんが、見方を変えれば風紀を注意するような怖いOBや先輩が誰もいないことを感じてしまいます。TBS横浜では誰も練習しなかったり、ロッカールームでタバコやゲームをしていたように、西武も少しずつ荒んだチームの空気の雰囲気が進行していたたのかもしれません。

③選手評価が古い、且つ年功序列

最後は選手評価、主に年俸査定の話になります。
野球ファンの方は大方ご存知のように、現在は年俸査定で旧来の勝ち星や打点のような指標を大きく評価するチームはほぼ皆無になり、WARなどのセイバーメトリクスを中心とした選手評価が主に用いられています。
その中で西武の評価は体感ですが「勝ち星」や「セーブ数」「打点」「打率」のようなものが重視されているという印象を感じ、違和感のある年俸査定が多いです。例えば金子侑司選手に対しての複数年1.2億の契約や、増田選手の3億など、確かに選手個人で見たらいい選手だとは思いますが、西武が勝つということにおいて、億払ってそれに見合う勝ちをもたらす活躍をする選手でしょうか?あと、西武で年功序列だなあと感じるのは、中村剛也選手が40歳からのシーズンの方が若い頃より年俸が高いことです。20年から2億×3年の契約を結んだ中村選手ですが、2011年まではなんと1.2億の契約でした。60歳定年の会社員ならともかく、当時の活躍を考えても、普通の選手なら不満を抱えてFA宣言してたのではないでしょうか。このように、選手から見て不可解な年俸査定が非常に多く、不満を抱える選手が多かったためか、あっさりFA宣言されるケースが多く見られました。

改善案

非常に色々な要因があって弱くなった西武ですが、どのようにすればチーム状況が改善するのか?考えてみました

①ドラフト上位は基本的に即戦力野手にする

ドラフトは基本的に上位を即戦力野手にしましょう。どっちのWARも極端に低いチームであれば野手の強化がまず得策です。最近の大学生野手は即結果を残すパターンも多く、評価が高い野手であれば滅多に外さない傾向にあります。

② 不祥事を起こした選手に早めに見切りをつける

西武は不祥事を起こしても謹慎のち解除で済むパターンが多く、言ってしまえば舐められてる傾向にあると感じます。今年結果を残しつつも不祥事を起こしている選手がチームにいますが、こういう選手に容赦なく追放するなど、制裁を加えることが大事とチームの空気のために大事と考えます。

③年俸査定にWARを導入する

今の野球選手は非常にデータに詳しいため、適当な査定では納得されない可能性が高いです。選手評価に現代的な指標を導入し、査定に納得できる材料を増やせばFAで出ていかれる要因は減らせるかと考えられます。

まとめ

いかがだったでしょうか?西武ライオンズが弱くなった分析をして行きましたが、2010年前後のドラフトを見ると見事としか言いようがないドラフトをしているので、この頃の強さに戻るのは西武のスカウティング技術からしたらそこまで難しくないのではないかなと思います。

今回挙げた中だと、特に不祥事の多さは弱さに直結したチームの空気みたいなのを感じるので、ぜひそこを改善するのが王者西武の復活になるんじゃないかなと思います。

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