🏭長野県のニット工房で「服を大切にしよう」と決めた話

こんにちは、自問自答ファッション通信あきやです。

私は2008年から2018年まで10年間、都内の百貨店で働いていたのですが、毎日いろいろなことが巻き起こっておりました🌪その時に印象に残った出来事や小話など、感動する話でもオチのある話でもないのですが、ちょっと書き残しておこうと思います。（※工房のこと、お客さまのこと、少しフェイクを入れてあります🙇‍♀️）

🏭長野県のニット工房でメイドインジャパンの息吹を感じる

私がいた百貨店には「ミセス向けのオリジナルブランド」がありました。

百貨店の中では「品質が高くて“比較的”リーズナブル」（綿ニットが14,000円くらい、カシミヤニットが18,000円くらい）な商品を扱っているショップで、私はそこで2年くらい販売と在庫の管理をしていました。
そのショップの主力商品でもあったニットを作ってくださるメーカーさんのOEM先の一つに「長野県の小さな工房」があり、ある時見学に出かけました。

日本の工房（工場）ってどんなところを想像しますか？大きくて、きれいで、グレーで四角い建物でちょっと無機質で、数百人の方々が白衣を着て作業をしている。そんなイメージだったのですが、この時私が伺ったのは、とある一軒の民家でした。

「普通のお家だ……🏠」そう、それは想像していた工房というよりは自然の中に建っている、ごく普通の平家でした。（とても清潔なお宅でした）
中に招いていただくと、部屋という部屋に「ニット編機」があって、ガッシャンガッシャン動いていました。
話を聞くと家には20台ほどの編機があって、365日24時間、盆も正月も休みなく機械を動かしっぱなしだそう。ご家族（おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お子さん3人）の生活の中に機械がどんどんどんと置いてあって、ちょっとシュールな「合成写真」みたいでした。機械の真横でご飯を食べたり、お茶を飲んだり、お子様の絵が飾ってあったりして、少し驚きました。（もちろん清潔な空間でしたし、整備もきちんとされていました。）ご自宅の庭で採れたニラでおやきを作ってくださって、毛糸がガシャガシャ編まれていく機械の横でモグモグいただいている時に、

おお、これも一つの「メイドインジャパン」なのだなぁ……👀！！

と、ちょっと衝撃を受けました。私が普段販売しているニットが、この素敵なご家族の、きれいな普通のお宅で作られていることに。日常の中に「ものを作る」という工程がさらっと入ってることに。出来上がったニットはご家族みんなで丁寧に仕上げをして納品していました。人が生きるということ、ご飯を食べ、お風呂に入り、家族と団欒し、生活の中でニットが編み上がる。是枝監督作品のようなシーンの一つひとつが、私の記憶に残りました🎥

20代の私は、14,000円のニットに「ちょっと高いな〜」と思っていたのですが、作業工程を見ていたら「むしろお安いのでは…」と思うようになりました。そして「完成されたニットは、絶対に一枚一枚大切に扱おう！絶対に大切に売り切ろう！」と心に決めたのです。きれいに畳んで、少しでも汚れないよう、引っ掛けたりしないように大切に取り扱い、販売するときも商品の持っている良さを最大限に伝えるよう、一層の力が入りました。

もちろん、大きな工場で作られているから〜とか、海外の工場で大量に作られているから〜とかで服を粗雑に扱っていい訳ではありません。職人さんの手仕事で作られているから〜価格が高価だから〜で特別その服を大事にするのもちょっと違うとは思います。どんなものでも気に入ったら長く愛用して、気に入らなかったら手放したらいいと思います。

工場から家に帰ってみると、私の部屋には大量の服がありました。クローゼットにも、プラスチックの衣装ケースにもたくさんの服、服、服。20代の私のクローゼットには「トレンドだけど似合わなかった服」「古着屋でかわいいと思って買ったけどサイズが合わなかった服」「大好きだけど着なくなった服」「TPOには合うけれど、ときめかない服」「背伸びして買ったけど着心地が良くない服」着ていない服が溢れていて、ごちゃごちゃでした。

