僕なりの読書〜「メモの魔力」(前田裕二さん)〜2019[1]

年間50冊は読むことを決めたので、週に1冊は必ず読むということを課しました。

週に1冊読むのは簡単なのですが、こうやってまとめる時間をとるのが大変ですね。ただ、テキストにすることで自分でも語れるテーマも増えると思って、やってます。原則2,000字程度で軽度にまとめていきたいと思います!このコーナーもまた備忘録的なコンテンツですが、ご容赦くださいませ。

今回は、前田裕二さんの「メモの魔力」です!

例えば、サッカーのW杯を見て、無性にワクワクして仕事が手につかない自分がいたとします。その自分から、決して目を背けないでください。貴重な意識の萌芽を、見過ごさないでください。この本の中で紹介してきたようなやり方を活用して、もう少しだけ、深く考えてみてほしいのです。もしかしたら、「自分は、ライブエンターテインメントに関わりたいんじゃないか」ということが見えてくるかもしれない。あるいは、「サッカーチームの経営に回ったら心底楽しそうだ」と気づくかもしれない。(「メモの魔力」p191より)

「メモの魔力」をなぜ手に取ったか

「メモの魔力」は、メモを通じた知的生産をすることによって、具体から抽象への転用スキルを身につけ、"自己分析"という曖昧だけど最重要な武器を最大限に利用して、人生を送るための諸々が書いてある本です。

著者はSHOWROOM株式会社CEOの前田裕二さん。編集は幻冬社の箕輪厚介さん(ホリエモンの『多動力』などの編集者でもありますよ)。大の仲良しで、かつ、今若者にも人気で実績のあるお二人のコンビネーションにより完成した本です。

選んだ理由は2点。

メモが好きだったから
前田さんのことが好きだったから。

一読したうえで、前田さんの思考力に触れられました。帰り道にいつも、iphone片手に議題を一つだしては、頭の中をぐるぐるさせるんですが、そんな思考の順番を記録として「メモ」した上で、ファクトとその本質と転用をするようになりました。普通に楽しいですね。

「メモの魔力」が売れる時代背景?

そういえば、NewsPicksCCOの佐々木紀彦さんが、2018年最後のWeeklyOchiaiという経済番組でこんなことを言っていましたね。

「今、前田裕二さんの『メモの魔力』がバカ売れしてるらしいんですよ。単にメモのノウハウを知りたいというかは、メモを通じて自己発見をしたい重要なんですよね。いま、皆、自分探しに夢中なんですよね」

「好きなことを仕事に」や「副業推進社会」への志向が広がり、自由に生きろと言われながらも、「AIに仕事は奪われるからクリエイティブじゃないと」という何か肩身狭い世界。自由で肩身が狭いからこそ、1つの文化的・個人的なコードを必要としている。

高齢化や財政難も重なって、ピーター・ティールの言う「曖昧な悲観主義」が日本に蔓延している今だからこそ、「自分」というコード探しを多くの人がしています。「メモの魔力」は、社会の変化を乗り切るための本でもあるかもしれませんね。

この本を通して、思うこと

何か対象に期待しすぎることをやめよう、ということです。今を輝きながら社会価値として自分の世界観を創出している前田さんは、あらゆる時間で、生活で、場所で、自分の気づきを整理しています。

狙いにいくのではなく、自然と流れる人生のなかで、価値情報を蓄積させていくプロです。そして、「たまたま」、人生の中でそれらの本質的要素がつながり、価値へとつながる瞬間を見逃さない。

つまり、メモをしたから、必ず、前田さんみたいになれるわけじゃないってことだし、そんな方法はない。自分の人生を大切に、その二度と帰ってこない時間に限りないリスペクトを提示して行動に移す。この本でわかることは、平等に与えられた時間という物語を必死に生きることで、「たまたま」その物語に高揚するシーンが生まれるということで、そんなシーンに出会う十八番が「メモ」であるかもよ、ということかもしれません。

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