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岡田印刷訪問記①

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岡田翔(つばさ)という人物

あなたはズボンを何回に一回洗濯しますか?
私は3回に1回というルールで洗濯することをずっと続けていました。地元カンパニーで働き始めてから少しずつ少しずつそのルールがゆるくなって、今は5回に1回くらいの洗濯になりつつあります。そして地元カンパニーの社員のみんなと話していると、それが普通のような気分になってくるから不思議。…なぜだ。

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ズボンを毎日洗濯してビシッとアイロンがけしている人ってどんな人だろう…ジモカンのぬくぬく環境でそんなことを考えていたのですが、先日、出会ってしまったのです。毎日ズボンを洗濯して、ビシッとアイロンがけしていそうな人物に…!(※個人の印象です)

それが、愛知県岡崎市岡田印刷のおもしろ創造研究室長であり跡継ぎの岡田翔(つばさ)さんです。

初めてお会いした時、翔さんは、ビシッと糊のきいたスーツを着こなし、指の先までピンと伸びた腕をぐるんぐるん回して我々の車を誘導してくれました。

学生時代から歌うことが大好き(ハモネプ出場歴有り!)で、ラジオDJもこなすという翔さんは、コーヒー好きが講じて自家焙煎をしたり、スパイスの研究に余念がなかったり、会社が運営する託児所の園長という顔を持っていたりと、31歳という若さでびっくりするほどの引き出しを沢山保有しながら、スマートに毎日ズボンを洗濯する(たぶん)、完璧な人物だったのです。

岡崎市の岡田印刷

地元カンパニーは、日本全国の地域の一次産品を集めたカタログギフトを展開しています。現在46都道府県のギフトが揃い、まもなく沖縄県のギフトの販売が開始されれば、47都道府県のギフトが勢揃いする予定です。

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でも、もっとローカルに見ていけば、もっともっとたくさんの魅力的なつくり手さんがいるはず。そしてもっとたくさんの地域の魅力を掘り起こすことができるはず。

たくさんの魅力あるつくりてさんに出品してもらい、よりたくさんの人に地元のギフトを通じて地元エナジーを届けるには、その地域のギフトをその地域の人がつくる方いいのでは・・・!!

…というわけで、地域の地域による地域のためのカタログギフトプロジェクトを進めるべく、地元カンパニーの藤本(ふ・じもと!)くんという激アツ社員が立ち上がりました

11月中旬、そんな藤本くんと、児玉さんと共に向かった先は愛知県岡崎市。
(会社のお金で行ったことがないところに行けるなんて、なんて幸せなんだ!っと、趣旨も分からず出張に手を挙げたのはザコウジです。)

「岡崎市の岡田印刷さん(岡×岡でややこしい…)が、地元おかざきのギフトを作ろうとしている。というかもう作っている。どんな想いで岡田印刷さんが地元おかざきのギフトを作ったのか取材せよ。」

これがザコウジに課せられたミッションでした。

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4時間ほど(児玉さんが)ドライブしてたどり着いた岡崎市の岡田印刷さん。立派なレンガ造りの建物に入ると、いきなり「地元おかざきのギフト」のチラシが目に入ります。すでに地元おかざきのギフトについて様々なメディアで紹介してもらい、その記事を商談テーブルに掲示してくださっている模様。

「何枚でも持ってってくださいね。印刷屋ですから!」と軽快に笑う優しいスタッフの方と、「遠い所よくいらっしゃいました」と声をかけてくださった温厚で物腰柔らかな社長の邦義さんの存在に、出張で緊張していた心がみるみる解けていきました。

信頼を築いた父と、羽ばたくつばさ

もともと全くの異業種に就職してバリバリ活躍していた翔さん。3年半前に邦義さんが倒れたことをきっかけに、岡田印刷さんに入社。最初は仕事を覚えることに必死でしたが、2年もすぎると、印刷業界が衰退していく中で、どう差別化をはかっていくかという課題感を持ち、なんとか新しい軸で解決していけないかと考え始めたといいます。

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そんな中、自身の結婚式に着想を得て構想を描いたのがカタログギフトでした。

「岡田印刷の強みはなんだろう、と思ったときに、長い歴史とともに社長が培ってきた業種や地域を超えた交友の広さや信頼が強みかな、と思ったんです。そういった強みと、印刷業の範疇で何かをするということを考えたときに、カタログギフトはぴったりだなと思ったんです。」

こうして地元のギフトに出会い、地元のギフトのプラットフォームに乗っかる形で「地元おかざきのギフト」を作ることにした翔さん。

「紙の強制力と僕は呼んでいますが、紙にすることでどうしても読んでしまうという力が働くと思っているんです。近くの企業さんでもお互いを知らないということはあるし、紙にすることでお互いをよく知ることにつながるかなと思います。そこから新しい事業につながったりということもあるかなと。100年を超える岡田印刷の歴史の中で、地元の企業さんたちの恩恵を受けて今があると思っているので、受け取る人も買う人も知り合いという関係性の中で、地域貢献につながれば、という思いもありました。」


歌い手でもある翔さんの美声でポンポンと語られるこれまでの経緯を、じっくりと頷きながら見守る邦義社長の姿がとても印象的でした。

実は邦義さんも、翔さんに負けず劣らず、いやそれ以上に引き出しを沢山持つ人物なのです。そば打ちもやればヨットも楽しむし、ここ数年は能の稽古にも励んでいるとか。何よりも心打たれたのは、筆者ザコウジが小学生時代、夜な夜なナイターに通ったゲレンデと同じゲレンデをホームとするスキー愛好家でいらしたこと!こんな形でホームゲレンデを共にする年の差仲間にお会いできるとは。僭越ながら、勝手にホームゲレンダー(そんな言葉あるのか?)として親しみを感じてしまいました。

