詩:「ひとり占め」
花束のためにつくられた花の
幸せはきっと抱かれることで
ごっこだらけの都会の中は
溶けるような体温に溢れている
偽のわたしがずっと生きている
影は太陽の検閲の中で
もはや延命のしようもあるまい
清潔に身を整える
捧げるために
優しい言葉だった
壊れるまで遊んでもらった
泣けない目の玉のわたしを
馬鹿だなんて思っただろうか
テレビの啓示通りに
イチゴジャムを潰したような
獣の御馳走にありつく
そんなひとり占めの時間が
愛おしいだけだ
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