何気なく服の商品タグを見てみると、ジャパン、チャイナ、カンボジア、バングラデシュ、インドネシア……色んな国から来て私の身体を守ったり装ったりしてくれているんだ…！となんだか脳内に「イッツ・ア・スモールワールド」が流れてセンチメンタルな気分に。これからは服をもっと大切にしようと決めたのでした。

👗101歳のお客さまの話

私が百貨店スタイリスト時代に担当させていただいていたお客さまで最高齢の方はなんと、当時101歳🎉お一人で電車に乗って洋服を買いに来てくださっていました。（驚くほど、お元気！）

おしゃれ大好きな方だったのですが
 ①セール品で服を買わない
②年に2回だけ服を1着ずつ買うというマイルールがある方でした。

「もうすぐセールになりますよ」とコソッとお伝えしても、定価で買ってくださる理由をお伝えしたところ。「実は、結婚前にお針子さんをしていたのよ」と教えてくださいました。「一着一着服を縫っていく作業は、とても楽しいけれど大変だった。高価な布や刺繍糸やボタンで縫うときは、やっぱり心が踊ってね、どんな優雅な人が着てくれるんだろう、大切にされるといいなと思いながらウキウキしながら一層の力を入れて縫っていたの。私は結婚して余裕ができたけど、今でも友達が縫っているんじゃないかと思って、セールだとちょっと心が痛んで買えないのよ。」とおっしゃっていました。

お客さまが選ぶお洋服は刺繍の入ったブラウスや手が込んだセーターなど。少し高価なお洋服でしたが、一着一着とても大事に着ていらっしゃいました。ご自身の経験から貫いているお姿がかっこよかったです。そのお話を聞いて、私も一層手仕事が施された服が好きになりました。

ちなみに、アパレル販売経験が長い私は、もちろん、セールで買うのもいいと思っていますっっ🙋‍♀️定価でもセールでも、気に入った方に着てもらえるのがいいなと思っています🫶けれども、もっと成熟したらお客さまのように意志を持ってお買い物したいなぁと思ってできる限り実行しています。

👗ファッションショーに通っていた話

お取引先のデザイナーズブランドのファッションショーに行かせていただく機会もありました。当時の私はピヨピヨのひよっこで、本来であれば招待状をもらえる立場ではなかったのですが、販売員さんや営業さんと仲良くなって「勉強のためにファッションショー連れて行ってくださいっっ🙇‍♀️」とお願いして連れて行ってもらいました🐥

ファッションショーの招待状のデザインや質感、書かれている言葉、フロントロー（最前列）の華やかな文化人、ガンガン流れてくる音楽、モデルさんの堂々としたウォーキング、イマジネーションの世界が表現された服、服、服。ショーの最後に登場するデザイナーさんのかっこよさ、ショーの終わりのシャンパン、たまたま隣にいた雑誌のエディターさんとの会話🥂ファッション好きな私は、その全てにビリビリとしびれていました⚡️

ファションショーの服は特殊です。ぬいぐるみのようにモコモコだったり、ヌーディーだったりとリアルクローズではありません。それが半年後、店頭に並ぶ時には「クリエイティブだけど日常にも馴染むお洋服」として新たな命が吹き込まれています。

もちろん、どんなにいいファッションショーだったとしても、自分にサイズが合わなかったり、生活に合わなかったり、着なくなってしまってはいけないので、お買い物は真剣です。しかし何年かに一回、そのブランドでお買い物をするときは何度かのショーで体験したことが全部詰まって、より思い出深い服になるのです。

今は、憧れのブランドのファッションショーがSNSやブランドHPから気軽に見られる時代になりましたね🎊ぜひみなさんも、一度観てみてください、きっと想いが違ってくるはずです✨

💍作家の友達ができた話

私には百貨店時代からクリエイターやデザイナーの友人がいます。みんなとても優しくって、前向きで、頑張り屋さん、いつも新しいことを考えていて尊敬しています。百貨店時代も友人でしたが、会社を辞めてからより仲良しになりました。

