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敷金が返って来ないときの対処方法

2019年10月に引っ越しをしました。
管理会社に退去の立ち合いをしてもらい、修繕の必要がなかったことから敷金の振込先を書類に書き、担当者に渡して無事に終了。

今までの経験と思い込みから、すぐに敷金は返って来るものと思いこんでいたため引っ越し終了から早い段階で契約書を処分しました。

すると、2ヶ月経っても敷金が返ってきません。

本当にあの時は青ざめました。オーナー会社と管理会社が違った為に、オーナー会社の連絡先がわからないのです。
当時仲介してくれた不動産会社へ連絡し、事情を話してオーナー会社の連絡先を教えて貰い、とりあえずは何があっても関連企業には連絡が取れる状況にだけはしておきました。

結局、退去をしてから敷金が返って来るまでに約4ヶ月かかってしまった訳ですが、もしそうなったときにどうすればいいのか、私の経験をお話しようと思います。

たまたま、私は相手企業が中小企業だったからこの手段が有効でした。しかし、状況によってはこの手段が有効ではない場合もありますので、手立てがない場合は早めに法律のプロへ相談することをおススメします。


まずは、電話で督促

これは基本ですが、まずは電話で督促をします。
私がダメだった点としては「すぐに振り込まれるもの」という思い込みがあったので、ファーストコンタクトまでに2ヶ月を要したことです。これはもう、退去してから3週間くらいで振り込まれなかったらファーストコンタクトを取るべきでしょう。

そして、「電話で督促」とタイトルに書いておきながら最初はお問い合わせフォームを使いました。これも反省点なのですが、電話が苦手だったとしても電話をすべきですね。お問い合わせフォームはこちらに履歴が残りませんから相手に「届いていない」と言われればそれまでです。電話は発信履歴が残るので、何かあっても証拠として使えるので電話をするほうがいいでしょう。

2019年12月末にお問い合わせフォームへ問い合わせをしましたが、2020年1月中旬になっても反応がなかったので電話をしました。
担当者は言います。「1月末までに振り込みます」と。

1月末日。振り込まれません。
再度連絡しました。担当者は言います。
「あれ?振り込まれていないですか?事務には伝えたんですけど…。早急に振り込みます」

3営業日後。振り込まれません。
入居した時や胆振東部地震の時の対応を思い返すと、相応な対応だと感じました。


さて、このような状況になったとき、どのように対応すればいいのでしょうか。
今は、ネットで調べれば何でも出てくる時代です。
”敷金 返って来ない”と検索すれば、敷金が返って来なかった人たちの熱い戦いの様子を知ることが出来ます。


私はお問い合わせフォームにメールを送った直後にネットで調べて有効な情報を得ていたので、次の一手に出ることに決めました。


担当者ではなく、会社を相手にする

担当者レベルでは、管理者がちゃんと把握していなければ安易に闇に葬られます。嘘も方便ではないですけど、担当者が顧客のことを「知識がないだろう」と見下していれば色んな言葉技を使って騙しにだましてくることもあると思います。

きっとこの担当者もこういうレベルだったんでしょう。
ただ、相手が悪かったですね(笑)多少法律の知識があって、仕事では監査官もしたことがある私が相手ですから、担当者がついている嘘くらいは見抜くことができます。


私が次に出た一手は、【社長に催促状を出す】です。


ここで注意したいことがあります。

①会社の規模に応じて、文書を出す相手に順番がある
②督促状を出す前に、催促状を出す


私のケースで言うと、入居当時に社長以外に社員がいなかったと推測できるほど小さな会社だったので社長宛に出しました。


また、督促状と催促状の違いはお金を請求している部分については同じですが、催促状の方が若干優しめな感じです。

催促状…未払分の支払いを促す書状
督促状…支払いの最終勧告


文書の内容としては、

お宅の担当者に、敷金返って来ないから返してと何度もお願いして「早急に振り込みます」って言われてるのに全然振り込まれないの。
〇日までに振込が確認出来なかったら、こっちもそれなりの対応を検討しているからご了承くださいね。
あ、でもこの文書が届く前に振込処置してくれてたらごめんなさいね。


という申し分のないビジネス文書を作成し、簡易書留で社長個人宛に親展で送りました。

先方は相当驚いたと思います。郵便物が届いたと思われるその日にすぐ社長から電話が来て、すぐに返金されました。

社長の言い分としては『対応済みの方のボックスの方に一連の書類が入っていて』でした。私からしたら、担当者が管理者に対応遅れをバレない様にするためにするよくある行為だと思っています。
まさか社長宛に親展で催促状が来るとは思ってなかったでしょうから、担当者もきっと大変でしたでしょうね(笑)


一連の対応をしていて思いました。

早くやっておけばよかった。

もうこれに尽きます。


催促状を出すことになったら注意したいこと

こういうことが起きないのがベストですが、もし送らなければならなくなったときに注意したいことがあります。

私の今回のケースを例に言うと、

①正式なビジネス文書で送る
 ただの手紙でも問題はないかも知れませんが、相手は会社ですのでビジネス文書で送れるとベストですね。日付や発簡者がしっかりと明記されますから、もし仮にその先の対応ステップに進んだ時の証拠としても効力は強いでしょう。必ず、自分用の控え(発送する分のコピーでも可)を残しておいてください。

②簡易書留で送る
 普通郵便は誰が受け取ったのか、いつ届けられたのかがわかりませんから必ず簡易書留を使用しましょう。(レターパックの赤い方でもOK)
 もっと効力の強い文書で送りたいときは”特定記録郵便”になります。(督促状になったときはこっちがいい)

③社長個人名宛の親展にした
 私の場合は、本当に小さな小さな企業相手でしたので直接社長宛にしました。 「○○管理会社 御中」や「○○管理会社 ご担当者 様」という宛先にすると、誰が開封するかはわかりません。
 今回は、担当者が返すと言っているのに対応されないのが問題ですから、郵便物の宛先を担当者にすると担当者が郵便物を廃棄する可能性が非常に高いことと、規模の小さな会社ですので社長にこういう状況だというのを知らせる必要があると判断したので、

○○管理会社

代表取締役 ○○ ○○様

親展

という宛先にして書類を送付しました。
企業の規模によっては課長や部長などの管理者宛に送ることになりますが、その際も必ず親展にして送りましょう。宛先の本人以外が開けることはほぼありません。

今回のケースは、この対応が効果絶大だったと思います。
送付する文書の順序、送付する相手の順序だけは間違えずに送るようにしましょう。


まとめ

今回の反省点を踏まえ、注意したいことなどをまとめます。

①契約書は敷金が返って来るまで破棄しない
②ファーストコンタクトは早めに
③お問い合わせフォームは使わない。電話でコンタクトを取る
④文書を出すときはまずは催促状。それでも対応されなかったら督促状
⑤ビジネス文書で作成する(効力の強い文書にしたいときは特定記録郵便)
⑤簡易書留など郵送の履歴が残るもので発送
⑥担当者宛ではなく、上の管理者宛に親展で送る

こういうトラブルが起きないことがベストですが、もしその様な状況に遭った際の参考になれば何よりです。
ただ、法律のプロに頼む方が良いときもありますから、自分で判断せずにプロにお任せするということも忘れずに行ってくださいね。


2022.2.13修正・加筆


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