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事務の人の仕事の流儀

新年度がスタートしました。

新社会人、転職、転勤、部署異動…初めての仕事や、業務内容がガラリと変わる人も多いことでしょう。

私も官公庁の共済組合で働いていたときは、事故防止のため2~3年で係交替がありましたし、毎年職員の転出入がありましたから、この時期は決算も相まって本当にバタバタとしていた記憶が蘇ります。


今回、派遣先で部署変更があり業務がガラッと変わりました。
業務マニュアルを見て、驚きました。私から見たら業務マニュアルじゃないのです。分からないことが多すぎて、付箋紙1束使い切りました(笑)
個人的には、分からない人が見て作業出来る資料が業務マニュアルだと思うのですが、分からない人が読んでも全くわかりません。そんな中、共済組合で働いていたときのことを思い出しました。

12年働いた中で係交替を5回以上は行っていますが、8割くらい前任者の仕事内容がひどくて、残務整理からスタートし基盤を整え直していったな…ということ。

そのお陰で、私の事務作業の基盤となる考えが生まれていきました。

私の事務作業の仕事の流儀。
今日はその話をしようと思います。


マニュアルは、聞かなくても分かるくらいがちょうどいい

私の作るマニュアルは自分で言っちゃいますが、とても親切です。
親切すぎて、その後10年間使われたという事例もあります。元同僚に会ったときに、「作って貰ったマニュアルがわかりやすくて、今も使ってるんだよ」と教えてくれましたが、さすがに10年経っていたので「そろそろ規則も実情も変わっているだろうから作り直そうよ」とお願いしたくらいです。

マニュアルは、手引き・ハンドブックです。

例えば、観光案内所に置いてある「観光ハンドブック」が地図しか書いてなくて、どこにどんなお店があるのか詳細を書いていなかったら、どう思いますか?

「わからなくて、どこにも行けないよ!」

ってなりませんか?
取扱説明書もそうですよね、組み立て方の図は書いてあるけど言葉での説明がなかった場合。「わからないよ!」ってなりますよね?
そのせいで、観光案内所に行列が出来たりお客様サポートセンターの電話が鳴りやまなかったりしたら、「観光ハンドブック」「取扱説明書」の意味がないのです。

業務マニュアルも同じですね。

書いてあることが分からなくて、前任者や他の同僚、管理者に何回も何回も確認するって本末転倒な訳で、前任者もちゃんとしたマニュアルを作っておけば後で「質問攻め」で時間が奪われるということがなくなると思うんです。

マニュアルは、分かる人が作ると分からないものになります。

ただ、視点を変えて「自分が初めてこの仕事に就いたときに、このマニュアルだけで仕事が出来るか?」「自分がこの仕事に就いたとき、ここを教えてもらえてたら楽だったのにな」ということを思いながら作ると、誰でも分かるマニュアルになります。

聞かなくてもいいくらいのマニュアルが、マニュアルとしてはちょうどいいものになります。


基本は「私が突然出勤できなくても大丈夫」な仕事スタイル

私が事務の仕事をする上で基本スタイルにしていることは、「私が突然死んでも業務が3日間回せるように準備&整頓をしておくこと」です。

死ぬというワードは少し強烈だったかもしれませんが、例えば交通事故に遭ったり、突然倒れたりと何があるかわからない時代ですから、私の身に何か起きても机の中を見ただけで詳細がわかるように、整理整頓&書類の作成をしておくようにしています。3日もあれば全体像を掴めますから、基本は「何か起きても3日間は大丈夫」な状態にしておきます。

今の仕事は、「代行担当者」「2次担当者」が設定されていないので”私しか出来ないこと”がそれなりにあることに危機感を覚えているのですが、基本的には事務は1人で行う業務というのは無いと思っています。

むしろ、事務の業務を1人で担ってはいけないでしょう。

お休みしたとき、不測の事態が発生したときに対応・サポート出来る「代行担当者」は必要ですし、何よりも事故防止のために複数の視点があるというのは重要になってきます。

官公庁の共済組合で働いていたときにはもうこのスタンスで仕事をしていましたので、毎月支払いが決まっている案件の「支払調書」だけを先日付で前もって作成し、その期日が来たら伝票を発行して決裁に回していました。

このスタンスで仕事をしていたお陰で、1つ助かったのが母が亡くなったときのこと。
亡くなる前後併せて3週間ほどお休みを頂くことになりましたが、前もって作成していた書類があったお陰で、代行者の業務量を増やすことなくお任せすることができました。(休んだ期間中のその他業務は一切していなかったので、復活した後の残務整理はなかなかのものでしたが…笑)

また、普段体調不良で休むことはないのですが、4年に1回くらい突然高熱を出してお休みをすることがあり、こういったスタイルで仕事をしていると特に申し送りをしなくても引き出しの中を見ただけで代行者が業務を行うことが出来ましたので、本当に良かったと思っています。


個人事業主だからと侮らないで

法人・個人関わらず、事務は重要な部分です。
個人事業主だと全てを1人で賄っていますから、自分の身に何かあると周りが慌てるのは目に見えています。機密情報の問題から、全ての書類等の在りかを第三者に教える必要はありません。ただ、個人事業主関連の書類は1か所にまとめるとか、ファイリングの方法を考えるなどをして必要な書類がすぐ見つけられる状態にしておくのも1つの手段かも知れません。

自分でも、どこに置いたかわからないような状況だけは避けたいものです。自分が探せないものは、他人も見つけられませんからね。

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