私はクリエイターズアクセサリーが好きなのですが、その理由のひとつに「スタッフが楽しんで作っているから」というのが挙げられます。スタッフがみんなで「これかわいいね、すごくいいね」と言いながら作っているのです。その空気感が好きなのです。ちょっとサンリオの世界観と言いますか、平和なんです。ものに込められた想いはなぜだか伝わってきます。自分の人生をふわっと支えてくれるというか盛り上げてくれるというか、空気まるごと飾ってくれるのです。

それまでは駅ビルでささっとアクセサリーをまとめ買いして「なんか違うな」と思ってすぐに手放すことが多かったのですが、クリエイターズアクセサリーを知ってからはひとつひとつ大切に扱うようになりました。（もちろん、安価なものが悪い訳ではないですし、大切に扱うのも、短期間で手放すのも、悪いことではありません。その時のその方の心地よい選択であれば良きことです。心からそう思います🙏）

もちろん私はメゾンブランドのハイジュエリーや、コスチュームジュエリーも大好物ですし、貴重な宝石や貴金属にも目を輝かせています💎しかしクリエイターの作品にはそこにしかない良い空気を感じています。（HUNTER×HUNTERでいう、ゼパイルが一生懸命贋作を作っていたら知らぬうちに念能力が使えるようになってしまったみたいなことです。わからない方ごめんなさいっ🙏）ちょっと良い世界が巻き起こっているのです🌎

🍪 まとめ 🍪

こんなことを語っていると一見、「いいものだけ買おう」とか「一着を長く着よう」語っているように見えちゃうのですが、そうではないのですよ。私も衝動買いしちゃうこともありますし、失敗してすぐ手放してしまうこともあります。その時の気分を晴らしたい気持ちで服をいえ〜いと買っちゃうことは心の栄養になりますし、悪いことではありません☺️✌️

しかしこれから「なりたい自分像」を考えるとやはり「きちんと選んだものを堂々と着たいな」と思うのです。そのお洋服と真剣に見つめ合おうとした時に、目を逸らさない自分でいたいなと思うのです。

今現在、私が1年間に買う服は4〜5点くらいです。「飽きないんですか？」とか「我慢しているんですか？」と聞かれることもしばしばですが、本当に我慢しているわけではないのです。むしろ「この服をもっと何回も着たい！」という気分です。今は10代〜20代の時に憧れていた服を買うようにしているので「敬意」みたいなものが大きくて、「毎日その服を着られるのが夢のよう」という気分で過ごしているのです。衝動的な「好き！」は移り変わりがありますが、「敬意」は割と長く続きます🙌

衝動的に服が欲しくなってそれが「なんでもいいから買いたい！」「買わないとなくなっちゃう！」という焦りの気持ちだった場合は、こちらのnoteをちらっと読み返してみてくださいませ☺️👗じっくり楽しいファッションライフ過ごしていきましょう〜！

\フォロー・twitterでのおすすめ本当にうれしいです🙇‍♀️/
📖自問自答ファッション通信note
https://note.com/jimon_jitou
🐥twitter
https://twitter.com/jimonjitou_
📷instagram
https://www.instagram.com/jimonjitoufashion
👗自問自答ファッション通信HP
https://www.jimon-jitou.com
🦫自問自答あきやの日記
https://note.com/jimonjitou_a

\自問自答ファッションあきやの本です📖/

一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法

\スタイリストあきやの全持ち物紹介しております/

\ とっておきのお買い物術を動画で紹介しています🛍 /

\おすすめ記事はこちらから/

noteの賞金を貯めて憧れのリングを買った話💍👑 | 自問自答ファッション通信noteの賞金を貯めて憧れのリングを買った話💍👑

【FENDI】フェンディのスカーフを購入！銀座の旅【マイナビウーマン取材記念】 | 自問自答ファッション通信【FENDI】フェンディのスカーフを購入！銀座の旅【マイナビウーマン取材記念】

【ワイズ】「一着の服を選ぶってことは1つの生活を選ぶってこと」Y’sの服を買ったお話【購入レポ】【ワイズ】「一着の服を選ぶってことは1つの生活を選ぶってこと」Y’sの服を買ったお話【購入レポ】

「スキ」していただけると私の愛用バッグがしゃべります👜押してみてね❣️↓