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期日までに売上金が支払われなかったら

勘違いしがちな帳簿の付け方 という記事で、現金主義と発生主義の帳簿の書き方についてお伝えをしましたが、その中で少しだけ売上に関しての仕訳方法にも触れました。

基本的には、その事実が確定した時点で帳簿への記帳が必要となりますので、

□申し込みがあった日
  売掛金 / 売上

□入金があった日
  現金(普通預金) / 売掛金

という仕訳が必要となります。
※物品販売等で、モノとお金が同時に交換される場合は、 現金/売上 の仕訳で問題ありません。


代金を請求するためには支払期日を指定して請求書を発行する訳ですが、私自身何度か支払期日までに代金を振り込んで頂けないことがありました。
支払期日までに売上金が入金されなかった場合、特別な帳簿の記載はあるのでしょうか。



請求書を発行するタイミングは人それぞれ

請求書は、行っている業種やプロジェクト、契約等で請求のタイミングが異なります。

①1つの案件を、都度請求する。(単発の企画や、物品販売等)
②1ヶ月の取引を、月ごとに請求する。(常連様相手の物品販売や月額サービス等)
③契約期間ごとの請求。(代行サービスや短期の契約サービス等)

請求書を送るタイミングは、ご自身の中でルールを決めておいてください。相手ごとに変えても問題はありませんが、請求漏れが生じる可能性もあります。

商品代金の請求にかかる時効は、2020年に民法の改正があり10年になりましたが(今までは2年)、遅れれば遅れるほど回収するのも手間になります。

私の場合は次の通りに決めています。
①セミナーや筆文字作品:申込頂いた日に請求書を発行⇒5~7日以内の日付で支払期限を設定
②事務代行:月末締め、月末日で請求、請求翌月20日が支払い期限

例)
11月分の事務サポート代
 ↓
11月30日付で請求書を発行
 ↓
12月20日が支払い期限


イベントでの物販販売をされている方だと、こういった形で代金を請求し、売上を計上することがほとんどないと思います。ただ、今後オンラインショップ等で必要になるケースもあるかも知れませんので、職種・業種を問わずに代金請求に関するルール作りは業種・職種問わず決めておいた方が良いでしょう。

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支払期限までに入金されなかったら未収金に計上だと思っていた

私の今までの経理経験のほとんどが共済簿記と呼ばれる手法だったのと、現金主義との仕訳方法がごちゃまぜになっており、次のような仕訳をするものと勘違いをしておりました。

代金が入金された日の会計処理
 
普通預金 / 売上高

入金されず支払期日になった日の会計処理
 未収金 / 売上

入金された日の会計処理
 普通預金 / 未収金

しかしながら、色々と調べていくうちに「未収金」という勘定科目は商品以外のモノを売却したときに使う勘定科目で、上記の様な仕訳をしてはいけないと知りました。
共済簿記では、月内に入金されないものをすべて一旦未収金に計上していたので、売上も同じでいいと思っていたんですね。では、支払期日までに入金されなかった場合はどうすればいいのでしょうか。


未収金じゃなければ何になる

未収金は、商品以外のものを売却したときにしか使えない勘定科目と前項でお伝えしました。では、商品を販売した時に使える未収金ではない勘定科目って何になるのでしょうか。

その勘定科目は、売掛金です。俗にいう、ツケというやつですね。


改めて、請求時の仕訳を見ていきましょう。

請求書を発行した日の会計処理
 売掛金 / 売上高

入金された日の会計処理
 普通預金 / 売掛金

勘違いしがちな帳簿の付け方 という記事や、この記事の前半でもお伝えしているこの仕訳を行えば、請求期日までに入金されなかった場合でも特別な会計処理をしなくて大丈夫です。

ただし、期日までに入金されることが原則ですよ!売掛金の残高がずっと残っている場合、決算書を見ると売掛金が回収できていないというのが一目瞭然です。場合によっては、入金してもらうために督促も必要となるでしょう。

※ペイメントや販売サイトだと、販売価格が1万円を超えないと入金されないシステムもありますよね。この場合の売掛金残高は仕方ないと思います。


補助簿への記帳が必要です

売掛金が発生したら、発生した相手ごとに売掛金台帳への記帳が必要となります。これを作成することで、誰に代金の請求を行っていて、誰から代金の徴収が漏れているのかが一目でわかるようになります。売掛金台帳は、元帳の補助簿の扱いです。元帳に書いてあることの詳細を教えてくれる帳簿ですので、元帳残高と一致するかも必ずチェックしましょうね。

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