この多数の引き出しと、なにもかも包み込んでくださるような温厚なお人柄こそ、この地域で岡田邦義という人物が信頼を培ってきたゆえんなのでしょう。

こうして邦義さんが培ってきた信頼を、翔さんが受けつぎつつ、名前の通りつばさのように軽々とした身のこなしでそれを羽ばたかせる様は、完璧な親子の連携プレー。

お話を伺いながら「完璧な人だ」と感じてしまった翔さんに、一つだけ懸念点をあげるとしたら、本来は1週間ズボンを洗濯しなくてもいいと思っていたとしても、まわりのイメージに縛られて毎日ズボンを洗濯することをなかなかやめられないのではないか、という点です。(余計なお世話…)

1週間同じズボンでも許されるコタツのようなぬくぬく環境が恋しくなったら、ぜひ地元カンパニーに遊びに来てください。邦義さんのホームゲレンデにスキーをしに行きましょう。


信頼関係ゆえの困難と新しい風


地域で信頼を築き上げてきた岡田印刷さんだからこそ、と思いきや、その信頼関係がゆえに感じた苦労も多々あったようです。

つくり手さんを取材して、それをつくり手さんの会話として文章をまとめていくのが地元のギフトの特徴の一つなのですが、この「取材をして短い文章にする」というのがなかなかどうして難しいのです。

「始めは軽い気持ちでした」

という翔さん。
やり始めてみると、近くにいるからこそ、取材をどうまとめ上げるか、どんな写真がいいのか、どういうラインナップにしていくのか、といったあたりには心を砕いたといいます。

…わかる、わかるよ!

沢山の思いが詰まったつくり手さんのお話は、知れば知るほどそれをどう切り取っていくか編集するのは至難の業。話を沢山お伺いしたい一方で、後の編集の辛さを考えると手短に終わらせたい気持ちにもなると言う、難しい仕事です。特にこれまでの関係が強ければこそ、なおのこと。

それでも、カタログギフトを作らなかったら聞くことがなかったであろう、地元のつくり手さんの事業に対する想いを聞けたことは、翔さん自身の心の糧になったといいます。

「岡田の姓を名乗る自分がすべての取材に同行することで、この事業に対する意気込みや責任を感じてもらえるのでは、という想いで、20すべてのつくり手さんの取材に同行しました。結果的に、皆さん本当に想いをもってやっていらして、それを聞けたことは貴重でした。こんな機会がないと知らなかったことが沢山ありましたし、よく知っている事業者さんでも、改めてお話を伺うという機会はなかったですから。」

この他にも、印刷会社という職種の性質上、ふだんは受注有りきだった社内で、『自分たちで作っていくんだ』というクリエイティビティが刺激されて新しい喜びが生まれたことも、嬉しい副産物だったようです。

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社内のデザイナーさんのアイディアで、カタログギフトの中に4つの季節の見どころを記載した観光カードを入れたり、岡崎市の形にくり抜いたユニークなスリーブが完成したりと、次々と社内のアイディアが実現している様子は、エネルギーに溢れているように感じました。

さまざまな困難もありつつ、たくさんのプラスの副産物を生み出しながら、すごい熱量でこのプロジェクトを短時間で一気に形にしてしまったのは翔さんだったからこそかもしれません。翔さんに、岡田印刷さんに出会えたことが、本当に幸せです。

地域の地域による地域のためのカタログギフト

熱い想いを持つ岡崎市の岡田印刷の岡田親子の思い描くプロジェクトはまだ始まったばかりですが、すでにたくさんの受注をいただいており、さらには次なる構想もいくつも温めていらっしゃる様子には、いや、ほんと、こうあるべき!というしっくり感しか感じらられません。まさに、地域の地域による地域のためのカタログギフト。

次の記事では、岡田印刷さんと一緒に「地元おかざきのギフト」をつくってくださった関係者の皆さまにも触れながら、地域が地域のために地域のカタログギフトをつくることのアツさを引き続きお伝えできればと思います!

ちなみにこの出張の報告を社内でした藤本くんは、「とにかくアツいんですよ…!」という言葉を繰り返していたとかいないとか。語彙力〜!!

藤本くんはズボンを1週間履けるタイプに違いないですね。(単なる憶測)


                      岡田印刷訪問記②に続く

お知らせ

ピンポンパンポン。
ここで、筆者ザコウジからのお知らせです。
今回の岡田印刷訪問記①を皮切りに、社内の出来事を勝手に皆さんにお伝えするべく記事を書いていこうと思います。
題して、「社員じゃないあなたにもお届け。勝手に社内報」
というわけで、「勝手に社内報」の今後の予定はこちら。

・岡田印刷訪問記②
・各班の紹介と方向性
・悩めるパートナー班
・地元のギフトとは?
・班長の役割と、1on1の意味
・届かないギフトの価値
・人類の叡智を築け!リモートチームの働き方
・言葉の仮止め、その後。

乞うご期待!
※こちらのセットリストはあくまでも予定です。予告なく内容が変更になる場合もございます。あらかじめご了承ください。



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